<ぶかつ!>
梓「遅くなりました」
唯「あ~ずにゃ~ん!」
梓「にゃ!いきなり抱きつかないで下さい!」
梓「あれ他の先輩方は?」
唯「みんな今日は用事があるんだって~ 部活休みにするって連絡来なかった?」
梓「あ、ホントだ。メールに気がつかなかったです。でも休みなのに唯先輩はどうしたんですか?」
唯「ん~、ちょっと練習したいかなって思って」
梓「熱心ですね。私も一緒に練習します」
唯「わ~い。あずにゃんと一緒に練習だ~」
梓「じゃあ練習するので・・・そろそろ離れて下さい」
 ~♪
梓「唯先輩、今日調子良いですね!」
唯「えへへ~、そうかな~ あずにゃんの教え方がうまいんだよ~」
梓「そんな事はないですよ。ところで今度の曲も良いですね」
唯「そうだね~ 曲も良いし澪ちゃんの詩もいいよね~」
梓「澪先輩って恋の詩が多いですよね。あれはやっぱり・・・」
唯「うん。りっちゃんの事だと思うよ~」
梓「律先輩は全く気付いてないですよね」

唯「恋か~・・・ところであずにゃんは今好きな人いるの?」
梓「・・・」
唯「・・・」
梓「・・・」
唯「そ、そっか・・・練習しよっか」
梓「え? は、はい」
 ~♪
梓「唯先輩、どうしたんですか? さっきまでできてた所が全くできなくなってますけど」
唯「あれ? おかしいな?」
梓「あ、もうこんな時間ですね。今日は結構練習しましたしここまでにしましょうか」
唯「うん。ごめんね」
梓「いえ、じゃあ帰りましょう」
唯「うーん。私ちょっと用事思い出したから先に帰ってて良いよ」
梓「忘れ物ですか?それなら待ってますけど」
唯「ううん、ちょっと時間がかかりそうだから先に帰ってて。じゃあね。ばいばい」
梓「はぁ」

<よくじつ!>
梓「遅くなりました」
律「お、梓来たなー」
紬「梓ちゃん、こんにちは~」 
澪「よし梓が来たから合わせるか」
唯「・・・」
 ~♪
律澪紬梓「?」
梓「あの、唯先輩、大丈夫ですか?」
唯「え、あ、うん。みんなごめん。何か調子悪いみたい。今日は先に帰るね。」
 - 
紬「ちょっとお茶にしましょうか」
律「そうだなー」
澪「まあ唯も帰っちゃったしな」
梓「・・・」

<てぃーたいむ!>
澪「で、どうしたんだ?」
梓「はい? 何がですか」
律「唯だよ。唯」
紬「今日は来た時から様子がおかしかったのよね~」
梓「何でそれを私に聞くんですか」
律「喧嘩したんだろ?」
澪「梓が来た時も無言だったし」
紬「今日は抱きついてもいないわね~」

律「で、何があった?」
梓「別に何もありませんよ」
澪「相談に乗るぞ」
紬「うんうん」
梓「いや、本当に心当たりがないんですけど」

澪「昨日2人で練習してたんだろ、その時何かあったんじゃないのか?」
梓「いや普通に練習して帰っただけです」
律「帰りはどうだった?」
梓「用事があるって言われたので別々に帰りました」
澪「練習中はどうだ?その時から調子悪かったのか?」
梓「そう言えば練習し始めはすごく調子が良かったんですけど、途中から突然今日みたいな感じになりましたね」
紬「練習中にどんな事話したのかしら~?」
梓「新しい曲の話をして、それから・・・今・・・好きな人がいるか・・・聞かれました」

律澪紬「で、何て答えたんだ(の)?」
梓「・・・私が無言のままその話は終わりました・・・」

律「それかー」
澪「それだな」
紬「それね~」
梓「どうしてそうなるんですか!」

律「そりゃ、唯が梓に好きな人がいるって勘違いして落ち込んでるんじゃないか」
梓「わ、私に好きな人がいて何で唯先輩が落ち込むんですか!」
律澪紬「唯(ちゃん)は梓(ちゃん)の事が好きだから」
梓「そ・・・そんな・・・事は・・・ない・・・と思い・・・ます」

律「まあ原因がわかって良かった良かった」
澪「そうだな。これで一安心だ」
梓「ちょ、ちょっと待って下さい。原因は確定ですか?それにどうして安心なんですか?」

紬「だって梓ちゃんの好きな人は唯ちゃんなのよね?」
律「そうだよ」
梓「律先輩、勝手に答えないで下さい!」
澪「何だ違うのか?」
梓「澪先輩まで!」
律「ああ唯、失恋か。かわいそうにな~ 今頃すごーく泣いてるだろうな~」
紬「こんな時他の誰かに優しくされると心が揺れ動くわよね~」
梓「なっ! そ、そう言えば、よ、用事があったのを思い出しました!お先に失礼します!」
 -
澪「律、ムギ、あんまり梓をいじめるなよ」
律「いや、お互い好きなんだから良いじゃないか」
紬「それに何かきっかけがないとこのまま進展しなさそうだもの~」
澪「・・・鬼だなお前ら」
紬「じゃあ次はここにいるお二人の話をしましょうか~」
澪「!」
律「?」

<かえりみち!>
梓「勢い余って部活を早退しちゃったけど」
梓「唯先輩が・・・私の事・・・まさか・・・ね・・・でも」
梓「・・・電話・・・してみようかな」
 rrr
唯「はい」
梓「あ、唯先輩。あの、体調大丈夫ですか?」
唯「うん。ごめんね心配かけて。でも、しばらく部活は休ませてもらおうと思うの」
梓「え・・・」
唯「あ、1週間ぐらいね。少しお休みしたらまた練習するから」
梓「そんなに体調悪いんですか?!」
唯「ううん。体調は大丈夫なんだけど、今ちょっとギター弾きたくないんだ。スランプかな。あはは」
梓「スランプになるほど普段練習してないじゃないですか。それに昨日はあんなに調子良かったのに」
唯「・・・ごめんね。とにかくしばらく部活に行きたくないの」
梓「・・・唯先輩、お話があります。これから会えませんか?」
唯「・・・」
梓「大事な話なんです。お願いします。」
唯「・・・わかった。どこに行けば良い?」

<かせんじき!>
梓「唯先輩、遅くにすいません」
唯「ううん。大丈夫だよ。それより大事な話って何?」
梓「それは・・・」
唯「・・・」
梓「・・・」

唯「ごめんね」
梓「え?」
唯「私の事心配してくれたんだよね。さっきも言ったけど私大丈夫だから」
梓「大丈夫ならどうして部活来ないなんて言うんですか」
唯「それは・・・良く分からないの・・・」
梓「わからない?」
唯「うん。どうしてかわからないけど演奏してると苦しいの。すごく辛くて悲しいの」

梓「理由は、わからないんですか」
唯「うん」
梓「いつからですか?」
唯「・・・わからない」
梓「昨日、練習し始めた時は元気でした。でも帰りには元気がなかったですね」
唯「・・・そうかもしれない」
梓「練習中に・・・私に・・・えっと・・・その・・・好きな人がいるか・・・って言う話をしたの覚えてますか?」
唯「・・・」
梓「その・・・あの・・・その事は何か関係が・・・あります・・か?」
唯「・・・わからない・・・わからないけど、その質問には答えたくない・・・気がする」
梓「どうしてですか」
唯「・・・わからない」
梓「わからないばっかりですね」
唯「ごめん。私、こんな気持ちになるのが初めてなの。だからどうしてなのかとか本当にわからないの」

梓「初めて、ですか・・・ところで唯先輩は好きな人が・・・いますか?」
唯「え?うん。みんな好きだよ。りっちゃんもみおちゃんもムギちゃんも和ちゃんも」
梓「そういう好きじゃなくて、その人の事が好きで嫉妬したりするような事はないんですか?」
唯「嫉妬・・・」
梓「私はあります。私はその人が他の人と話していたり、誰かに抱きついたりするとすごく胸が苦しくなります」
唯「・・・そうなんだ。やっぱり好きな人がいるんだね・・・」
梓「はい。います。」
唯「・・・」
梓「私の好きな人は」
唯「ごめん。その話は聞きたくない。今は聞きたくないの。ごめん」
梓「どうしてですか」
唯「わからない。わからないけど聞きたくないの」
梓「わかりました」
唯「うん。ごめんね」
梓「違います。唯先輩がわからないと言ってる気持ちの理由がわかったと言う事です」
唯「え・・・」


唯「・・・んっ・・・?! あ、あずにゃん今・・・」
梓「やっと名前を呼んでくれましたね」
唯「え、今キス・・・」
梓「はい。キスしました。そして抱きしめてます」
唯「ど、どうして・・・」
梓「まだわからないんですか?私は唯先輩が好きなんです」
唯「・・・えっ?」
梓「そして唯先輩は私の事が好きなんです。私が他の誰かを好きだと思うと嫉妬するくらい」
唯「・・・嫉妬・・・私は嫉妬してるの?」
梓「そうです」
唯「私は・・・あずにゃんの事が好きなの?」
梓「そうです」
唯「・・・だから私はあずにゃんに好きな人がいると思うとあんなに苦しかったの?」
梓「やっとわかりましたか。鈍いにも程がありますね」

唯「それで・・あずにゃんは私の事が好きなんだね」
梓「そ、そうです」
唯「なるほど。やっとわかったよあずにゃん!」
梓「ち、力入れ過ぎです。苦しいです」
唯「あ、ごめん。でも、そうか。この気持ちは嫉妬なのか!人を好きになるって辛いんだね!」
梓「イヤですか?」
唯「ううん。だってあずにゃんは私の事が好きだってわかったから今はすごく幸せだよ!」
梓「な、何度も言わなくていいです」
唯「あずにゃん、大好きだよ!」
梓「わ、わかりましたから何度も言わなくていいです」

唯「あー、何で離れちゃうのー」
梓「わかったようなのでもうおしまいです」
唯「えー、せっかくあずにゃんから抱きついてくれたのにー」
梓「き、今日は特別です。明日からはちゃんと「あずにゃん」って呼んで唯先輩から抱きついて下さい」

唯「うん!わかった!じゃあもう一回!」
梓「何がですか」
唯「もう一回キスしたい」
梓「な、何を言ってるんですか。だ、ダメです」
唯「えー、どうしてー」
梓「き、今日の分はもうおしまいです」
唯「今日は特別って言ったのにー ケチー」
梓「ケチとかじゃないです」
唯「さっき、あずにゃんがチューしてくれてすごく嬉しかったなぁ~」
梓「そんな顔してもダメです」
唯「ダメ?」
梓「・・・し、しょうがないですね。今日だけですよ。特別ですからね」
唯「わーい」

梓「えっと・・・目を閉じてもらえませんか」
唯「何で?」
梓「そういうものだからです」
唯「やだ」
梓「ど、どうして」
唯「あずにゃんの顔を見ていたいから」
梓「じゃあキスはなしです」
唯「えーじゃあ、あずにゃん目閉じて」
梓「何でですか」
唯「私がするから」

梓「なっ・・・んっ・・・」

唯「へへー」
梓「ふ、不意打ちは卑怯です」
唯「あずにゃんもさっき突然だったよ」
梓「そ、それは唯先輩が・・・」

唯「あずにゃーん、お腹すいたー」
梓「はぁ?何ですか突然。ムードのカケラもないですね」
唯「うーん。昨日から全然ご飯食べてないんだよね」
梓「何でですか!ちゃんと食べてくださいよ!」
唯「だって昨日からずっと食欲がなかったんだもん。今は安心したからお腹すいた」
梓「はぁ・・・じゃあ何か食べに行きますか」
唯「うん!」
梓「しっかり食べて明日からちゃんと部活来て下さいね」
唯「バリバリ弾くよ!」
梓「わかりやすい人ですね・・・あっ」
唯「んー?なにー?」
梓「明日、部活でいきなり元気な姿を見せると・・・」
唯「ん?」
梓「あぁ、他の先輩方の目が・・・いえ、良いです。何でもありません」
唯「変なあずにゃん」
梓「唯先輩には言われたくないです」
唯「ひどいなぁ。でも、あずにゃん、今日はありがとう。私あずにゃんの事大好きだってわかったよ!これからもよろしくね」
梓「はい」
唯「じゃあご飯食べにレッツゴー!」
梓「先輩イキナリ走ると・・・あ、転んだ。本当にしょうがない人ですね。全く・・・大好きですよ唯先輩」

<おしまい!>


  • 次の日の三人のニヤニヤ顔が目に浮かぶ。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-12 05:48:56
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最終更新:2010年12月08日 09:40