量子力学の基本定理証明における2つの表現(覚え書き)
エルミート演算子の固有値の実数性,異なる固有値に対する固有関数の直交性…という基本定理の証明における,2つの表記法(積分表記,ブラケット表記)を比較する。
【定理】
エルミート演算子の固有値は実数である。また,異なる固有値に対する固有関数は互いに直交する。
【証明】
エルミート演算子

について,固有値方程式を
とすると,

…(i)

交換すると,
両辺のエルミート共役をとると,

のエルミート性より

…(ii)
(i)(ii)を辺々引いて,

のとき,

すなわち

は実数。

かつ

のとき,
すなわち,異なる固有値に対する固有関数は互いに直交する。(証明終)
最終更新:2011年03月01日 16:10