遠心分離の速さ
質問で理論的に必要な情報は与えられている。まず,直径

の粒子の体積は
粒子の密度

,溶液の密度

,回転の角速度

として,粒子の半径位置

に対する運動方程式は,
したがって,
ここに,

は溶液の粘性係数であり,したがって第2項はいわゆるストークス抵抗(粘性抵抗)である。また第1項には浮力が含まれている。さらに重力は遠心加速度に比べて十分小さいので無視した。
抵抗が大きいために,粒子が受ける力はほとんど常につりあった状態と考えてよい。すなわち上の運動方程式で

とおいて,
これは重力による沈降に関するストークスの式において重力加速度を遠心加速度に置き換えたものになっている。積分して,
または,沈降時間
を得る。

は初期半径および終端半径である。質問者の設定条件は,
である。また,手近にあった遠心分離機のサイズから
さらに,
![\omega=200\pi{\rm [rad/s]}=6000{\rm [rpm]}](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=%5Comega%3D200%5Cpi%7B%5Crm%20%5Brad%2Fs%5D%7D%3D6000%7B%5Crm%20%5Brpm%5D%7D)
とすれば,分離時間は1日ちょっととなった。かなりのナノ粒子であるから,分離はなかなか困難なようだ。
POLYMATHによる数値積分
最終更新:2010年11月15日 17:31