カージオイドを軌道とする中心力場
軌道の形状から中心力場を逆算する問題。Yahoo!知恵袋より。

【問題】

力の中心を原点とする極座標で

r=a(1+\cos\theta)

で与えられる軌道を描く質点が受ける中心力を求めよ。

【解答】

与えられた軌道はカージオイドである。


平面極座標における動径方向の運動方程式は

m(\ddot{r} - r\dot{\theta}^2) = f(r)

また,方位角方向の運動方程式より,角運動量保存

r^2\dot{\theta} = h

を得る。軌道方程式より,

r = a ( 1 + \cos\theta )

\dot{r} = -a\dot{\theta}\sin\theta

\ddot{r} = -a ( \ddot{\theta} \sin\theta + \dot{\theta}^2 \cos\theta )

角運度量保存により,

\dot{\theta} = \frac{h}{r^2}

\ddot{\theta} = -\frac{2h\dot{r}}{r^3} = \frac{2ah^2 \sin\theta}{r^5}

あらためて軌道方程式より,

\cos\theta = \frac{r}{a} - 1

\sin^2\theta = 1 - \cos^2\theta = - \frac{r^2}{a^2} + \frac{2r}{a}

以上から

f(r) = m \left( \ddot{r} - \frac{h^2}{r^3} \right) = -\frac{3mah^2}{r^4}

を得る。ただし,r=0 は特異点となり接線速度が発散してしまうので,現実にはカージオイド軌道を周回することはできないであろう。あらためて運動方程式を数値積分して得られる軌道を描いてみた。\theta(0)=0 から出発すると原点に落ち込んだ際に速度の増大に計算ステップが追い付かなくなり,弾き飛ばされるかっこうになる。半分得られた軌道を反転させてつないでみた。


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最終更新:2012年01月30日 19:30
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