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エネルギーによって軌道長半径が決まること - (2012/11/27 (火) 13:38:29) のソース

****エネルギーによって軌道長半径が決まること
ケプラーの第1・2法則を前提として,「力学的エネルギーによって衛星の軌道長半径が一意に定まること」の一般的証明。
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ほとんど同じだが,2つの方法でやってみた。

【証明1】

力学的エネルギー

$$E = \frac{1}{2}mv^2 - \frac{GMm}{r}$$

$$r=a$$の円軌道の場合

$$\frac{mv^2}{a} = \frac{GMm}{a^2}$$

を用いて

$$E = -\frac{GMm}{2a}$$

これに等しい力学的エネルギーをもつ軌道に対して

$$\frac{1}{2}mv^2 - \frac{GMm}{r} = -\frac{GMm}{2a}$$

第2法則から近地点・遠地点において

$$rv = h = {\rm const.}$$

以上から

$$r^2 - 2ar + \frac{ah^2}{GM} = 0$$

2つの解(近地点および遠地点距離)の和が$$2a$$であることから,長半径が$$a$$であることが示された。ぎりぎり高校物理レベルにおさまる点がいい。


【証明2】

軌道平面に極座標を適用して,エネルギー保存と角運動量保存を書くと,

$$\frac{1}{2}m(\dot{r}^2+r^2\dot{\phi}^2) - \frac{GMm}{r} = E$$

$$r^2\dot{\phi} = h$$

両式より$$\dot{\phi}$$を消去して,

$$\frac{1}{2}m\dot{r}^2 + \frac{mh^2}{2r^2} - \frac{GMm}{r} = E$$

運動が許される範囲は,

$$\frac{1}{2}m\dot{r}^2 = E - \frac{mh^2}{2r^2} + \frac{GMm}{r} \ge 0$$

すなわち,

$$r^2 + \frac{GMm}{E}r - \frac{mh^2}{2E} \ge 0$$

したがって,

$$r_{\rm min.} + r_{\rm max.} = -\frac{GMm}{E} = 2a$$

を得る。やはりこれが一番エレガントだろうか。
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