思いのほか使えなかったボーリング玉を片付けて今度は鞭を手に柵を乗り越えた。
最近では一般人でも手軽に楽しめるSM道具のようなイメージがあるが、手にしているそれはそんなものではない。
笞刑を執行する際に用いられたとされる拷問用の棒状の鞭である。

「ゆびぃっ!?」
「びゅっ!?」
「ぃゆぎぃ!!」

人間でさえもこれで全力で叩かれれば一振りで皮膚がえぐれ血が滴ると言われるほどの代物。
1m近い長さのそれを、渾身の力でゆっくりに叩きつければどうなるかなど容易く想像できること。
ヒュッ!と空気を切り裂く音が鳴り響くたびに柔らかい頬が、額が、目玉がえぐれ、飛び散る。

「っぴぃ!?」
「ゆ゛っ!?」
「ゅぎゅぃ!?」

今のところ一振りで死ぬゆっくりは1匹たりともいない。
接触した部分を容赦なくえぐり取る鞭はその性質上、あくまで拷問向けであり、殺傷力は弱いのだ。
致命傷を与えるには3度4度と執拗に打ち込まねばならないようだ。

「ゆ゛っ・・・もっどゆっくぢぢだがったよ゛ぉ・・・」
「おきゃああぢゃあああ、ゆびゅ!?」
「「まりぢゃのいもうぢょがああああああ!?」」

もっとも、子ゆっくり程度であれば一振りでもほぼ確実に致命傷。
赤ゆっくりであれば当たり方しだいでは見事に真っ二つにする程度の威力はあるのだが。
またしても虐殺向きでないものを選んだことを内心後悔する。

「ゆびょぉ!?・・・もっと、ゆっぐぢぢあっぁよ・・・」
「ぴぎゅ!?」
「~~~~ッ!?もっとゆっくりぃ・・・」

鞭を振るうたびにゆっくりの悲鳴が柵内に響き渡る。
そして、一振りで両断される赤ゆっくり以外は皆お約束の断末魔を残して永遠のゆっくりへと旅立つ。
「もっとゆっくりしたかったよ」の数においては一番と言えるかもしれない。

「ぴぎゃ!?」
「ゆぶひゅ!?」
「ゆびぃっ!!・・・もっぢょ、ゆっきゅぢぃ・・・ったよ」
「ゆげぇ!?もっど・・・ゆ゛ぅ」

気がつけば成体だけでも既に5匹以上がずっとゆっくりしてしまっていた。
親が必死にかばうせいか子ゆっくりや赤ゆっくりはまだあまり潰せていない。
が、とりあえず今のところ既に7匹程度は絶命させているだろう。

「ゆっぐ!?」
「ぃゆぎぃ!?」
「ゆぴぇ!?」
「・・・もっど、ゆっくりぢだ・・・っよ・・・」

成体れいむが1匹と赤まりさが1匹。
ある意味で玄翁のときを上回る殺戮の嵐を前にゆっくり達はただひたすら逃げ惑う。
家族も、友達も、つがいも関係なく、だた圧倒的暴力から距離を取りたいその一心で。

「ゆびぃっ!?」
「ゆごぁ!もっど、ゆっぎぢだがったよ゛」
「ゆきゅ!?もっぢょ・・・ゆっぐぢぃ・・・」

とにかく近くにいるものを追いかけて追いついたところで鞭で打ち据える。
転んで逃げ遅れた子ありすと彼女を助けに来た母ありすが物言わぬカスタードになった。
しかし、中にはなかなか優秀でけなげな個体もおり、1匹のれいむは自分の子供を口の中に誘った。

「ゆびぃ!ゆっぐ!ゆ゛っ・・・!もとゆっぐぢぢだがったよ・・・」
「「「おきゃあああしゃああああん!?」」」

れいむの中からくぐもった赤ゆっくりの声が聞こえてくる。
そいつらを潰すためにれいむの亡骸をさらに何度も何度も打ち付ける。
20発近く鞭を打って原型を留めなくなったれいむの頭に空いた空洞から赤ゆっくりが顔をのぞかせた。

「ゆやああああああああ!」
「やめぢぇええええ!」
「やめちぇね!ゆっきゅちー」

空洞かられいむの中に鞭を侵入させる。
赤ゆっくりは口から出ることもかなわず、ただただ泣き叫ぶ。
そんな彼女達の無力さに思わず笑みをこぼしながら、鞭をれいむの中をかき混ぜるように振り回した。

「ぴゃ!ゆぴぃ!?いっぎゅ!?いぢゃいいいいいい!」
「やめぢぇえええ!ゆっぎゅぢぃ!ゆ゛っ・・・」
「おきゃああぢゃあああ!だぢぢぇええええ!ゆぶっ!ゆ゛びぃ!?」

何度も何度も執拗にれいむの中の赤ゆっくりを叩き、かき回した。
その後、中の様子を確認したときには、原形をとどめているものは1匹もいなかった。

「ゆゆっ!こっちにきたよ!おちびちゃんはれいむのなかにかくれてね!」
「「で、でみょぉ・・・」」
「「きょわいよー」」

次に近づいて行った別のれいむはあの惨劇を見てなお、わが子を一番確実に守れる方法がこれだと判断した。
赤ゆっくりはれいむとありすが2匹ずつで、つがいの姿は見当たらない。
それでも、わが子を口内に収めると、勝てるはずのない相手に背を受け、うつ伏せになって丸まった。

「これならおちびちゃんたちをまもれるよ!」
「「「「おきゃーしゃん、がんばっちぇー!」」」」
「れいむがんばりゅぎゅうううううううううううう・・・!?」

れいむの判断は決して悪いものではなかった。
確かにあの構えならば子供達を少しでも長い間生かすことができるはずだ。
ただし、それは武器が鞭であった場合に限る。

「ゆっぶうるる・・・どほぢで、ふびふびぢゅるのおおおお!?」
「ゆゆっ!やべなざいよ、ごのいながもの!あでぃずのはにーをふみふみしないで!」

背を向けて丸まったれいむを踏み潰そうと体重をかける。
直後、すさまじいまでの絶叫を上げるれいむを見捨てることができなくなったつがいのありすが飛び出してきた。
もっとも、それに気を取られた瞬間に全体重をれいむにかけてしまい、彼女と娘達が絶命することになったのだが。

「ぶひゅっ!?」
「で、でいむ・・・?」

呆然とするありすの視界にはれいむの亡骸以外何も映っていない。
しかし、直後に放たれた鞭の一振りによって彼女の視界は暗黒に覆われ、心は苦痛と恐怖に見たされる。
が、それすらも数秒後に肉体もろとも押しつぶされ、ありすは無になった。

「「ゆびゃあああああああああああああああああああ!」」
「「「ゆっぐぢぢねえええええええええ!?」」」
「「「「「ゆっぐぢいいいいいいいい!?」」」」」

ありすを踏み潰した直後、10匹のゆっくりが一斉に奇声を発しながら襲い掛かってくる。
無駄だと理解しつつも、しかしこれしか道はないことを理解した彼女達の決死の突撃。
もっとも、覚悟ひとつでこの状況が打開できるはずもない。

「ゆぶひゅ!?」
「ゆゃぐ!?」
「びぇ!」

噛み付かれると少々面倒なので鞭の使用を諦め、先頭のまりさを踏み潰しつつ後続のちぇんの尻尾を掴む。
空いた手で飛び掛ってきたありすを地面に叩き落すと、振り返りざまに背中を狙っていたれいむにちぇんを叩きつけた。
ゆっくりの大きさ・形状・能力を考えるとこれ以上の数が同時に襲い掛かってくることはない。

「ゆゆっ!?」
「どほぢでえええええ!」
「ま、まりさはいぐよ゛っ!?」

その一方的な蹂躙を目の当たりにして絶望したのは最初の攻撃に参加できなかった残りの5匹。
せめて一撃でも入ってくれれば、体勢を崩すことができれば・・・。
そんな一縷の望みをも絶たれた状態で巨大な化け物を前にする事を絶望以外の言葉でに何と言うのだろうか?

「びゅぃ!?」
「ゆぶぁ!!?」
「ゆびぃぃ!ば、ぢざぁ・・・!?」
「もっぢょ・・・ゆ゛っ・・・」

もっとも、比較的早くその絶望から解放されたこの5匹はまだ幸せかもしれない。
たとえ命と引き換えでも。
遅かれ早かれ、どの道1匹残さず死ぬのだから。

「むぎゅん!?」
「ぢんぼっ!?」
「わがだだいよぉ・・・」

その後、迫る死が不可避であることを知りながらも諦めきれないゆっくり達を何匹か潰し、柵から出て行った。
振り返るとそこには今までに見たこともないような光景が広がっていた。
ゆっくりの屍の山、飛び散った甘味の海、涙の湖、悲鳴のそよ風、つかの間の平和をかみ締めるゆっくり達。
それは思わず顔がこぼれそうになるほどに牧歌的な光景だった。



「ゆゆっ!あめさんがふってきたよ!」
「ゆぐっ!ぽかぽかさんはゆっくりしてるよ!どうしてあめさんふってくるの!?」
「まりさ、どうしよう!ゆっくりできるばしょがないよ!?」

突然降り始めた天気雨に狼狽するゆっくり達。
しかし、そんな風に大騒ぎしているには柵の中の一角のゆっくりのみ。
ゆっくり達は気づいていないが、雨の正体は柵の外に備え付けられた水道設備を用いてのもの。

「ゆゆっ!あめさんがやんだよ?」
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!でいむのおぢびぢゃんがああああああ!?」
「これあめざんじゃないよおおおおお!?」

流水はホースの口を絞ったり、放水の角度を変えることで雨にも滝にもなる。
突如、雨から滝へと姿を変えた流水はあっという間に子れいむを飲み込み、水に弱い体をぐちゃぐちゃにする。
かろうじてまだ息はあるが、皮の一部が解け、水気の混じった餡子が漏れ出すその姿は彼女の死を明示していた。

「ゆ゛ひ゛ぃ・・・ゆ゛っ・・・」
「おぢびぢゃあああああん!ゆっぐぢいいいい!?ゆっぐぢぢでいっでね!」
「ゆっぐ・・・ぢぃ」

結局、その子れいむは母れいむの最期の呼びかけに答えることもできずに息絶えた。
残された母れいむはそんな娘の亡骸にすりより、大声を上げて泣きじゃくる。
子れいむだったものそばに、自分の足元に小さな水溜りがあることにも気づかずに。

「でいむのおぢびぢゃあああああああん!ゆわあああああああん!」
「れいむ・・・ゆゆっ!れいむ、あんよがぁ!?」
「ゆっぐ・・・ゆゆゆっ?!」

つがいのまりさに指摘されたれいむが足元を見てみると、先の水溜りが彼女の底部を少し溶かしていた。
急いで飛びのこうとするが、底部の皮が一部溶かされているため、思うように動けない。
そのことをいち早く察したまりさに引っ張られた何とか水溜りから脱出することに成功した。

「ゆぅ、れいむのおぢびぢゃんがぁ・・・それにかわいいあんよがぁ・・・」
「れいむ、だいじょうぶだよ!すーりすーりしようね!」
「ゆっぐ・・・そうだね、す~りす~り」

何とか水の脅威から逃れた2匹は頬ずりでわが子を失った悲しみを紛らわせようとする。
が、そうは問屋が卸さない。ホースの先を2匹に向け蛇口を思いっきりひねった。
勢い良く溢れ出した流水は獲物を狙う蛇蝎のように2匹めがけて殺到、瞬く間に柔らかい皮を傷つけた。

「ゆびぃ!?いぢゃ、いぢゃいいいいい!やべでね、みずざんやべでね!?」
「ゆっぐぢにげるよ!?ゆぐっ・・・どほぢでみずざんついでぐるのおおお!?」
「「ごれじゃゆっぐぢでぎないよー!」」

まりさは懸命にれいむを引っ張りながら逃げ回ろうとするが、水の蛇は2匹を捕らえて離さない。
そもそも、この放水は柵内ならどこにでも届くようになっており、逃げ道など無いのだ。
そんな事を知る由も無いまりさ達は徐々に体を溶かされながらも必死にゆっくり出来る場所を求めて這いずる。

「ゆぐぅ・・・ばりざぁ!でいむ、もううごげないよぉ・・・!」
「ゆゆっ!よわきにならないでね!ゆっくりがんばろうね!」
「だっでぇ・・・もう、あ゛んよ゛ざんがぁ・・・」

しかし、その努力をあざ笑うかのようにれいむの底部はもはや破壊しつくされ、頬も餡子が露出し始めていた。
このままではれいむを引っ張るまりさもすぐに皮を溶かされてゆっくり出来なくなってしまうだろう。
それでもまりさは一生懸命身動きの取れないれいむを引っ張る。

「ゆーしょ!ゆんしょ!」
「ばでぃざぁ・・・でいぶはいいがらぁ!ゆっぐぢー!」
「だめだよ!まりざはれいむといっぢょにゆっくぢぢたいんだよ!?」

何とも泣かせるやり取りだが、彼女達の頬を濡らしているのは涙ではなく蛇口から溢れ出す激流。
見つめ合う2匹の頭を空気も読まずに打ち付けるそれは容赦なくれいむの頭を溶かして行き・・・

「もっぢょ・・・まりぢゃとゆっぐぢぢだがったよ゛・・・」
「でいむううううううううう!?」

やがて彼女をずっとゆっくりさせてしまった。
そして、れいむだったものの傍で泣きじゃくるまりさもまた動くことが適わないほどに底部を溶かされていた。
このまま彼女がれいむの下へ向かうのは時間の問題だろう。

「ゆぐっ・・・でいむぅ、ゆっぐぢまっででね・・・」
「むきゅ?にんげんさん!やめてあげてね、いたがってるわ!」
「「「「ゆゆっ!にんげんさん、どうしていぢわるするの!ゆっくりしようよー!」」」」

まりさがなすすべなく衰弱してゆく中、幸か不幸か1匹のぱちゅりーが流水の正体に気づいた。
ぱちゅりーの言葉を聞いたゆっくり達はこちらを見て哀れっぽいまなざしを向け、そう懇願する。
それにしても、今まで気づかなかったこと自体ある意味驚くべきことではある。

「もっど、ゆ゛っ・・・」
「やめてあげなさいよ!このいなかものおおお!?」
「「ゆゆっ!みゃみゃ!おみずしゃんがこっちくりゅよ!?」」

まりさが死んだ直後、こちらに向かって罵声を浴びせてきたありすの一家へと水の蛇を奔らせる。
その道すがらにいた赤ゆっくりを雨とは比較にならない水勢と水量で瞬く間に死の淵に追いやりながら。
成体ゆっくりに寄り添う子ゆっくりの皮を削ぎ、目玉を潰し、殺さないながらもひどい手傷を負わせながら。

「「きょわいいいいいい!ゆびゅ!?」」
「やぢゃああああああああ!?ゆびゅぶぶぶぶ・・・!」
「「ゆっぎゅぢぃー!?」」
「「ぢーっんびょ!?」」

赤れいむが、赤ありすが、赤ぱちゅりーが、赤みょんが瞬く間に飲み込まれてゆく。
子まりさが、子ありすが、子ちぇんが、子れいむが、目や底部や頬を失った痛みで悲鳴を上げる。
そして彼女達の親がわが子の傍に駆け寄って、残酷の現実の前にむせび泣く。

「「でいむのおぢびぢゃんがあああああああ?!」」
「ばでぃざのあがぢゃああああああん!?」
「びっぐまらあああああああああ!?」
「ゆゆっ!やふぇなさいっていっへるでひょ!このいなひゃもの!ぷくうううううう!?」

そう言いながら膨れるありす。
しかし、抜け目の無いことに自分の赤ゆっくりはすでに口の中に避難させているようだ。
そうこうしている内にも7匹の赤ゆっくりを殺め、5匹の子ゆっくりに深刻な怪我を負わせた流水がありすの頭上に達した。

「ゆむむむむむむむむむむむっー!?」
「ゆぶっ!んんんんーーーっ!ゆっ!ぐ、ぐるぢぃわ!?」
「ゆびっ!やべべえええええ!」

恐らく鞭のとき同様に発想自体は悪くなかったと言えよう。
特に鞭のときと違って今回はこちらがその場から動かない以上、踏み潰されることも無い。
強いて言うなら、感情に流されて顔をこっちに向けていたのは明らかな失敗だった。

「ゆ゛ばああああああああ!んぶうううう!?」
「「「ゆぎゅ~・・・」」」
「ぶふぅ!あひぶぶぉあばひゃ!?」

その結果、口を重点的に攻撃され、息苦しくなって口をあけたところで口内に水を注がれた。
こうなってしまってはいまさら口を閉じたところで赤ゆっくりを守ることなど叶わない。
数秒後に水に運ばれて外に出てきた2匹の赤ありすと1匹の赤まりさは既に虫の息だった。

「あ、あぢずのあがぢゃ・・・」
「「ゆぴぃ・・・ゆ゛っ」」
「もっぢょ・・・ゆ゛っきゅぢ・・・ったよ」

我が子を守れなかったことに打ちひしがれるありすの前で1匹が断末魔とともに息絶える。
直後、残りの2匹も容赦ない放水を浴びせられてあっけなく潰れてしまう。
ありすも流水に皮と餡子を食い破られ、やがて動かなくなった。

「おちびちゃんたちをまもるよ!」
「むきゅー・・・おかおはじめんにむけるのよ!」
「かみのけさんでうけるんだねー、わかるよー!」

しかし、ありす達の犠牲は他のゆっくり達に大きな教訓を残すことになった。
見てみると親ゆっくり達は皆既に子ども達を口の中に避難させた上でこちらに後頭部を向けている。
髪の毛と飾りはゆっくりの体の中では比較的水気に強く、またこの体勢なら窒息させられることも無い。

「おちびちゃんたち!これでちゆっくりできるよ!」
「ゆっふっふ・・・これならにんげんさんにかてるんだぜ!」
「むきゅ~・・・ゆぶひゅぶぶぶぶぶぶぶ!?」

ただひとつ誤算があるとすれば、こちらが既にこの事態を想定してジェットノズルを用意していたことだろう。
それもゆっくりの脆い皮と餡子ならば圧力だけで貫通してしまうほど強烈な奴を。
真っ先に標的になったぱちゅりーは突然の痛みに悶え苦しみ、逃げようと必死に身をよじる。

「むぎゅぅ・・・ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・」
「「むっきゅうううううう!ぶぶぶ・・・」」
「「「ゆゆっ!ぱぢゅでぃいいいいいい!?」

あっという間に柔らかい皮に穴が開き、彼女の中身を侵食しつつ、赤ゆっくりのいる口内へと突き進んでゆく。
そして、赤ゆっくり2匹はぱちゅりーもろとも永遠のゆっくりへと旅立っていった。
こうして、ありすの犠牲によって編み出された必殺の防御法も一瞬にしてその効果を否定された。

「ゆゆっ!やめてね、ゆっくりできないよ!」
「や、やるんなられいむにしてね!まりさはゆっくりしたいよ!」
「どほぢでぞんなごどいうのおおおおおおお!?」

口の中に赤ゆっくりを入れたまま右往左往し始める親ゆっくりを含む成体ゆっくり達。
中には家族や別の個体を犠牲にしてでも自分はゆっくりしようとするものまで現れ始めた。
が、その言葉に従うはずも無く、なまじ目立ってしまったまりさは格好の標的となった。

「ゆびぃ!!?おめめがぁ!までぃざのおべべがぁ!?」
「いだいいいいいいい!でいむぅ、だずげでええええええ!?」
「・・・ゆっくりできないまりさはゆっくりしんでね!」

裏切り者の末路は得てして惨めなものである。
まりさもまた例に漏れず、仲間からの冷たい視線を一身に浴びながら苦痛の中で皮を抉られ、餡子を引きずり出される。
つぶらな瞳は潰され、柔らかい頬には穴が開き、髪はいたるところで千切れた目も当てられない姿になり、彼女は朽ち果てた。

「もっぢょ・・・ゆ゛っ・・・」
「ゆふんっ!まりさが、ゆびふぅぅううぶぶぶぶぶ!?」
「「「ゆう、おきゃーしゃん?」」」

まりさに裏切られたれいむの口の中には3匹もの赤ゆっくりがいるらしい。
必死に身をよじって穴を開けられないように抵抗している。
が、そんな事をして何がどうなるということも無く・・・

「ゆぶぅ!やべでええええ!お、おぢびぢゃ・・・!?」
「「「ゆぴゅうううううううう・・・ガボガボガボ」」」
「もっど、ゆっぐぢ・・・ったよ」

れいむの断末魔を引き金に、周囲にいたゆっくり達が我が子を口に含んだまま必死の形相で逃げ始めた。
勿論、逃げられるはずもないのだが。
まずは近くにいたみょんにノズルを向け、放水を浴びせた。

「み゛ぉ!?ぢ、ぢぢぢ・・・ぢぢぢ・・・!」
「「ちっ、ちーんぴょ!?」」
「ゆゆっ!ありすのだーりんにひどいことしないでね!いたがってるでしょ!?」

すると、あらん限りの勇気を振り絞って1匹のありすがこちらに向かって抗議の声を上げた。
どうやらみょんのつがいらしい。
彼女のほうも赤ゆっくりを匿っており、喋るたびに中にいる赤ありす3匹の姿が見え隠れしている。

「ゆっくりしないとありすおこ、ゆぶぅ!?」

彼女の言うとおりにみょんへの放水を止める。
代わりに間抜けにもこちらを向いて大口を開けて文句を垂れるありす目掛けて発射。
放たれた水は恐ろしいほど的確に彼女の口内の赤ゆっくりを貫いた。

「「「ゆぴゃっ!?」」」
「ゆ゛え゛ぇえ゛ぇええぇ・・・あ、あぢすのあがぢゃ・・・?」

口内に強烈な放水を浴びせられたありすはえづき、思わず水を吐き出す。
そして、水と一緒に吐き出されたものを見て愕然となった。
直撃を受けた1匹はすでに原形をとどめておらず、皮の大部分が溶けた姿で白目を剥く赤ゆっくり2匹。

「「もっど・・・ゆびぃ!?」」
「あ、あ・・・あがぢゃああああああん!」

断末魔の言葉を口にすることさえ叶わず、残りの2匹も水圧に潰された。
絶句するありすを無視して再びみょんにジェットノズルを向ける。
先ほどのダメージが残っていて身動きの取れないみょんは容易く直撃を受け、後頭部に大きな穴を開けられた。

「びっぐ、まらぁ・・・」
「「ぢんっ!?」」

親に穴を開けてしまえば中の子どもに害が及ぶのはあっと言う間である。
ずっとゆっくりしてしまった赤みょんは穴が開いてから10秒と待たずにそこから流れ出してきた。
勿論、穴を開けられた親みょんもすでに絶命している。

「ゆっぐ・・・あでぃずのあがぢゃ、びゅ!?」
「ゆぶぅ!ゆぶぶぶ~~~・・・!?」

つがいの死を目の当たりにしていい加減見飽きた悲嘆にくれる表情を浮かべるありす。
彼女を何の感慨も無くさっさと始末すると、再び対抗手段を失ったゆっくり達の阿鼻叫喚が策の中に轟いた。
必死に土を掘って地中に逃げようとするまりさ、口内から子どもを吐き出し、逃げるように訴えるれいむ。

「もうやぢゃああああああ!・・・・・・・・・ゆゆっ!やめちぇね!れーみゅゆっきゅちちちゃいよ!」
「ゆゆっ!おかーしゃん、どうちたの!?」
「にゃにいっちぇるの?れーみゅ、おねーしゃんたちのおきゃーしゃんなんきゃじゃにゃいよ!」

中には恐怖のあまりに幼児退行を起こすものの姿まであった。
が、ゆっくり達がどうしようとこちらのやることはただひとつ、ひたすら虐殺するだけだ。
土に潜ったものも、必死に柵に体当たりするものも、必死に逃げる赤ゆっくりも。
皆等しく流水の弾丸でずっとゆっくりさせる。

「ゆびゅ!?」
「ゆぴゃ!?」
「ゆえーん、おきゃーしゃん!きょわいいいいいいい!?」

まずは親ゆっくりの口から吐き出され、逃げ惑う赤れいむと子まりさを撃ち抜いた。
赤れいむは一瞬にして飛び散り、子まりさも一瞬にして絶命した。
そんな光景を見せ付けられた赤まりさはその場にうずくまって泣き叫ぶ。

「ゆゆっ!まぢざのおぢびぢゃん!ゆっぐぢまっででね!?」
「ゆえーん!ゆえーーん!」
「ゆっくりたずげ、ゆぶぅ!?」

どうあがいても無駄だというのに、まだ生存率の高そうな口内に赤まりさを戻そうと彼女の元へ跳ねてゆくまりさ。
しかし、跳躍した瞬間に彼女の横っ面を打ち付けた流水がそれを許さず、頭から地面へと落下した。
こうなってしまったゆっくりが自力で起き上がるの非常に困難。

「おきゃああああぢゃああああん!ゆっきゅぢぃぃぃぃ!?」
「おちびぢゃん!ゆっぐぢ!ゆっぐぢぢでいっでね!」
「ゆっぎゅぢぢえいっぢぇ・・・!?」

そんな有様になってもまりさは我が子を安心させようと叫ぶが、それがこちらの嗜虐心に火をつけてしまった。
ジェットノズルの標的となった赤まりさは水の弾丸に貫かれて帽子だけ残して弾け飛ぶ。
まりさはその瞬間をただ口を開けて見守ることしか出来なかった。

「ゆあ゛ああ゛あああ゛あああ゛あ゛あああ゛あ!?」

絶叫するまりさ。しかし、逆立ちの格好のままでは何もすることが出来ない。
その無様な姿のままあえて彼女を放置し、他の赤ゆっくりや子ゆっくりに狙いを定める。
母に頬ずりを求める赤ありす、地団駄を踏む子まりさ、その場で泣き叫ぶ赤みょん。

「ゆぴゃっ!?」
「ゆぎゅん!?」
「ぺに゛っぢゅ!?」

子れいむの頭部が消し飛び、赤ちぇんの下半身が粉々になり、子ぱちゅりーの顔の中心に大穴が開く。
赤ぱちゅりーや子ちぇんや子みょんの破片は宙を舞い、柵内の地面を色鮮やかに染め上げてゆく。
立ちはだかる親れいむを貫通した勢いで後ろの子れいむと子まりさがぐちゃぐちゃに潰される。

「ゆびぃ!?」「ゆ゛っ・・・」
「わきゃだだ、いびゅ・・・」「むぎゅ!」
「ぷくうううううう!ゆびぃ!いぢゃいいいいいい、ゆ゛ぐ・・・!」
「「ゆびぇ!?」」

あっと言う間に9匹。
それはもはや虐殺すらなく、ただ無感動な処分という単純労働。
少なくとも新しい虐殺道具を持ち出されるまで、彼女達には殺される権利すら存在しないのだ。

「「ゆぴぇ!?」」
「びゅぅ!?」「ゆげぇっ!」
「ゆぎゅん!」「むぎゅん・・・」

寄り添って震える子ありすの姉妹、必死に逃げ惑う赤まりさ。
妹を守ろうとする子れいむ、守られていた赤ありす、ただ震えるばかりの赤ぱちゅりー。
以上の6匹を粉砕したところでノズルを外し、次の道具を取りに行った。

「ゆっぐ・・・ゆっぎゅぢでぎにゃいよー」
「おきゃーぢゃあああん・・・どきょー?」
「ゆっぐ・・・もうやだ、おうぢがえる゛!」

加速する殺戮の嵐の前では流石のゆっくりも今回ばかりはゆっくりすることが出来なかった。



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最終更新:2022年05月21日 22:03