その証拠に、俺の朝は一杯の汁粉から始まる。
水を張った小さめの鍋を火に掛け、庭にある箱を開けて中に入っているゆっくりを確認する。
この箱の名前はゆっくりBOXといい、名前の通り捕まえたゆっくりを入れておく箱だ。
必要な時に取り出せるし、そのまま入れておけば週に一回加工所の職員がゆっくりを回収しに来て換金してもらえるのだ。
この箱のお陰でわざわざ街から離れた加工所まで行かなくてもいいと老若男女問わず助かっている。本当にありがたい。
箱の中には昨日捕まえた成体のれいむとまりさ、それの子供達が計八匹程入っていた。
「おじさんれいむたちをゆっくりだしてね!!」
「はやくださないとゆるさないよ!!」
「ちょうだちょうだー!!」
「はやくだしぇー!!」
箱のゆっくり達が好き勝手に騒ぐが無論無視。
子供達の中でもそこそこ大きい方のれいむとまりさを捕まえたら箱の蓋を閉じる。
「づれでがないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」と聴こえた気がするが相手にしない。
「「はなぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」と騒ぐ捕まえた二匹は一度流しに連れて行き水をかける。
先程までの死にそうな表情から「きもちぃ~」「すっきり~」と幸せそうである。
そのままいっきに鍋にぶち込む。
「あぢゅいよぉぉぉぉぉぉ!!」「だじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」とまたうるさくなるので鍋に蓋をする。
そもそも沸騰してるんだから熱くないわけがないだろ。
蓋をしても「あづぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」「じねぇぇぇぇぇぇぇぇ」と聴こえるが、放っておけばそのままその声も次第に聴こえなくなる。
静かになってから蓋を開けると、皮は破れ餡子は溶け出し苦悶の表情を浮かべて絶命しているれいむとまりさがいた。
これで汁粉の完成である。
皮の弾力、餡子の甘さ、こんな簡単に作れて美味い汁粉がゆっくりのお陰で食えるのだから良い時代になったものだ。
いつかゆっくりを愛でる会、ゆっくりんピースに入りたいものだ。
あそこなら様々なゆっくりのレシピが研究されているのだろう…
最終更新:2011年07月28日 03:47