****【解答】定力で引かれる鎖の運動 問題はこちら → [[定力で引かれる鎖の運動]] ---- #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=571&file=%E5%AE%9A%E5%8A%9B%E9%8E%96.bmp) 上昇中の運動方程式は, $$\frac{d(\lambda xv)}{dt} = F - \lambda x g$$ $$x$$を変数として積分したいので,以下のように書き換える。 $$\frac{d(xv)}{dx}\;v = \frac{F}{\lambda} - gx$$ 次のように変形すれば積分できて, $$2xv \frac{d(xv)}{dx} = \frac{2F}{\lambda}\; x - 2gx^2$$ $$\frac{d(xv)^2}{dx} = \frac{2F}{\lambda}\; x - 2gx^2$$ $$(xv)^2 = \frac{F}{\lambda}\; x^2 - \frac{2g}{3}\; x^3 + C$$ となる。$$x(0)=0$$として$$C=0$$。したがって,$$x>0$$において $$v^2 = \frac{F}{\lambda} - \frac{2g}{3}\; x$$ … (*) $$\therefore v = \sqrt{\frac{F}{\lambda} - \frac{2g}{3}\; x}$$ を得る。 以上の結果には多少の解釈が必要である。 $$v(0) = \sqrt{\frac{F}{\lambda}} \neq 0$$ であることに注意されたい。もちろん現実的な初期条件は$$v(0)=0$$であるが,上の初速度に至る過渡現象が存在すると考えるべきであろう。いきなり定力$$F$$を受けることで,微小時間のうちに速度は上記の値に達するのである。 さて,(*)を時間微分すると $$2v\dot{v} = -\frac{2g}{3}\; v$$ $$\therefore \dot{v} = -\frac{g}{3}\quad,\quad v\ne 0$$ となり,定常上昇時には加速度は一定になることがわかる。また,最高点は$$v=0$$により $$x_{\rm max.} = \frac{3F}{2\lambda g}$$ となる。 #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force1.bmp) Algodooシミュレーション #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force.bmp) POLYMATH数値シミュレーション 運動の全容を見てみよう。[[ひものついた風船の運動]]でも考察したように,鎖はつり合い中心まわりに減衰振動をする。運動方程式は, $$\ddot{x} = \frac{F}{\lambda x} - g - (\dot{x}>0)\cdot\frac{{\dot{x}}^2}{x}$$ となる。$$(\dot{x}>0)$$は論理式で,真なら1,偽なら0をとるものとする。Algodooシミュレーションでは,鎖の運動はより現実に近く,エネルギー散逸が大きいため減衰がはやい。 #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force2.bmp) #ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force3.bmp) ----