• 「 」はゆっくり、『 』は人間のセリフです。
  • 独自設定があります。



まりさは、公園の一角で暮らす野良ゆだ。
近くの群れとは、とある件で関係が悪くなったことから、公園の外れでひっそりと暮らしていた。
まりさとしては、群れとは無関係の存在であるが、人間にそれが通用するわけではなく…

「いっせいくじょだあああ!」「ゆんやあああ! たすけてえええ!!」
「おうちかえるぅうう!!」
「ごべんなざいぃいいい!!」
「もうしませんからぁっ!!」
「おねがいしますぅううっ!!」

公園の向こう側から群れの連中の叫び声が聞こえた。まりさは、群れとは無関係なので知らん顔をしていたが、群れから追放されてたでいぶが人間に連れていかれるのを目撃して、どうやらただ事ではないことに気づいた。
「まりさはこのこうえんからたびだつのぜ。ゆっくりかけぬけるよ!!」
まりさは韋駄天の如く公園内を突き進む。実際は1メートルを何分もかけてのらりくらりしているだけであるが、まりさとしては必死の逃避行である。
しかし、公園の出口まであと少し(実際はだいぶ遠い)というところで、目の前に立ち塞がった者がいた。
その者は全身に白い粉を被っており、帽子には餡子が入っていた。
そして、まりさをギロリと見据えるとこう言った。
「おちびちゃんたち!!ゆっくりたいじするよ!」そう言うと、まりさに襲いかかってきた。まりさは一瞬驚いたものの、この者と戦うことに決めた。なぜなら、この者に勝てる自信があったからだ。
まりさが戦闘態勢に入ると同時に、相手も同じ行動をとった。すなわち、互いに体当たりを仕掛けたのである。
結果は、まりさの勝利…なわけもなく、まりさは吹っ飛ばされた。
まりさが地面に倒れると、相手はまりさを踏みつけながら言った。

「ゆっ!たいしたことないまりさだね!らくしょうっ!だったよ!!」そう言って、相手は嘲笑した。
まりさはその言葉を聞いて、自分が負けたことを理解したが、同時に、なぜ負けてしまったのかもわかっていた。
相手は、体が小さい割には体重があるようで、まりさを押しつぶすように踏みつけたのだ。
それに全身に得体の知れない粉をまとっており、なぜか餡子入りの帽子までかぶっている。
これでは勝てるわけはない。だが、まりさはそんなことは気にしていなかった。
まりさにとって、勝敗などどうでもよかった。大事なのは自分の誇りを守ることだからである。
まりさは起き上がり、相手に言い放った。
ーーーーーー まりさの言葉を聞いた相手は、首(笑)を傾けてこう言った。
「なにをいってるのかよくわからないよ!なるしーなまりさはとっととしんでね!いますぐでいいよ!」この言葉を聞き、まりさの怒りが爆発した。
まりさは相手が喋ってる間に、自分の体を潰されないよう気をつけつつ、相手を跳ね飛ばした。
相手は予想外にも吹っ飛び、地面を転がっていった。
まりさは勝利を確信し、吹っ飛んだ方向に向かった。
「まりさのまけじゃないんだぜ。おまえのほうがさきにまけたのぜ」まりさは勝ち誇った顔でそう言った。
「ぐずめぇ……」相手は怒り心頭といった様子で立ち上がろうとしたが、まりさはそれを制した。
「ゆぷぷ…このまりささまにおまえごときがかてるわけがないのぜ。とっととしぬのぜ」
そして、まりさは相手を潰そうと飛び上がり、そして永遠にゆっくりした。
「ゆ”っ”…」まりさは最後に何か言おうとしたようだったが、相手の耳には届かなかった。
こうしてまりさとの死闘に勝利した謎の饅頭は、戦利品としてまりさの死体を持ち帰ろうと、まりさの死骸に触れた瞬間、異変が起きた。
突然、まりさの体が光に包まれたかと思うと、その光が収まった時には、まりさは消えていた。
代わりにそこには餡子の塊が落ちているだけであった。
「ゆっ!?おいしそうなあまあまさんがあるよ!これでおちびちゃんもぽんぽんいっぱいだね!」
そしてあまあまを帽子に入れて公園を駆け抜けようとしたソレは一瞬にして爆散した。


(数分後、公園浄化中の加工所職員の会話)

『なんだこの白い塊は』
『ああ、それは白ゆカビだ。最近見つかった新種らしいが…結構厄介だぞ』
『人間にも悪影響あるんですか?』
『直接の害はないが、感染したゆっくりが爆散したり、発光したりと散々だからな。しかも、死ぬ直前まで普通に動き回れるのが厄介だ。研究部門で対策を練ってるらしいが』
『なんだかめんどくさいですね』
『騒いでもめんどくさいし、死んでもめんどくさい。迷惑なやつらだよ全く』

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最終更新:2022年05月01日 14:48