モーターを積んだ原動力付きの台車に
ゆっくりれいむを乗せて走行させている。
「やめて、ゆっくりできないゆっくりできないよ」
それを河城にとりがボーっと眺めている。
リモコンで坂道を登らせたり、トンネルをくぐらせたり。
自分で跳ねる二倍ぐらいの速度で走らされてるゆっくりれいむは止めてと泣き喚いていた。
「うあ」
操縦をミスして台車はそのまま崖の向こうに消えていく。
「あ、あーぁ・・・モーターとか生きてるかな・・・」
崖の下まで行くと台車は大破し、パーツはどれも生き残っていなかった。
「こ、この木の板は・・・あーぁ、薪に使おうかな」
台車に使われていた木材を集める、餡子が付いていたので近くの川で洗う。
「んー、次は飛行ユニットかぁ」
「おねーさん、なにやってるの?」
にとりはゆっくりまりさに声をかけられた。
「ここはまりさのおうちだよ。ゆっくりでていってね」
汚れた板を洗い終わると日の当たる場所を探す。
「ゆっくりきいてね。ここはまりさのおうちだよ。ゆっくりでていってね」
日が当たる場所を見つけ、駆け寄る。
具合よく岩に立てかけれる。にとりは丁寧に日が当たるように角度を工夫しながら板を並べる。
「ゆっくりきいてね。ここはまりさのおうちだよ。ゆっくりでていってね」
にとりは傍にあった小さな岩にかけ、ノートに飛行ユニットと書いてアイデアなどを書き込んでいく。
「ゆっくりむししないでよ!!」
カラン、カラン、
ゆっくりまりさはにとりがさっき並べた板に体当たりし、板が散らばる。
にとりはポケットからオイルタンクを取り出し、光学迷彩のスイッチを入れる。
「ゆ?おねーさん、どこいちゃったの?」
ゆっくりまりさの帽子に満遍なくオイルをかける。
「ゆっ!!あめかな?ゆっくりかえるよ」
マッチを擦り、帽子の上に置く。
「ゆ??」
だんだん頭のてっぺんが熱くなる。
「ゆゆゆ?あついよ。あつい、もういいおうちかえる!!」
ゆっくりまりさは近くにあった洞穴に逃げ込む。
にとりはそれを追う。
洞穴の中は酷い事になっていた。
一緒に住んでいたゆっくりパチュリーの帽子にも燃え移り。
二匹は大混乱だった。しかも、丁寧にも敷いてあった藁にも燃え移る。
にとりはオイルタンクの蓋を外し洞穴に投げ入れる。
もうゆっくりパチュリーは動かなくなってしまっている。
ゆっくりまりさは必死にゆっくりパチュリーを連れ出そうとしている。
「パチュリー、はやくそとでゆっくりしよう。なんだかおかしいよ。あついよ」
既にゆっくりパチュリーは髪の毛はすべて燃え、口元から生クリームがダラダラ流れている。
「ああ、ゆっくりは火を知らないんだ」
のびるアームでゆっくりまりさを掴んで洞穴から引っ張り出す。
髪が焼け、チリチリになっている姿がとても滑稽だ。
「ゆ、まりさしんじゃったの?とんでるよ」
にとりの姿が見えない上にのびるアームで持ち上げてるせいか、
「あーはいはい、死んだ死んだ」
にとりはのびるアームを伸ばし、ゆっくりまりさを再び燃え盛る洞穴の中へ。
火、火。燃える燃え上がる・・・上がる?
「そうだか。気球!!」
by118
最終更新:2008年09月14日 11:29