スリンキー近似
2本のばねに引かれた質点の縦振動と横振動における,スリンキー近似(自然長
平衡長)と小振動近似(変位
平衡長)の比較。
自然長
から平衡長
に伸びた,ばね定数
の2本のばねに左右に引かれ,なめらかな平面上で運動する質量
の質点の縦振動および横振動について考察する。
縦振動の運動方程式は,
すなわち,
したがって角振動数と周期は,
となる。また,横振動の運動方程式は,
すなわち,
となるが,
は
の関数であるから調和振動にはならない。そこで,横振動が調和振動となる2つの近似について考察しよう。
(1) スリンキー近似
自然長が平衡長に対して無視できるほど小さいとする近似である。スリンキーは,階段を下りるゆるいばねのおもちゃ。
だから,運動方程式は
となり,変位の大小に関わらず,角振動数および周期は縦振動に等しくなる。
(2) 小振動近似
変位が平衡長に対して十分小さいときに可能な近似である。
だから,
と近似でき,運動方程式は
となる。したがって振動は縦振動に比べてゆっくりとなる。
最終更新:2010年02月21日 10:16