暗い部屋の中、
あずにゃんとベッドに2人っきり。
もうすぐ卒業だからあずにゃんとたくさん
思い出が作りたくて、私がお泊まりに誘ったんだ。
話がひと段落して、ふと窓を見ると空に光が走った。
「あ、流れ星だ」
「どこですか?」
窓に寄ると、さらに流れ星が走っていく。
「流星群ですかね?」
「きれいだね……」
こんな明るい街中でも綺麗に見える。話には聞いていたけど、本当に夜の運河を滑るようだ。
「唯先輩……」
「何?」
「これで、私達終わりじゃないですよね?」
「……うん。
ずっと一緒だよ」
私は大学生になって、あずにゃんは受験生になる。たった一年離れるだけなのにこんなに苦しくなる。
「でも、やっぱり寂しいです」
「それは私も同じだよ」
あずにゃんがとても悲しい目をしている。
こんな関係にならなかったら、部活でこんなに仲良くならなかったらこんな思いはしなくて済んだのかもしれない。
これは責めることじゃないけど、どうしてもそう考えちゃう。
「あんまり言うと余計寂しくなるから、何も言わない……。」
「……そうですね、いつでも会えますからね」
私はあずにゃんの細い肩を抱いて、空を見上げた。
「あずにゃん、泣いているの?」
「え? ……ご、ごめんなさい。何だか急に……」
やっぱり寂しいよね。みんないなくなっちゃうんだものね……。
私はあずにゃんの涙をキスで拭ってあげた。
「う……ん」
「唯先輩……」
「泣かないで。私がそばにいるから……」
「……はい」
「でも、本当にいろんなことがあったよね」
「はい」
私が軽音部に入ったことも今思えばとても不思議だ。
楽器も何もしたことなかったのに。
でも、それがあったから私はあずにゃんに出会えた。
「ふふふ……」
「何がおかしいんですか?」
「いや、何でもないよ」
あずにゃんの綺麗な黒髪を抱き寄せる。とてもいい香りがする。ジャスミンかな?
「ただ、あずにゃんには悲しい顔をして欲しくないだけだよ」
「……そんなに悲しい顔してますか?」
「うん……。いつもみたいな笑顔を見せて?」
「……キスしてくれたら、できるかもしれません」
「もう……」
私はありったけの気持ちを込めてキスをした。
「……っ。唯先輩、激しい……」
「少しは元気になった?」
「はい……」
そう言うと、あずにゃんは笑った。
この笑顔を無くすぐらいだったら、私は何もいらない。
ずっとあずにゃんと一緒にいたい。
「あずにゃん」
「はい」
「ずっと一緒にいようね。恋人として」
「……はい」
これから私は未来に向かって走り出す。あずにゃんは今は一緒には走っていけないけど、行き先は同じはずだ。
いつか、また放課後ティータイムでとして同じ時間を過ごせる。それが来るって信じている。
それを目指して今は走り続ける。みんなで走り続ける。
遥か彼方の夢を探して……。
END
最終更新:2010年12月05日 13:32