II.時空とニセ「回転」
ローレンツ変換は,4次元座標

の変換なのだった。

のみ取り出して行列で書けば,
と書ける。これを双曲線関数を使って,
と書きかえることができ,3次元空間の回転とよく似た形になる。
練習問題3
上の

を求めよ。
ローレンツ変換は,4次元時空の擬似的な回転と見ることができるのだ!ただし,あくまでニセの回転だから,3次元空間の回転とはわけがちがう。
3次元空間の 回転 に対する不変量=距離 は,
4次元時空の「回転」に対する不変量=インタバル(時空距離,時空間隔)
におきかわる。
インタバル
(ローレンツ変換の不変量)
時空上の変位

のローレンツ変換はもちろん,
である。
練習問題4

となることを確かめよ。
インタバル

は,

に対しては
となるから,速さ

で動く系の固有時間

に光速をかけたものである。このとき

は時間的であるという。固有時間は,相対性原理から考えて座標系によって変わるはずのない量だから,ローレンツ変換において不変量となるわけだ。
ただ,インタバルは

(

は虚数!)の場合にも常に不変量になる。このときは空間的インタバルといい,
は変換によって

となる座標系に移ることにより,まさに3次元空間の距離の2乗になるのだ。
また

は,光のダイヤグラムの上では常に0になり,光速不変の原理を意味する。つまり,

から
最終更新:2009年04月24日 14:03