ラザフォード散乱の軌道
ラザフォード散乱の軌道の導出は,古典的には惑星軌道の導出とほとんど変わらない。結果らしいものがわかったので,自分なりに導出してみた。
設定条件は,衝突パラメータ

,標的核の電荷

,α粒子の質量および電荷

である。平面極座標

をとり,入射方向を

,最近接方向を

とする。動径方向および方位角方向の運動方程式は,
となる。
この運動方程式から軌道方程式に至るプロセスは,
運動方程式から軌道方程式まで(1)以下に詳しく紹介したので省略する。異なる点は,万有引力が電気斥力に置き換えられることだけである。惑星の軌道方程式は,
と書ける。近日点を

とした。

および

は,初期条件によって決定される。電気力への置き換えは,
による。また,保存される角運動量は
である。置き換えた結果は,
となる。さて,

と

を決定しよう。まず,入射方向

のときに

として,
さらに

の式を時間微分すると,
したがって,
となるが,初期条件により

のとき,

であるから,
よって,
以上を代入して,軌道方程式の最終結果は,
となる。
Mathcadによる極座標プロット
Algodooによるシミュレーション
最終更新:2010年05月07日 19:16