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【解答】定力で引かれる鎖の運動 - (2012/04/22 (日) 18:58:38) のソース

****【解答】定力で引かれる鎖の運動
問題はこちら → [[定力で引かれる鎖の運動]]
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#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=571&file=%E5%AE%9A%E5%8A%9B%E9%8E%96.bmp)


上昇中の運動方程式は,

$$\frac{d(\lambda xv)}{dt} = F - \lambda x g$$

$$x$$を変数として積分したいので,以下のように書き換える。

$$\frac{d(xv)}{dx}\;v = \frac{F}{\lambda} - gx$$

次のように変形すれば積分できて,

$$2xv \frac{d(xv)}{dx} = \frac{2F}{\lambda}\; x - 2gx^2$$

$$\frac{d(xv)^2}{dx} = \frac{2F}{\lambda}\; x - 2gx^2$$

$$(xv)^2 = \frac{F}{\lambda}\; x^2 - \frac{2g}{3}\; x^3 + C$$

となる。$$x(0)=0$$として$$C=0$$。したがって,$$x>0$$において

$$v^2 = \frac{F}{\lambda} - \frac{2g}{3}\; x$$ … (*)

$$\therefore v = \sqrt{\frac{F}{\lambda} - \frac{2g}{3}\; x}$$

を得る。

以上の結果には多少の解釈が必要である。

$$v(0) = \sqrt{\frac{F}{\lambda}} \neq 0$$

であることに注意されたい。もちろん現実的な初期条件は$$v(0)=0$$であるが,上の初速度に至る過渡現象が存在すると考えるべきであろう。いきなり定力$$F$$を受けることで,微小時間のうちに速度は上記の値に達するのである。

さて,(*)を時間微分すると

$$2v\dot{v} = -\frac{2g}{3}\; v$$

$$\therefore \dot{v} = -\frac{g}{3}\quad,\quad v\ne 0$$

となり,定常上昇時には加速度は一定になることがわかる。また,最高点は$$v=0$$により

$$x_{\rm max.} = \frac{3F}{2\lambda g}$$

となる。

#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force1.bmp)
Algodooシミュレーション
#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force.bmp)
POLYMATH数値シミュレーション


運動の全容を見てみよう。[[ひものついた風船の運動]]でも考察したように,鎖はつり合い中心まわりに減衰振動をする。運動方程式は,

$$\ddot{x} = \frac{F}{\lambda x} - g - (\dot{x}>0)\cdot\frac{{\dot{x}}^2}{x}$$

となる。$$(\dot{x}>0)$$は論理式で,真なら1,偽なら0をとるものとする。Algodooシミュレーションでは,鎖の運動はより現実に近く,エネルギー散逸が大きいため減衰がはやい。

#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force2.bmp)

#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=572&file=Const-Force3.bmp)
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