小球群による圧力とその解放
【問題】
質量

のピストンがついた,鉛直に立てたシリンダー内で,質量

の

個(

)の球が,ピストンとシリンダーの底の間で,弾性的に衝突し,とび跳ねる。系は釣り合いの状態にあり,底からのピストンの高さは

に保たれている。ピストンを勢いよく抜き取ると,球はどれだけの高さまで飛び上がるか。ただし,重力加速度の大きさを

とし, シリンダーの壁とピストン間の摩擦,内外の気圧差は無視できるものとする。また,小球どうしの衝突は考えなくてよい。
【解答】
小球のピストン位置における速度の鉛直成分の大きさを

とする。弾性衝突であるからつりあいの状態において

は保存される(摩擦なし,はねかえり係数1)。
球がピストンに衝突すると,

の力積を及ぼす。ピストンが受ける球1個当たりの平均の力を

,時間を

として

。この球が次の衝突までに

を往復するから,
これを

について解いて
となる。シリンダ内の球

個が衝突によってピストンに及ぼす力が,重力とつりあっているから,
これを

について解くと
ピストンを抜いたとき,

を初速度の鉛直成分として上方投げ上げとなるから,最高点のピストン位置からの高さは,
となる。底面からの高さは

である。
最終更新:2010年01月23日 22:41