唯澪@ ウィキ

指ぷに!おまけ

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おまけ!



「まーったくさわ子先生、あれで意外に話長いんだもんなぁ」

「まあまありっちゃん、ぼやくよりも早く部室に行きましょ?」

「そうだな、早くムギのお茶で一息入れるか!」

「うふふふふ・・・」

放課後、部活に向かおうとしていたこの私、田井中律と隣を歩いている琴吹紬は先生に呼び出され職員室に来ていた。
といっても、紬――ムギはちょっとした用事を仰せつかっただけであり。
それが済むと、日頃の態度について長々とお説教を受けていた私を待っていてくれたようだ。

「でも結果的に付き合わせちゃって悪かったなムギ」

「いいのよ、私が勝手に待っていただけなんだから」

「そう言ってくれるとありがたいけど・・・」

 ・・・正直、澪はともかく唯はお菓子とお茶がなくて倒れてるんじゃないか?と思う。

「唯ちゃんのことなら心配いらないと思うわ」

「だって澪ちゃんと二人っきりなんだもの」

「へ・・・?」

何で私の考えてることが分かったのか、と思うよりも先に。

「それはどういう意味なんだ・・・?」

こう口が動いた。しかしこの疑問は、

「すぐに分かるわ♪」

このムギの答えによって行き場をなくしてしまった。


音楽室前!

「なあムギ、そろそろ説明を・・・」

「シッ、黙って!」

何でだ、と聞くより先に室内から声が漏れ聞こえてきた。

『ご、ごめんっ!』

『唯を辱しめるつもりはなかったんだ!ただ、唯の指が気持ちよくてつい・・・』

ちょっ!こいつら私らがいない間に何やってたんだよ!

「おいムギ、何かやばい雰囲気だぞ!」

「ああっ、二人ともさすがにそこまで行っちゃうとは計算外だったわ・・・」

 ・・・聞いちゃいねえ。しかしどうするんだこれ・・・とても入っていけないじゃないか・・・。

ムギと二人、部屋の前でしばし聞き耳を立てる。何が悲しくて自分の部室前でこんなことを・・・。
ムギは何か楽しそうだけど。大丈夫なのかこのお嬢様は?

『私、澪ちゃんのこと好きだから・・・友達としてじゃなくて、特別な意味で』

ああ、そうか・・・さっきの唯なら大丈夫ってこういうことか・・・っておいっ!

「ムギは知ってたんだな、二人の気持ち

「ええ、もちろん。りっちゃんは気づいてなかったのね」

「ああ。澪の変化に気づいてやれなかったなんて、これじゃ幼馴染失格だなー」

「うふふ、さっきも言ったけど、ぼやくより先に・・・ね」

 ・・・ムギ、さっきは大丈夫かとか考えてすまん!お前は何もかも分かってたんだな。私も見習わないと!

「ああ、確かにそうだな。まずは・・・そう、帰るか!」

「そうね、ここは二人きりにしてあげましょう」

言うが早いか、二人で部室前の階段を駆け降りる。

「そうだムギ。後で唯か澪に、遅くなりそうだから先に帰ってくれってメール打ってくれないか?私からだと確実に怪しまれる」

「ええ、わかったわ」

そしてまた二人並んで下駄箱へと走る。急ぐ必要はないんだけど、あの二人から離れるほど二人の邪魔にならなくて済む、そんな気がして。

靴を履き替え外へ出ると、そこには早くも赤く染まりつつある空。二人が帰る頃にはすっかり夕焼けかな、なんてムギと二人話しながら歩いて。
明日か、それとももっと先か――二人に全て打ち明けられた時、どうやって祝福してやろう。そんなことを考えつつ、家路についた。

おわり。

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