太陽と月から受ける引力の比
私の1分前に寄せられた回答がすばらしいので,まずそちらから紹介。
こういう計算は,詳しいデータを使わず,概算することが大切.
万有引力は質量に比例し,距離の2乗に反比例する.密度を一定とすると,質量は半径の3乗に比例する.太陽と月は視角がほぼ等しいから,両者の半径と距離の比は等しい.ゆえに,密度のことを度外視すれば,万有引力の比は半径の比になる.太陽の半径は地球の半径の約100倍,月の半径は約1/4だから,結局太陽の万有引力は月のそれの約400倍になる.ただし,密度の違いを補正する必要はある.
によれば,密度比は2.4倍。すると,引力比は約170倍ということになろう。
続いて私の回答に距離比400を用いた場合。
地球および月の質量を

,相互の距離を

とすると,地球-月系における地球の公転半径は
であるが,

を使えば,

となる。一方太陽-地球系における地球の公転半径は,

である。
半径

,周期

の円運動の向心加速度は,
であるから,求める引力比は太陽-地球系における周期

(12か月),地球-月系における周期

(1か月)として,
となる。周期に365日と27日を用いれば,約180倍となりこちらの方がより正確である。
ちなみに,潮汐力は距離の3乗に反比例するから,月の方が約2倍大きくなる。
最終更新:2011年09月12日 11:15