F=ma か ma=F か
Yahoo!知恵袋より運動方程式は,F=ma か ma=F か,という議論。

そのまま転載させていただく。

【質問】運動方程式はF=maかma=Fか

私は高校時代運動方程式はF=maと習った記憶(あまりあてにならない記憶ですが)があります。この前ある高校の物理の先生と話をした時、「運動方程式はma=Fだよ。F=maを使うと入試で減点されるかもしれないよ。」と言われました。私自身は微分方程式として立てるときはma=Fが便利ですが、通常の方程式を立てるときはFが複雑になることが多く、F=maの形で連立方程式を解いています。数学的にはどっちでも構わないと思うのですが、実際のところどうなのでしょうか?

【回答】
どちらでもかまわないとは思いますが,最近では
ma = F
に統一されてきており,好みの問題ですが私はこちらが好きです。

「どちらでもかまわない」とは言ったものの,ma = F を推すのには理由があります。

ma = F (結果 ← 原因)

という因果関係を示しており,科学の目的が未来の予想にある以上,多くの場合右辺(力)を与えて左辺(運動)を予告する,という使われ方をするからです。つまり,求めたいもの(運動)が左辺にきています。

マクスウェル方程式でも

\nabla\cdot E = \rho/\varepsilon (電場 ← 電荷分布)
\nabla\times B = \mu j + 1/c^2\cdot\partial E/\partial t (磁場 ← 電流)

という具合に,原因(場の源)が右に,結果(場の形状)が左にあります。アインシュタインの重力場の方程式もしかりです。

ma = F の場合に,おっしゃるように右辺のFが複雑になるわけですが,私はいろいろと試行したり修正したりする場合に,書き換えるものが右辺に合った方が扱いやすい気もします。また,微分方程式において微分を左に集める…という数学上の習慣にも一致していますね。

というわけで,最近 F = ma の記述はほとんどみかけなくなり,私自身はそれでむしろ「安心感」があります。

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最終更新:2011年08月11日 13:38