『Phun』を力学シミュレータに(7)
不可思議な『Phun』のばねのふるまい。
いろいろシミュレーションをテストしてみて,ようやく謎が解けた?

『Phun』の重要なアイテムのひとつであるばね。ばねの強さを指定するStrengthというパラメータが設定できるのだが,このパラメータの挙動が摩訶不思議。ばねにつけたおもりの質量mを変えても,鉛直ばね振子の周期が変わらないのである。したがってStrengthはいわゆるばね定数とは異なる。パラメータをいろいろに変えて周期を測定したところ,次の関係があるらしいことがわかった。
T=\frac{2\pi}{\sqrt{10^3S}}
ただし,SはStrengthのパラメータ値である。したがって,ばね定数との関係は
k=10^3Sm
となるらしい。


ところが,さらに不思議なことに両端におもりをつけて水平振動させても周期が変わらず,これがまた両端につけたおもりの質量にも無関係であることがわかった。
すると,両端に運動可能な質量がある場合は,
k=10^3S\mu
となるらしいのである。ただし,\muは両端の質量m_1,m_2の換算質量
\mu = \frac{m_1m_2}{m_1+m_2}
である。

ひとまず,下図のような簡単な系でエネルギー保存により上の仮説でつじつまが合うことを確認した(斜面中のばねは距離測定のためのもの)。


両端におもりをつけた系については,そのうちあらためてテストしてみようと思う。ちなみに,両端におもりをつけた系で一方の質量を固定すると結果はおもり1個の場合と同じになったが,水平状態から走らせたまま一方をDrag tool(てのひらツール)で押さえたり,つまみあげたりした場合は上記の換算質量によるばね定数が生き残るようである。

『Phun』によるばねのテスト


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最終更新:2009年03月23日 13:47