猿とおもり問題 (2)
猿とおもり問題で,ロープの質量を考慮する場合の結論。

先の猿とおもり問題において,

(1) ロープの質量を考慮する
 ロープの質量が無視できないとなると,どうなるか?

の結論=猿とおもりの運動の概観だけはわかったように思う。

あらためて上の図のようにおくと,猿・おもり・ロープのt=0における運動方程式は,

Ma = T - Mg
Ma^\prime = T^\prime - Mg
ma^\prime = T - T^\prime

第2・3式より

(M+m)a^\prime = T - Mg \qquad \therefore a^\prime = \frac{M}{M+m}a

となる。したがって,猿とおもりの初期加速度は同符号であるから,

a>a^\prime>0

である。すると,ロープは猿側にたぐりよせられるわけだから,少なくとも猿がロープを引く力を弱めた時点で,たぐりよせられたロープの余分な重みのため,猿の加速度は下向きに転じて,いずれ降下していくことになると思われる。猿がロープをある(時間とともに増加する)力で引き続けて a\ge 0 を維持することは理論的には可能だが,実際は無理というものである。

ここであらためて気づくことがある。それは,

「猿は,もし上に上がりたかったら,昇ろうとロープを引くのでなく,
 降りようとして引く力をゆるめればよかった。」

ということである。おもりの降下とともにおもり側に移動した分のロープの重みのために,ただちに猿は上昇に転ずるであろう。

Phunでシミュレートしてみた。Phunのくさりは連結に質量に連動する弾性があり,ロープの質量ゼロのシミュレーションは不可能である。上の考察とは大分事情が異なるが,結論は同じ?

Phunシーンのダウンロード
昇って落ちる(上)と降りて昇る(下)。いずれも,そのままではゆっくり逆に動くように調整してある。リターンキーで動き,リターンキーで止まる。


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最終更新:2009年09月18日 22:14