2.Phun物体

 Phun上でつくり,運動させることができる物体はCircle[まる]・Box[しかく]・Polygon[ポリゴン](多角形)とWater[水],そしてChain[チェーン]にSpring[バネ],Gear[歯車]そしてPlane[平面]である。ただし,このうちばねは弾性以外に質量や衝突する実体はなく,Hinge[回転のしるし]やFixate[こていのしるし]と同じ連結部品と考えるべきかもしれない。
 円・長方形・多角形の順でシミュレーション計算にかかる時間荷重は小さいと思われる。水は,数値流体力学におけるいわゆる粒子法を用いていると思われ,擬似的に水の運動をよく表現するが,運動におけるパフォーマンスを上げるためにかなりその物性は簡略化されており,たとえば浮力や水流の力学シミュレーションに耐える機能はもっていないと断言しなければならない。
 Phun物体は2次元物体であるから,Density[みつ度]は面密度である。もちろん,球などの3次元物体は積み重ねて擬似的に構成する以外にはあきらめなければならないだろう。Material_menu[ぶっしつメニュー]からその物性を設定することができる。物質(glass,gold,…)を選べば自動的に以下の物性が設定される。また,それぞれの物性をスライダーを動かして個別に数値設定できる。

Material_menu[ぶっしつメニュー]

 Density[みつ度]        面密度
 Mass[しつりょう]        質量
 Friction[まさつ]        摩擦度
 Restitution[はんぱつの度合]反発度
 Attraction[引力]       引力係数
 Killer[キラー]         キラー

後から個別に触れるが,たとえば摩擦度や反発度は通常力学で定義されるものとは異なるので注意が必要である。

 Polygon[ポリゴン]は自由な形をつくることができる。画像をそのままPhun物体に変換するツールなども出回っているようだが,β5版からPolygon[ポリゴン]の結合や切り取り等,論理演算ツールが備わったため,Phun単体でかなり自由な形状の物体をつくることが可能になった。Gear[歯車]はシミュレーション上はPolygon[ポリゴン]として扱われる。

大きなギアから一部切り取ってつなぎ,リニアギアをつくる。

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最終更新:2009年05月31日 18:46
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