月への航行時間
アポロ計画などにおける月への航行時間について概算は難しくない。ケプラー第三法則を使うと,アポロの実績に近い値を得た。

OKWaveでみつけた質問。

「宇宙船で地球から月に行くまでに,どれぐらい時間がかかるか?」

一気に加速して,ほとんどの航行時間を慣性で飛ぶというのが効率からして常識である。すると,宇宙船の軌道の長半径は月の公転半径のほぼ半分になるから,ケプラーの第三法則「惑星の公転周期の2乗は、軌道の長半径の3乗に比例する」を用いて概算することができる。

宇宙船の月までの公転軌道(周期t)の長半径は,月公転(周期T=27.3日)の半径のほぼ半分であるから,その周期比は

\frac{t}{T} = \left(\frac{1}{2}\right)^{3/2} =\frac{1}{2\sqrt{2}}

\therefore \quad t = \frac{27.3\times 24}{2\sqrt{2}} = 231.6[h]

片道116時間の結果は,アポロの実績103時間に近いものといえるだろう。以上の議論では月の引力を無視していることに留意されたい。月の引力は航行距離の9割までいってはじめて地球の引力と拮抗する。

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最終更新:2011年12月10日 08:22
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