1.Phun空間

 『Phun』が提供するシミュレーションの舞台としての空間をPhun空間と呼ぶことにしよう。Phun空間は,2次元積層空間である。A~Gの7枚+背景の2次元層空間が積み重なった構造をもち,物体の属性としていずれの層空間に存在するか,すなわちいずれの層空間に属する物体群と衝突するかを設定することができる。
 同一層空間にある物体は互いに,Hinge[回転のしるし](回転軸連結)またはFixate[こていのしるし](固定連結)によって連結しない限り重ねることはできず,シミュレーション時はその輪郭において相互に衝突をする。ただし,連結なしに強制的に重ねると埋め込まれた状態となり,シミュレーション時は衝突状態を回避すべく脱出方向に力を受けて相互に離れる。これを逆に利用して,物体に初速度を与えることができる(埋め込み発射)。
 別の層空間にある物体は衝突をしないので,相互に干渉することなくすれちがうことができる。この積層によって,限定的だが擬似的な3次元空間のように物体を配置,運動させることができるようにしている点が,2次元の制約をある程度超えるシミュレーション環境を提供するPhunの特徴といえる。
 積層構造をうまく活用した例としてひとつ。歯車を重ねて実際の時計のように,時針・分針・秒針の3つの回転軸をひとつにまとめた「ふりこ時計」。衝突をうまくコントロールすることで,2次元の制約をわずかに超えて多様な運動状況を創出することが可能になる。
 設定は,物体を選択しContext_menu[サイドメニュー]からCollision_menu[しょうとつメニュー]のA~Gにチェックを入れればよい。Collides_with_water [水としょうとつ]は水との衝突設定,No_selfcollision[NSC] は自身との衝突を回避するための設定でChain[チェーン](くさり)を使うときに力を発揮する。


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最終更新:2009年05月31日 18:16
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