「うっう~♪ はやぐこのぷっでぃ~んあげでね~♪」
先ほどのプリンを持ってきたれみりゃが、有無も言わさぬ態度で男に命令してきた。
「そのまえに、ここは俺の家だよ。そして、お前達は俺の家をめちゃくちゃにしたんだよ。分かる?」
「うーーーー!! いいがらはやぐあげるの!! ざぐやにいいつげるどぉーーーー!!!!」
あくまで聞く耳が無い。
まさに饅頭に説教である。
「わかったよ。じゃあその間これでも食ってろ。うまいぞ~♪」
「う~♪ れみりゃちゃべりゅ~~~♪」
男から渡された、モノを両手でしっかりと受け取るれみりゃ。
「う~♪ あーーn? うあーー!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
口に入れるその段階で漸く、それが自分の子供だと気付いたれみりゃは、どうして良いのか分からず持ったままおろおろとしている。
「ほら、開いたぞ。それじゃあ交換な」
ヒョイっとれみりゃの手からソレを取り上げて変わりにプリンを載せる。
なかなか
ゆっくり思いの男のようで、しっかりと安っぽい紙皿の上にプッチンされていた。
「……ううううう……」
「どうした? くわないのか?」
右手をバリッと食いちぎる男。
手に持っているプリンを男が持っているソレを交互に見比べながら、れみりゃは必死に何かを考えているようだ。
「うーーー!! それはれみりゃのあがちゃんなの!! たべものじゃないの!!!」
漸く考えが纏まったようで、顔を真っ赤にしてそれだけを叫んだ。
「ん? そうなのか? そいつは悪いことしたな」
「ほら、返すよ」
お母さんれみりゃの前に子供れみりゃを投げ捨てる。
「うーー……まぁまぁ……」
まだ息はあるようで、しきりに母親の名前を連呼している。
「うあーーー!! れみりゃのぷりでーなあがちゃん!! あがちゃーーん!!!」
手に持っていたプリンを投げ捨てて、必死に赤ちゃんの元へ駆け寄る。
しかし、後一歩の所で男の足が気持ち悪い親子の再会を阻んだ。
「うあーーー!! まぁまぁ!! まぁまぁ!!!」
「ああああ!!! ざぐやーーー!!! ざぐやーーー!!! ごわいひどがいるどぉーーー!!!」
必死に自分の面倒をみてるれる者の名前を叫ぶが聞こえるはずも無い。
「さて。もう一度聞くけど、お前たちが勝手に家をめちゃくちゃにした事は分かってるかい?」
「はいーー!!! だがらゆるじてーー!!!」
「ごめんにゃしゃいーーー!!!!」
何処で覚えたのか、お母さんれみりゃは必死に土下座までして男に謝っている。
そんな様子を見ていた男は、
ゆっくりと赤ちゃんれみりゃを踏んでいた足から力を抜いていく。
「う!! う~~♪」
その事に気が付いた赤ちゃんれみりゃは、必死の泣き顔から一転、100万発の笑顔に早変わりした。
「おっと、そうだここは誰の家かな?」
勿論、ここまでされた
ゆっくりが次に言う台詞はお決まりのものである。
「「うっう~♪ れみりゃのおへやだどぉ~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱー♪」」
何も言わずに再び足に力を込める。
「いっぎゃーーー!!!! ぎゃーーーー!!!!」
更に、足を捻っていく。
「あああ!! ぎゃは!! あががががが!!!!!!」
赤ちゃんがボロボロになったところで、持ち上げて母親に投げつける。
「うぎゃあ!!」
「あああ!! あがじゃんがーーー!!!!」
「もう一度だけ聞くけど? ここは誰のお家?」
「おにーざんのおーじ!! ゆるじでーーーー!!!」
「漸く分かってくれたかい? それなら良いんだ」
「うーー!! でもれみりゃたちにがわいおもいざぜたがら、ざぐやにいいつげてやるど~♪」
「そうだった。家をめちゃくちゃにしたお仕置きと、折角のプリンを落としたお仕置きが済んで無かったね♪」
子供を抱いて逃げ様としていたれみりゃの羽を掴んで、勢いよく叩き落す男。
「あががが!!!」
突然の衝撃に、お母さんれみりゃは何がなんだか分からず、痛みだけをこらえている。
その様子を笑みを浮かべて見ていた男は、ノコギリで
ゆっくりと四肢と胴体をばらしてゆく。
「いだい!! いだい!!!」
質の悪いノコギリのようでなかなか上手く切断する事ができない。
「うががが!!!」
ギーコ
「あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーー!!!!!!!」
「まぁまぁーーーー!!!!」
「お前はこっち」
「う? ああああじゅいーーー!!!」
子供は大きな寸胴の中へ、蓋をして数時間じっくりと煮詰める。
「ああああああ!! れみりゃのあがじゃんどーずるのーーー!!!」
「食べるんだよ? どうしてそんな事聞くの?」
「なんでーー!! れみりゃはたべものじゃないどぉーーー!!!」
「何でって言われてもね。君一匹だけ売ればお金は十分だからね」
四肢を落とし終えた男は、れみりゃの目の前でソレも鍋の中に放り込んでいく。
必死に泣き叫んでいるれみりゃの声をものともせず、再度蓋をし終えた男は、れみりゃの方に向き直りニッコリとして呟いた。
「はい。これお口に入れるよ」
「う? うぐぐ!!」
「はい縫い付けるよー♪」
「うぎゃあ!! あが!! はが!! げほ!! おえ!!!」
入れられたのは先ほど楽しく描いていたクレヨン当然美味しくも無いが、吐き出すこともできない。
「人が趣味で使ってたものでこんな事するなんてねー」
口を縫い付けると、そのまま頬を思いっきり殴りつけた。
「!!! うううーーーー!!!」
何度も、何度も殴る。
「ううーーーーー!!!!」
口の中では涎とクレヨンがごちゃごちゃに混ざっている事だろう。
「よし。これ位で良いか」
ひとしきり殴り終わり、四肢も再生したソレを今度は土間まで連れ戻す。
「このままじゃ売り物にならないからね」
スプーンを使って口の中をくり貫いてゆく。
「いだい!! いだい!!! いだいーーーーー!!!!!!!」
当然、歯もボロボロと床に落ちる。
「ざぐあy---!!!! ざぐああーーーー!!!!! どごーーー!!!!」
それでも、口の中を書き出す手を休めない。
いや、既に口の中は存在していない。
「ああーーーーーーーーー!!! あーーーーー!!!」
最後の方になると、もはや喋る事もできないようで、ただ空気を吐き出しているだけになった。
しかし、直ぐに再生するので余り深く考えなくても良いだろう。
寧ろ、恐怖を与えて旨みを増幅させる事が大事なのだ。
男は、ソレを狭苦しい箱に無理矢理収めると、ダシを取っておいた寸胴で料理を始めた。