どっちがはやい?―棒振子と自由落下
棒振子の先端の落下と,自由落下の比較。
時間を座標の関数として求めるというのは,グラフ化するとき汎用性に欠けるものの,最も計算がラク。

長さl,質量mの剛体棒が,その一端を軸とした振子になっているとき,初速ゼロで水平位置から角\thetaまで振れる時間t(\theta)を求める。

エネルギー保存により,

\frac{1}{2}m\left(\frac{l}{2}\dot{\theta}\right)^2+\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{12}ml^2\dot{\theta}^2-\frac{1}{2}mgl\sin\theta=0

\dot{\theta}について解けば,

\frac{d\theta}{dt}=\sqrt{\frac{3g}{l}\sin\theta}

すなわち,

t(\theta)=\sqrt{\frac{l}{3g}}\int_0^\theta \frac{d\theta}{\sqrt{\sin\theta}}

Mathcadによる計算結果を示す。


棒の長さの半分落下する時間は,0.38秒。自由落下の0.45秒に比べてかなり速い。


0.38秒ぴったり。中央におもりがついた棒振り子は,すでにはねかえっている。
先におもりをつけた方がより遅くなるというのがやや意外だが,回転の慣性の特徴を示している。

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最終更新:2009年04月04日 14:07
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