SPring-8による高エネルギーγ線
SPring-8においては,電子とレーザーの衝突によって高エネルギー

線を得ることができる。これは基本的に電子と光子の弾性衝突問題である。
SPring-8とは、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。SPring-8では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。
3.5eVのレーザーと8GeVの電子ビームの正面衝突によって,最大2.4GeVの

線を得る。
以下,衝突前後の電子のエネルギーと運動量を
衝突前後の光子のエネルギーと運動量を
とする。
運動量保存

を用いて

…(i)
エネルギー保存

…(ii)
エネルギー-運動量関係

…(iii)

…(iv)
※
(i)

と(ii)の辺々を引くと
(iii)(iv)を適用して

について解くと

…(v)
となる。
ここで,(iii)の左半分から
(v)より
(iv)より
(ii)より
を得る。
また,

なので
さらに,
である。
概略,高エネルギーの電子がそのエネルギー(および運動量)の約3割を光子に与えた勘定になる。
最終更新:2011年01月23日 18:32