重鎮であるれいむ、みょん、ちぇん、そしてドスまりさにぱちゅりー
ありす種の重鎮もいたのだがすっきりのし過ぎで死亡し、継承が行われなかった
議題は増えすぎた
ゆっくりについて
同族が増えるというのは喜ばしいことだが、現状となってはそうではいかない
「ゆ、さいきんみんなかりにいかないからこまるよ…」
重鎮れいむは狩りに行かない仲間が増えたために冬籠もり用の食糧が増えないことを気にしている
「それにすっきりーのしすぎでしんじゃうゆっくりがおおくなったよ!まえはそんなことはなかったのに…」
「わかるよーみんなこそだてしながらなまけてるんだねー」
「ふゆごもりようのごはんをたべだしてたいへんみょん!」
重鎮ゆっくり達もクイーンありすの登場により崩れた群の現状を嘆いている
「むきゅぅ…でも、クイーンにもまりさみたいなのうりょくがあるかもしれないわ」
そう、今まで手を出さなかったのはクイーンありすにドスまりさのドススパークのような特殊能力があるかも知れないと危惧してのことだ
もし能力を使われたら群が壊滅してしまうかも知れない
そう考えると下手な手出しは出来なかった
「こうなったらドスが確かめるよ!」
そうも言っていられないとドスが声をあげる
重鎮達も反対するものはなくドスまりさがクイーンありすに話を付けることになった
「むきゅぅ…でもまんがいちをかんがえておかないと…」
ぱちゅりーは考えがあるのかちぇんにぼそぼそと耳打ちをした
それを聞いたちぇんが「わかったよー」と返事をしてその場はお開きとなった
翌日、クイーンありすは広場に呼び出された
当の本人はドスが愛を囁いてくれると勘違いしているが
「ゆっくり理解してね!これ以上ゆっくりが増えたら冬を越せないよ!」
「なにをいってるの!?赤ちゃんがいないとゆっくりできないわ!」
「赤ちゃんが増えたら誰がご飯取ってくるの?」
「そんなのおやがとってくればいいでしょ!ドスもきゅうにツンデレになるなんてクイーンでもこまるわ!」
のれんに腕押し糠に釘
すっきりを制限すると言ってもこの通りである
「ごはんがないならにんげんさんからもらえばいいじゃない」
「人間さんもご飯を食べないといけないでしょ!クイーンはバカなの?死ぬの?」
と、ケーキを食べれば良いじゃないとでも言いたいかのような口ぶりでドスの怒りを誘うばかりだった
ドスまりさは一度深呼吸して気持ちを落ち着かせる
相手のペースに乗せられては駄目だ、群のみんなが冬にゆっくり出来なくなる、と
「それじゃあ聞くけどどうしてありすはクイーンになったの?」
「そんなのきまってるわ!まいにちおいしいしょくじをとっていたからよ!!」
高々に宣言するクイーンありす
それを聞いた信奉者であるゆっくり達から歓喜の声が次々と巻き起こる
「れいむもクイーンみたいになりたいよ!」
「まりさがドスになるんだぜ!むのうなドスははやくおいしいごはんをよういするんだぜ!」
「ゆっくりりかいしたらはやくにんげんさんのところにいってきてね!」
不満を吐き出すゆっくり達であったがドスまりさに声は届いていなかった
?待て、あいつは今何と言った??
ドスまりさの心を占めるのはそれだった
ドス級のゆっくりになる手段は未だに確立されておらず
突然変異としか分かっていない
他のドスまりさも「目が覚めたらドスになってたよ!」と言っていた
また、栄養についても色々あるようで貧困に喘いでいてもドスにはなったまりさはいる
要するにただ毎日美味しい食事を取っていればドス級になれるわけでもないのだ
「…もしかしてクイーンってただのおでぶ?」
思わずポロッと出てしまった本音
それは自分が世界一の美ゆっくりだと疑わないクイーンありすを逆上させるには充分だった
「どおおおおおじでぞんなこどいうのおおおおお!!!」
「ドスみたいなゆっくりにはおいしい食事でなれるわけじゃないよ……」
「ぐいーんがおでぶなわけないでしょおおおおおおおお!!!」
大暴れするクイーンありすを冷めた目でドスまりさは見る
何でこんなヤツを2か月も野放しにしていたのか
これならばもっと早くに強硬手段に訴えれば群はこんなに酷くはならなかったのに
「いぐらドズでもゆるさないわあああ!!」
「ゆっくり黙ってね!」
「ゆびっ!?」
のたうち回るクイーンありすにドスまりさが体当たりをした
あまりの衝撃に吹き飛ばされるクイーン
「まりさはもう怒ったよ!クイーンが考え無しにすっきりさせるから群がメチャクチャだよ!」
「ゆがが……」
ドス級の体当たりともなれば人間でもひとたまりもない
ましてやそれを受けるのが働かないクイーンともなればその傷は深い
「クイーンになにするんだぜ!ドスはゆっくりできないぜ!」
「ゆっくりできないドスはしんでね!」
「じぶんのおくさんにけがをさせるなんてでぃーぶいだわ!」
「ちんぽん!」
「わるいのはクイーンだよ!すっきりしすぎだよ!」
「ドスをわるくいうゆっくりはゆるさないぜ!」
「わかるよーようやくもとにもどるんだねー」
「みょん!」
様子を見ていたゆっくりがドス派とクイーン派に分かれて罵り合う
ドス派にはれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ちぇん、みょんと少数のありす
クイーン派に大勢のありすと少数の他の種
丁度すっきりー規制賛成派と反対派が分かれることとなった
「クイーンをおでぶよばわりするなてドスはリーダーじゃないわ!きょうからクイーンがこのむれのリーダーよ!!」
あろう事か自分がリーダーだと宣言するクイーンありす
「みんな下がってね!クイーンにはドスがお仕置きするよ!」
ドスまりさも戦闘態勢になり、群中のゆっくりが固唾を呑み見守る
仲間を下がらせたドスまりさと自分の周りに仲間を集めるクイーンありす
(ドスはおゆっくりよしだからむれのなかまにドススパークはうてないわ!)
ドススパーク、ドスまりさ最強の必殺技
オリジナルにはほど遠い威力だが並の人間でも焼き尽くしてしまうだけの威力はある
クイーンありすはドスまりさの様子を窺う
ドスといえども大きさは同じ、それにみんなで勝てるはずだ
そして、ドスまりさが大口を開けた瞬間
「ゆ!いまよ!ぜんいんとつげきー!!」
地を蹴り一直線にドスまりさへと走り出し、他のゆっくりも続いて突撃する
「いまだよ!にんげんさん!」
「ゆ?にんげんさん…ゆびぃぃぃぃっ!?」
突如としてクイーンにアンカーが打ち込まれた
後から底部付近を狙い放たれたそれは見事にクイーンありすの背中と底部の境界線ギリギリを撃ち抜いた
そしてそれと同時に大量の網が投げ込まれた
それは漁業で使う網だが捕らえられたのはゆっくり達だった
「ゆぎゃあああああ!!グイーンのあんよがぎゃあああ!!!!!」
アンカーはクイーンありすに突き刺さり中で先端が4つに開き皮に引っ掛かっている
そのためじたばたしてもただ痛みが増すだけだった
「れいむをだしてね!」
「どぼじでにんげんざんがいるのおおおお!!!」
「こんなのどがいばじゃないばあああ!!!」
「ぢんぼー!!」
アンカーを打ち込み、網を投げ入れたのは人間だった
丁度網によってクイーンの側に付いたゆっくりは捕獲された
「なるほど…こんなのがいたのか」
そこには里の代表としてこの場に訪れた上白沢慧音がいた
そして他にも里の大人が集まっていた
「にんげんさん!ドスのお願いをきいてくれてありがとう!」
「いや、こっちとしても協定が守られるならいいさ」
器用にドスまりさが頭を下げる
それはゆっくりから見てもドスが人間と結託しているとしか思えなかった
「どずぅぅぅぅ!!なんでにんげんどぉぉぉぉ!!!」
「うらぎりものおおおお!!!!」
網の中のゆっくり達からは怨嗟の声
しかし、ドスまりさは何も言わなかった
「これでもうにんげんさんの畑を荒らすゆっくりはいないよ!」
慧音に笑顔でお礼を言い捕まったゆっくり達には見向きもしない
「ゆがあああ!!!ドズめええええ!!!!」
「…まさかなにもないとはおもわなかったわ」
この状況を作ったのはぱちゅりーだ
目の前には無力なクイーンありすがいる
だが、もしこのクイーンありすがドススパークに匹敵する何かを持っていたら…
そう思い、重鎮ちぇんに群で一番足の速いゆっくりちぇんに人間に助けを求めるようにと伝えておいたのだ
それを聞き入れたのが慧音であった
「さて、このゆっくり達が…」
「その子たちにはお仕置きが必要だよ!」
ドスまりさが憐れみを含んだ目で捕まえられたゆっくりを一瞥する
それを聞くと何やら作業着に身を包んだ男達が網を抱えて里へと戻っていく
絶え間ないゆっくりの叫び声に意も介さず彼らは淡々とゆっくりを運び去っていった
「ゆぐぐぐぐ…ドズのゆっぐじごろじぃぃ…」
低いうねるような声でクイーンはドスまりさをにらみつける
無駄だと悟ったのか、痛みを恐れたのか暴れるのを止めてじっとしている
「悪いクイーンはにんげんさんにおしおきされてね!」
クイーンありすも大きな荷台に乗せられ運ばれていった