イオン化エネルギーと原子の大きさ
イオン化エネルギーは,電気力による位置エネルギーの絶対値に他ならないから,古典的対応で原子の大きさを見積もる情報となる。
Yahoo!知恵袋より。
イオン化電圧またはイオン化エネルギーは,電子を束縛状態から遠くに引き離すのに必要なエネルギーだから,原子核(+残留電子)の電気力による当該電子の位置エネルギー(<0)の絶対値に等しいと考えることができる。したがって,たとえば第1イオン化エネルギー
![E{\rm [J/mol]}](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=E%7B%5Crm%20%5BJ%2Fmol%5D%7D)
,アボガドロ数

,クーロン定数

,電気素量

として,
を計算すると,原子半径のオーダーが導出される。なお,イオン化電圧

によれば,
となり,さらに簡単になる。
水素の第1イオン化エネルギーは,
![E=1312{\rm [kJ/mol]}](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=E%3D1312%7B%5Crm%20%5BkJ%2Fmol%5D%7D)
だから,
を得る。なお,よく知られているように水素原子の基底状態のエネルギー準位は,
![-13.6{\rm[eV]}](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=-13.6%7B%5Crm%5BeV%5D%7D)
であるから,これを用いると
ちなみにボーア半径は,
であり,2倍の開きがある。原子の大きさなどというものは,いってしまえば「あってない」ようなものだから,オーダーが合えば十分である。
最終更新:2011年01月31日 10:25