【解答】定力で引かれる鎖の運動
上昇中の運動方程式は,

を変数として積分したいので,以下のように書き換える。
次のように変形すれば積分できて,

… (*)
を得る。
以上の結果には多少の解釈が必要である。
であることに注意されたい。もちろん現実的な初期条件は

であるが,上の初速度に至る過渡現象が存在すると考えるべきであろう。いきなり定力

を受けることで,微小時間のうちに速度は上記の値に達するのである。
さて,(*)を時間微分すると
となり,定常上昇時には加速度は一定になることがわかる。また,最高点は

により
となる。
Algodooシミュレーション
POLYMATH数値シミュレーション
運動の全容を見てみよう。
ひものついた風船の運動でも考察したように,鎖はつり合い中心まわりに減衰振動をする。運動方程式は,
となる。

は論理式で,真なら1,偽なら0をとるものとする。Algodooシミュレーションでは,鎖の運動はより現実に近く,エネルギー散逸が大きいため減衰がはやい。
最終更新:2012年04月22日 18:58