※何気にシリーズものだったりする
※でも、過去作は見なくても無問題
中学校で教職員やりながら剣道部顧問をやっていると色んなガキ共に出会う
暴力事件を起こす奴もいれば、高校でインターハイ準優勝なんてしてしまう逸材もいた
モンスターペアレントの保護者に殴り込みをかけられて辟易した事だってある
それはさて置き、目覚まし時計のメアリーにたたき起こされた俺はいつも通り6時半に電車に飛び乗り、7時には学校に到着した
俺がこんなに朝早くから学校に向かうのは剣道部の朝練のためで、もはや日課になっているのでなんら苦痛ではない
ここまでは良い。要するにいつも通りの平凡な朝の風景だからな
「うーっ!おじさん、れみぃにけんどうおしえてほしぃどー!」
何故か学校の正門前で物陰に隠れていた
ゆっくりれみりゃに剣道を教えてほしいと言われた
さすがの俺も、こんな経験は初めてだった
もちろん、今までにそんな話を聞いた事だってない
さて、どうしたものか・・・
「・・・まあ、いいか。ただし、教わる限りは真剣にやること!いいな?」
「うっうーっ!ゆっくりりかいしたど~♪」
俺の返事を聞いたれみりゃは両手を頬にぴたっとくっ付けるとしなを作る
その後、両手を天に掲げると腰を振りながらうーうー歌い始め、一向に道場に向かう気配を見せない
痺れを切らした俺は踊り続けているれみりゃに背を向け、さっさと道場へ急いだ
「うぅ?れみぃのおれいのだんすをみないの~?」
「・・・それ、お礼のつもりだったのか」
やっぱりゆっくりの考えることは良く分からん
「いいか、これが竹刀で、これが防具だ」
「うーっ!そんなことよりはやくおしえてほしいんだど~♪」
「そんなこととか言わないっ!」
防具を放り投げて竹刀を掴んだれみりゃの手を素早く打ち据える
すると、れみりゃは「うぎゃ!?」と短く悲鳴を上げて竹刀をぽとりと落とした
「うあ゛あ゛ああ゛あああ!いだいどおおおお!?」
「防具を甘く見るとこうなる。わかったな?」
「いだい゛いいい゛!?ざぐやああああ!ざぐやああああ!?」
「やかましいっ!」
今度は面打ち
軽快な音と衝撃の効果で一瞬泣き止むが、れみりゃは再び泣き顔になる
何となく『となりのト○ロ』のさつきの泣くシーンを髣髴とさせるものがある
あれ、映画館で見たときは正直リアルすぎて引いたんだ・・・
「やかましいっ!!」
「うぎゃん!?う、あ゛うー!いだぃぎゃ!?」
「しゃらっぷ!!」
どうやら全然学習しないらしく、一向に泣き止む気配を見せない
痛みで教えるなんて時代遅れの方法は流石にゆっくり相手でも無理だったか?
「なあ、れみりゃ?」
「うあ゛あああ゛あああ!?いだいいい!ざぐや゛ああああ!?」
「泣き止んでくれないか?」
「ざぐや゛ああああああ!?あのおぢざんがいぢべるどおおおお!?」
「おーい、れみりゃ?」
「お、おばえなんが・・・ざぐやにやっづげあれぢゃえええええ!?」
「無理だ!これ以上は近所迷惑だ!喝っ!」
「うぎょべ!?」
と言う訳で、れみりゃが泣くことすらも叶わなくなるまで叩き続けることにした
教育者として正直どうかとは思ったが、まあ仕方ないだろう
「さて、ようやく泣き止んだ所悪いが早速防具をつけてもらうぞ?」
「うぅ・・・でびりゃのぶりぢーなあだまがぁ・・・」
「・・・・・・話を聞いてるか?」
「は゛、はい゛いぃぃ゛ぃ!?ぎ、ぎぃでまずぅぅぅうぅ!」
どうやら散々引っぱたいたのが効いたらしく、れみりゃは俺の言葉に即座に反応した
もっとの、想像を絶する恐怖に震え、双眸からは恐怖のあまりに涙が零れ落ちているが
まあ、瑣末なことだろう。気にするほどのことでもない
「さあ、面は超大顔面用!篭手と胴は一番小さいサイズを用意してやったぞ!袴は・・・別にいらんだろ」
「うぅ・・・もうげんどーは・・・」
「今更剣道嫌とか抜かしたら脳天かち割るからな?」
「うぅ・・・ぼーぐをゆっくりづげるどぉ・・・」
「待て待て。流石に初心者が自力で防具を着けられる訳が無いだろう」
と言う訳で、俺が手際良くれみりゃに防具を装着させてやる
何故か凄まじい表情を浮かべたまま大人しくしているのでこの作業が案外楽で助かった
「さて、最後は面だな」
「・・・・・・」
と、れみりゃに面をつけつつ、いきなりゆっくりに関する豆知識を披露したい
もっとも、この時点では知らなかったことで、後で朝練にやってきた部長に教えられて初めて知ったことなんだが
ゆっくりってさ、全身が嗅覚で、人間よりもずっと敏感らしい
で、更に話が逸れてしまって申し訳ないんだが、剣道の防具って物凄く臭いんだよな
剣道を始めたばかりの頃部室に入った瞬間異臭騒ぎで警察呼んで先輩に殴られたことがあるくらい臭い
一体、何であんなに臭いんだろうな
「うあ゛あ゛あ゛あああ゛あああぁあ゛!!?」
そんな訳で、れみりゃは気が狂ったかのように叫びながらぶんぶん竹刀を振り回し始めた
しかも、そのまま俺めがけて思いっきり突っ込んでくる
今にして思えば異臭で正気を失ってしまっていたんだろうが、その時俺はれみりゃのやる気の表れだと勘違いしてしまったんだ
「しかしゆっくりしすぎだ!篭手っ!!」
「うあ゛ああ゛あああ゛あああ゛あ゛!?うるざいどおおおおお!?」
「いやあ、お前のが五月蝿い!胴っ!!」
「うっぎゃああああああ!?」
ここでまたゆっくりトリビアで申し訳ないんだが、ゆっくりって全身聴覚でもあるらしい
しかも、大きな音で鼓膜もとい皮が破れることはないんだろうが、最悪大きな音で苦痛を感じることもあるとか
そして、面に綺麗な打ち込みをもらうと分かると思うが、あの時の音は結構な音量だったりする
俺達人間には分からないんだろうけど、胴や篭手のときも似たような状況になっているんだろうな・・・
「うあ゛ああ゛ああっあ゛あああ゛あ゛!?」
「だからそんなデタラメな打ち込みじゃ無駄だっての、面っ!!」
つまり、今れみりゃは素人の蛮勇で俺に挑んできているように見えるがその実態はもがき苦しんでいるだけ
にもかかわらず、俺がそのことに気づかないので延々と轟音と異臭と苦痛に苛まれる
かと言って、痛みに耐え切れずにうずくまろうものならがら空きになった背中に竹刀による一喝が飛んでくる
「竹刀を持っているときにうずくまるな!」
「ぼうやだど・・・うぎゃぴぃっ!?」
「竹刀を放り投げるな!」
こんな調子でれみりゃの初めての剣道体験は件の部長がやってくるまで続いた
「へぇ、あのれみりゃ。お前のペットなのか」
「ペットじゃなくて友達です」
「何にせよ、あのれみりゃはお前に構って欲しくて剣道を教わりに来たんだな」
「みたいです。ちょっと感動しちゃいますよね・・・と言う訳で、れみちゃん!」
彼女は長い白髪を揺らしながら竹刀を手に勢い良く立ち上がると、あのれみりゃに半ば強引に防具を装着し、道場の真ん中へと引きずっていく
それから、れみりゃの竹刀を悠々とかわしながら軽く屈伸を済ませ、更に防具を着けると「今度は私が稽古をつけてあげるね!」とれみりゃの面を引っぱたいた
ちなみに、彼女は辻斬り属性持ちと恐れられるほどに試合形式になると過激になり、練習内容も恐ろしくハードになる
「うあ゛ああ゛あ゛あっああ゛あ!?」
「遅い!面っ!!寝転がらない!破っ!!竹刀を投げない!篭手っ!!」
「ぼうやだああああ!でびぃ、ごーまがうぎゃっ!?」
「敵前逃亡は死と同義!突っ!!」
分間20回以上もの打ち込みを食らって、よだれや肉汁や涙を撒き散らしつつのた打ち回るれみりゃを眺めながら呟いた
「・・・ご愁傷様」
‐‐‐あとがき‐‐‐
2代目が誕生したよ!
『ゆっくりいじめ系2897 ゆっくりボール』の作者さんだよ!
皆、ゆっくり沢山可愛がってあげてね!・・・主に性的な意味で
それはさて置き、高校時代剣道部に可愛い先輩が居たんだよ
美人とか格好いいじゃなくて可愛い、ね
しかもかなり強い先輩だった
私は勇気を振り絞ってこんなお願いをしてみたんだ・・・
「先輩!先輩の防具の匂いを嗅がせてください!」
困惑しつつも了承してくれた彼女の防具の匂いは・・・普通に臭かった、んほぉ
最終更新:2011年07月28日 12:33