****どっちがはやい?―棒振子と自由落下 棒振子の先端の落下と,自由落下の比較。 時間を座標の関数として求めるというのは,グラフ化するとき汎用性に欠けるものの,最も計算がラク。 ---- 長さ$$l$$,質量$$m$$の剛体棒が,その一端を軸とした振子になっているとき,初速ゼロで水平位置から角$$\theta$$まで振れる時間$$t(\theta)$$を求める。 エネルギー保存により, $$\frac{1}{2}m\left(\frac{l}{2}\dot{\theta}\right)^2+\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{12}ml^2\dot{\theta}^2-\frac{1}{2}mgl\sin\theta=0$$ $$\dot{\theta}$$について解けば, $$\frac{d\theta}{dt}=\sqrt{\frac{3g}{l}\sin\theta}$$ すなわち, $$t(\theta)=\sqrt{\frac{l}{3g}}\int_0^\theta \frac{d\theta}{\sqrt{\sin\theta}}$$ Mathcadによる計算結果を示す。 &ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=96&file=ChainE52.bmp) 棒の長さの半分落下する時間は,0.38秒。自由落下の0.45秒に比べてかなり速い。 &ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=96&file=ChainE51.bmp) 0.38秒ぴったり。中央におもりがついた棒振り子は,すでにはねかえっている。 先におもりをつけた方がより遅くなるというのがやや意外だが,[[回転の慣性]]の特徴を示している。 ----