段ボール箱を両手で持ちながら、私はとある部屋に入った。窓も無く白い壁のみで構築された部屋だ
元は物置だったらしいが、諸事情により今は単なる空き部屋であるらしい。
まあちょうどよく空いてたのだから理由などはどうでもいいのだが。
私は部屋の真ん中にその段ボール箱を静かに置いた。そうして箱を開けて、中で眠っている生物を一匹一匹丁寧に取り出す。
ゆっくりである。

3年ほど前から現れ始めた謎の生命体。というか生命なのかも疑わしい。なにせ中身は餡子だのカスタードだの肉まんだの、
既存の生命体を馬鹿にしているとしか思えないもので構築されている。
そのくせ簡単な人語を話し意志の疎通が取れる。しかも全世界の人間に伝わるらしい。書いてるだけで頭が痛くなってくる。
そんな生物なので、現在進行形で様々な研究がなされている。まあ分かっているのは生物としての行動や特性などぐらいで、
何故動けるのかなど根本的な事は何一つわかっていないのだが。
そんな訳で私もゆっくりの生態を解明するために日夜実験に励んでいたりする・・・・主に教授の思いつきを実践してるだけなのだが


私は箱の中にいたゆっくりを全部取りだす。すると同じく実験に参加している研究員がやってきた。彼らはれみりゃとふらんの家族
捕まえてきた。ぐっすりと眠っている。
それらを床に置くと別室に行ってしまった。この実験は交代で見張るので、仮眠を取りにいったのだ。本来は二人一組で監視するのだが、
急病により私の相方は休んでしまっている。・・・誰か代わりにこいよ。


そんな事を思いつつ実験の準備を終える。部屋にはゆっくりが18匹。そしてテーブルとイスと実験に使用する物が諸々。
ゆっくりの詳細は
  • 親れいむと親まりさ、子まりさ1匹・赤まりさ1匹・赤れいむ3匹の家族
  • まりさ1匹
  • ぱちゅりーとありす、赤ぱちゅりー
  • れみりゃザウルスと親ふらん、赤ふらん一匹と赤れみりゃ2匹
  • 胴なしれみりゃ1匹
  • 実験には参加しない赤れいむ

捕まえるのは中々大変だったと語る友人A。その笑顔は何かを達成した者にしか出せない輝きを放っていた。眩しくて直視できなかった。

準備が整った俺は時間を確認する。後30分ほどで実験スタートか。そろそろ起こすか。
ゆっくり達の体を軽く叩いてやり、出来る限り優しく起こす。可愛らしいと言うか図々しい寝顔のゆっくり達を見るのは結構楽しい。
れみりゃは「さくや~~だっこぉ~」などとふらんを抱っこしながら寝言を言っている。ふらんの方も意外と擦り寄っている。
ふらんとれみりゃは天敵同士と聞くが、時折中のよい個体も居るという。見てるだけなら幼い姉妹である。
こうやって寝てるだけでも色々と面白い。これを二度と見れないだけに起こすのは勿体なくは感じる。

「ゆぅ・・・ゆ!ゆっくりおきたよ!みんなゆっくりしていってね!!!」
「おきゃーさんゆっきゅりちていってね!!!」
「とかいはのあさははやいのよ~」
「うー・・・れみぃはまだねむいんだぉ~ねむるのぉ~」
「うー・・・あまあまのにおいがする。あまあまたべる!」
「れみりゃとふらんはゆっくりできないんだぜ!さっさとまりささまはにげるんだぜ!」
目が覚めたゆっくり達の反応は様々である。とりあえずれみりゃ達をなんとかしなければ。実験前に食われては洒落にならん。

「れみりゃとふらんー。あまあまは食べちゃ駄目だよ。その代わりいっぱいプリンをあげるからね。」
「うー?ぷでぃんがあるのー?れみりゃとふらんにわたすんだぞー。」
「それじゃあ、あまあまは食べないと約束する?」
「するどぉ~。あかちゃんたちもあまあまを食べちゃ駄目だどぉ~。えれがんとなれみぃたちはぷでぃんをたべるんだどぉ~」
成功したようだ。プッチンプリンの偉大さと経費持ちの教授に感謝する。

「はーいみんな目が覚めたかな~。ここはゆっくりできる場所なんだよ~」
ハッキリ言って恥ずかしい。なんか教育番組の司会みたいな喋りだ。しかし出来うる限り警戒心は解いておきたい。
「ゆゆ!ほんとにゆっくりできるの?うそついたられいむゆるさないよ!」
このれいむは意外と賢い個体のようだ。普通なら即信じるのだが。
「もちろんさぁ。ご飯もあるしベットも玩具も。お風呂もあるしマッサージだってやってもらえるよ。
ただし、守ってもらいたいルールがあるんだけどね。」
「うー!さっさといえ!」
ふらんが喚きだす。一応食いついたみたいで安心である。最初のプリン攻撃が効いたか。

「それはですね・・・この部屋で暮らす三日間。絶対に寝てはいけません!」
れいむの夫の方のまりさが不満げに文句を言ってきた
「おにーさんばかなの?ねなかったらゆっくりできないよ!あほなの?」
「いやいや。とってもゆっくりできる物を取りそろえたからね。きっとゆっくりできるさ。
でもね・・・もしゆっくり寝ちゃったら・・・」
そういって箱の奥から赤れいむを取り出す。野生の巣から適当に取ってきた赤ゆっくりだ。
「ゆ?おにーしゃんゆっきゅりちていってね!!!」
そういって元気そうに跳ねる赤ゆっくりに砕いたクッキーを与える。お腹いっぱいになったのか案の定すぐ眠り始めた。
「ゆゆゆ・・・・ゆぴー・・・ゆぴー・・・」
寝息を立てる赤ゆっくりの目の前で静かに指で10数える

10・・9・・8・・7・・ヒャア、がまんできねぇ0だ!


手に持っていた赤れいむを思いっきり床に投げつける。べちゃりと嫌な音をと共に床に餡子と皮がぶちまけられた。
何一つ云わぬまま永眠したようだ。
「むきゅん!なにしてるのおにーさん!ひどいわ!」
「でいぶいや゛ぁぁぁぁぁ!!!もうおうちかえる!!!」
「ざぐやぁぁぁ!!こわいどぉー!」
あちこちから抗議や怯える声が。しかし気にせず説明を続ける。
「・・・とまあ、こんな具合になりますので、みなさん注意してください。なお、三日間過ごしたら、
私達から、素晴らしいおうちといっぱいのご飯をプレゼントします。」
「ゆゆ!おうちとごはんはほしいんだぜ!」

これに反応しないゆっくりは居なかった。ゆっくりの多くは他人の住居もすぐに自分の家にしてしまう。
自然では巣が手に入りにくいのか・・・はたまた手間を省いてゆっくりしたいのか。どちらでもいい。
こうして家と食料を釣らせば簡単に釣れるのである。
「それと、もうひとつ!寝た子を起こしたら子と寝た子を隠した子にも罰を与えます!いいですね。」
「ゆっくりりかいしたよ!!!」

そうして全員から了承を得られたところで時計を確認・・・よし、実験スタート
「はーい。ではみんなにおにーさんから朝ごはんです。いっぱいたべてね!!!」
そうやってクッキーやプリンや野菜などを目の前に差し出す。


「うめっ!うめっ!めっちゃうめえ!」
「とかいはのもーにんぐね!ぱちゅりーもゆっくりたべるのよ!」
「あかちゃんたちこれもおいしいよ!ゆっくりたべてね」
「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!」
「うー!うー!」
「うー☆おいしいんだどぉー♪あまいんだどぉー♪」
「うー、おいしい」
実に美味しそうに食べている。しかもバクバクと。よほど腹が減っていたのか。ちょっと期待が持てる。


一日目の午前は、ゆっくり・人間共に実にゆっくりと過ごした。
部屋はお世辞にも広いとは言えないが、ゆっくり用の滑り台などの遊具が置いてあるので遊ぶには不自由しないはずだ。
れみりゃ達もよくわからないダンスを踊ったり、自分達がどれほど『えれがんと』か語り合ったりしている。
ふらんの方はというと、置いてあった人形を楽しそうに噛みちぎったり、自分の手で突き刺して遊んでいる。
そうして俺は記録用の映像を回したり、メモを取ったりしていたが、特に変化がないためノートパソコンで遊んでいた。
「おいおい、開幕一秒で試合終了とか世紀末すぎる・・・」
と、私が驚いている横で、親まりさは帽子の唾を利用して子供を高い高いしてあやしていた。意外と器用である。
「ゆー!おそらをとんでるみたいー!」
「ゆゆ~ゆっくりおそらをとんでね!」
赤れいむは初めての感覚を楽しんでいた。
「れいむはゆっくりしてるかしら?」
「とってもゆっくりしてるよ!」
といいながらすりすりしているありすとれいむ。
「れみ☆りゃ☆うー!ふらんもおねーさんといっしょにおどるんだどぉ~」



さて、昼時になった。ここからが本番とも言える。
私は昼ごはんをゆっくり達に与えた。彼らがガツガツ食べてる横で朝方買ったおにぎりを摘んでいる。
      • 塩が足りねえ。足すか
そしてランチタイム終了。ここからである。赤ゆっくり達に変化が訪れたのは。


「ゆゆ・・・おきゃーしゃんねむいよ・・・・」
「まんまぁ~れみりゃおやすみするどぉ~」
午前中にあれだけ遊び、たんまり飯も食べたのだ。人間でも眠くなるだろう。現に俺も眠い。

しかし親たちは必死に止める。ゆっくりの記憶力はあまり良くないらしいが、午前中の出来事を忘れるほど馬鹿ではない。
「ゆ!だめだよ!おうたでもうたおうね!ゆ~ゆゆ~ゆ~ゆ~♪」
「ねむっちゃだめだどぉー!おかーさんのしんさくだんすをいっしょにおどるんだどぉー」
「むきゅん!ねちゃだめよ!おかーさんとごほんをよみましょうね。」
各々が必死で子供たちを寝かせないようにしている。しかし子供たちからは不満の声がでる。
赤ゆっくりの記憶力は思った以上に低いのかもしれない。
「れいみゅはねむいんだよ!なんでねかちぇてくれないの!」
「うー。ねむい。ねかせろ!」
「ねたらゆっくりできなくなるんだよ!ゆっくりりかいしてね!」
「うそだよ!ねないとゆっきゅりできないみょん!れいみゅをゆっきゅりさせないおきゃーさんたちはちね!」
「ゆっくりちぬんだぜ!」
「まんまたちきらいー!れみりゃはおねむなんだどぉー」
我慢の限界なのか、子供たちの眼はうとうとしている。れみりゃ種なんて半夜行性らしいから余計辛かろう。
しかし親もそんなことで引くわけにはいかない。
「どうじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛お゛お゛お゛!!!おがーじゃんはみんながゆっぐりできるよ・・・なにじてるのおお!!」

そうして遂に来てしまった。最初の脱落者が。
「もういいもん!おねむするから!・・・・ゆぴー・・・ゆぴー・・・」
鼻息を立ててスヤスヤと。しかしはえーな寝付くの。
まあいいや。はい寝ましたねこれは。なんだか必死に寝た子を親まりさが後ろに隠していますが無駄ですっと。
ルール違反なのか曖昧だがこのレベルならスルーしよう。
「おに゛ーざん゛おねがい゛じま゛・・」
「はいどいたどいた。」
そうやって両手でまりさをどかし、後ろの赤れいむを見つける。そうして10カウントを指で数える。
流石に実験中はちゃんと数えます。・・・・3・・・2・・・1・・・0
「脱落決定。」
そう小声で言うと赤れいむを起こさないようにそっと手に取る。しかし一応気を使ったこの行為も、親の声で台無しである。
「おちびちゃんにげでええええええ!!!!」
「ゆ!うるちゃいよおとーしゃん!れいむおねんねできにゃいよ!」
お怒りなのか、ぷくーと体を膨らませる赤れいむ。ゆっくりの基本的な威嚇行動らしい。
私はどうしようか考えていた。教授からは目の前でなるべく惨たらしく殺し、絶対にその様子をカメラで撮れと言われている。
      • 実験そのものより力が入っていた気がするが気にしないでおこう。
少し考えた私は、昼食時に使ったストローを手に取る。
そうして文句を言っている赤れいむの後ろから、後頭部に向けストローを突き刺した。


「ゆげぇ!おにーしゃんなにちゅるのお゛お゛お゛!れいみゅいちゃいよおおおおお!」
上手く刺さったのを確認すると、そのままストローにブラックコーヒーを注ぎ込んでみる。一瞬餡子を吸おうかと思ったが、なんとなく止めといた。
ストローからゆっくりとコーヒーを流す。ぶっちゃけこぼれたりしてるが拭けばいいや。全く甘くない液体を頭に注入させられた赤れいむは、
「いぎゃい!やべででいぶのあだばがじみ゛る゛の゛おおおお!!!!あだみゃばれづずるううう!!!」」
なんともまあ表現しづらい顔で悲鳴を上げている。それと同時に
「おにーしゃんやめてえええええ!!!でいぶががわりになるがらあああ!!!」
と、なんとも泣かせる発言が飛び出す。ふと赤れいむの様子が変わったのに気づく。いや正確には言語が。
「でいぶぼういやあああああ!おうdじがえdぶあおがーjyaんおしねえおおおおもこいいやああががっしいいいい!!!」
意味不明の言葉を発しながら暴れ狂う赤れいむ。異物を頭に注ぎ込んだせいか、言語に異常が発生したようだ。
「yっゆっゆおひいぃ!おkぁゃーsん%kたちゅいあ!いあ!0##お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
そろそろ楽にしてやることにしよう。フラフラと新たな言語を話しながら歩きまわる赤れいむを摘みあげ、そのまま握り潰す。
「げhっう!」
などと聞き取りずらい断末魔を最後に永眠した赤れいむ。
「ばりざのおじびぢゃんがああああ!!!!」
「でいぶだぢを゛がえ゛ら゛ぜでえ゛え゛え゛え゛」
という声と共に、私は今の変化を記録した。


意外にも午後は何事もなく過ぎた。昼の出来事がよほど堪えたのか、みな眠らないよう必死で歌ったり遊んだりしていた。
表情を見る限り、午前中とは違いとても楽しそうには見えなかったが。暇だった私は、手持ちの小説を読み終えると、
家から持ってきたはずの最新のガンガンを鞄から取り出した。そこではたと気づく。これ先々月号じゃん。
愕然とした私はしょうがないので、適当な絵本を取り出し、赤ぱちゅりーに読ませてあげた。
「おじしゃんおりがとね!ぱちゅりーこのごほんでかんげきちたわ!」
などとお礼を言われた。おじさんとな。


そうこうしてるうちに、時間は午後8時。夕食を食べてるゆっくり達の横で、私は彼らをゆっくりさせるための準備に取り掛かる。
あらかじめ用意していた子供用プールを膨らませる。そしてそこに外から持ってきた水を入れる。
後は適当な桶にお湯を張ったやつを持ってきて完成。

「よしみんな。今日は疲れてるだろう?お風呂を用意したからゆっくりしていってね!!!」
「ゆゆ?お風呂?とかいはなありすはおゆにもきをつかうのよ~」
とりあえず一匹一匹桶の中に入れて寛がせる。れみりゃ達はプールで遊んでいる。事前に青シートを敷いておいてあるので床も大丈夫
「ゆ~きもちいいねまりさ~」
「そうだね~ゆゆゆーゆゆ♪」
「ありすのはだもすべすべよ~」
そんなこんなで全員気持ちよさそうではあった。
そして風呂上がり。砂糖たっぷりのコーヒー牛乳をプレゼント。こちらは飲めるようだ。
更に火照った体を覚ますために小型扇風機のスイッチを入れる。ここまで教授の指示通りである。
そしてここで第二の脱落者が。


「む・・・みゅきゅ・・・ん」
みんなが涼しんでいる少し後ろで今にも眠りそうな赤ぱちゅりー。
よほど風が気持ちいいのか。この場合、親のぱちゅりーかありすが気づくべきなのだが、彼らはと言うと
「ゆゆ~とかいはのおふろはにどぶろなのよ~」
「ありすはかしこいわね~」
夫婦で二度風呂を満喫中。そうこうしてるうちに眠気に負けた赤ぱちゅりー。
夫婦円満の邪魔をするのも引けるのでこのままカウントしてしまおう。・・・(省略)0。


赤ぱちゅりーをそっと掌に載せる。それをみてやっと状況を察したのか、ぱちゅりーが吠えた。
「ぱちゅりーのあがちゃんがぁあああ!!!!どうしてねてるのおおおおお!!!!」
ゴホゴホとせき込みながらこちらに近寄る親二匹。さて、教授が納得するようなやり方は・・・本か。
私は、ガンガンの真ん中あたりを開くと、そこにそっと赤ぱちゅりーを乗せた。
そうして起こす。

「やあ!おはよう。」
「む・・・みゅきゅん!おにーさん!ぱちゅりーはねてないわよ!かんがえごとしてだだけよ!」
必死な言い訳を並べる赤ぱちゅりー
「わかってるよ。だから君に御本をプレゼントするんだ。とても厚い本だよ。」
「む・・・?ごほんくれるの!おにーさんありがとう!」
「あ゛がぢゃんにげるのよおおおおお!!!」
どうやら親の方は気づいたらしい。さっさとやるか。私は本を持つと思いっきりその本を閉じた。
べちゃ!っという何かが潰れた音と甘い匂いが部屋に立ちこめる。せめて換気扇のある部屋にするべきだった。
放心している親の前でページを開いてみせた。

そこには本の一部となった赤ぱちゅりーがいた。
「ぱぢゅり゛ーの゛あがちゃんがああああああああ!!!」
「ごべんねあがぢゃんんんんん!!!」
泣きながらそのページに向かって謝る親二人。せっかくなのでガンガンはプレゼントしておいた。

これで残り14名。予想以上に残ってはいるが、夜はまだ長いのだ。


午後11時。普通のゆっくりならば巣の中でゆっくり眠る時間であろう。活発なのはれみりゃ種などぐらいだ。
全員の様子を観察する。全員が細目になっていた。気を抜けば寝てしまう状況。本来ならばゆっくりできる時間なのに、そのゆっくりを我慢しなければならないのは想像以上に辛かろう。
そろそろベットを準備して明かりを消そうかと思った時、異変に気づいた。2匹足りないのだ。
数えてみれば足りないのは赤まりさと赤れいむだ。出入り口が一つだけのこの部屋。隠れる場所もない。
私は親まりさに聞いてみた。すると
「ゆゆ!!・・・まりさはしらないよ。おにーさんがみのがしたんだよ!」
そんな事を言ってくる・・・さては隠したか。
子ゆっくりの隠れ場所といえば親の口の中が一般的であるが、このまりさも他のゆっくりを見ても隠れてる様子はない。
するとどこかなのか。少し考えた私は目の前の帽子に気づいた。ああなるほど。
「ゆ!なにするの1ぼうしをとったらゆっぐり゛でぎな゛い゛い゛い゛い゛!!!」
慌てふためく親まりさ。予想通り帽子の中にはスヤスヤと眠る2匹が。
「すーすー・・・おとーしゃんちゃかいちゃかいちてえ・・・」
幸せそうな寝息を立てる2匹。しっかりカウントを数えた私は2匹を手に取り
ガヤガヤと騒いでいるゆっくり達に向かって話す。


「静粛に……!このまりさは今帽子の中で子供たちを寝かせた
最初に言ったはずだ、そういう行為は一切認めていないと・・・・・・!
繰り返す!寝た子を隠す行為は無条件で別室行きだっ・・・・!」



私が三匹の処理に悩んでいると、扉から誰かが入ってきた。友人Aである。交代しに来たのだ。
「うぃーす!どうよ実験の調子は。」
「ちょうどこの二匹と邪魔をした親まりさが脱落です。・・・やりたいならこの2匹をどうぞ。」
「ありがとよ!ああ後、もう一人はちょっと食い物買いに行かせてるからすぐ来るわ。」
子供たちをAに渡す。するとAはそのまま丸飲みした。実にあっけない。
「おおうめえ!ちょうど腹減ってたからなあ。」
「あんまり適当だと教授がキレますよ。」
そういいながら私は足で親まりさを踏んでいた。
「やべでえ゛え゛え゛え゛お゛に゛ーし゛ゃん゛!!!ばりざのあ゛んよ゛がぁぁぁ!!!」
踏む箇所は下の部分。徐々に力をこめて踏んでいく。しかし物足りなく感じた私は足を離すと、まりさを持ち上げた。
「ゆっくりすりすりしてきもちよくなろうね。」
そういって壁にあんよを激しく擦りつける。
「いだい゛い゛だい゛い゛だい゛い゛だい゛い゛!!!だいぶだづげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!でも゛ぎもぢい゛い゛!!」
痛みと過剰な刺激での発情に二段攻撃がよく効いたようだ。
「やべでえ゛え゛え゛ずっぎりじぢゃうううううう!!!づっぎぢいいいいいいいいい!!!!」
そうしてすっきりとした顔のまま逝ってしまった親まりさ。壁には餡子がこべり付いていた。

「ばりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
そんな声を聞きながら、私は部屋を後にした。シャワーでも浴びて部屋でゆっくり寝ようと思う。
外では虫の鳴き声が鳴り響いていた。実に心地よい響きである。
彼らの夜はまだ長い。そしてこの夜を超えてこそが辛いのだが、それをまだ彼らは知らない。


現在生き残っているのは12匹
  • 親れいむと、子まりさ1匹・赤れいむ1匹の家族
  • まりさ1匹
  • ぱちゅりーとありす、
  • れみりゃザウルスと親ふらん、赤ふらん一匹と赤れみりゃ2匹
  • 胴なしれみりゃ1匹
この中で生き残るのは誰だ!
次回へ続く。


【あとがき】
れみりゃ達の影が薄いのは仕様です。
もしかしたら次回大活躍かもしれません。


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最終更新:2022年03月15日 00:50