スィートスポット(撃心)の位置
Yahoo!知恵袋からひろったテーマだが,質問取り消しによって回答の機会は逃した。バットやラケットにおけるスィートスポットと慣性モーメントの問題。

【問題】

バット(またはラケットなどボールを打つ用具)に垂直にボールを当てたときのグリップにおける衝撃が最小になるとき,ボールによる撃力を加えた点を「スィートスポット(撃心,打撃の中心)」という。バットの重心からグリップまでの長さをa,重心からスィートスポットまでの長さをbとするとき,バット(質量m)の重心まわりの慣性モーメントIは,

I = mab

となることを示せ。


【解答】

ボールから撃力の力積F{\it\Delta}tを受けたバットが重心速度V,角速度\omegaを得たとすると,運動量-力積関係により

mV = F{\it\Delta}t

角運動量-力積のモーメントの関係により

I\omega = bF{\it\Delta}t

また,スィートスポットへの撃力によりグリップへの衝撃が最小になるというのは,グリップの得る速度がゼロということに他ならないから,グリップが回転中心になるべきである。すなわち,

V = a\omega

が成り立つ。以上により,

I = \frac{bF{\it\Delta}t}{\omega} = \frac{Fab{\it\Delta}t}{V} = mab

を得る。また,慣性モーメントが得られればこの関係によって,与えられたグリップ位置に対応するスィートスポットの位置を知ることができるわけだ。

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最終更新:2018年01月26日 19:40
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