おでんとからし ~おでん~」の続きです。

あいもかわらず、前半かなりグダグダと前置きが続きます。
 ▲■●-をしおりにしておきましたので、
 とりあえず痛い目に遭うゆっくりが見たい方は後半の▲■●-からご覧ください。

作者は元ネタの知識も無く、設定等適当なところがあります。
 また、もしかすると過去の作品とネタが被っているところがあるかもしれません、
 すいません、ご了承ください。




▲■●-「おでんとからし ~からし~」▲■●-


自らの視界に広がる光景、ここが己の部屋だと信じる事ができなかった。
散乱する"餡かけおでん"に混じって、呻き声をあげる子ゆっくり達。
卓袱台の上では親れいむが頭から餡子を流し泡を吹いて気絶していた。
ふと、その傍のからしの入った小鉢が目に入る。
この惨状の中で、からしの黄色が一際鮮やかに目に焼きついた。
そして先程届いた小包を思い出す。
小包は居間の端に置かれ、この惨状を免れていた。
こいつは・・・。私の脳裏に一つの考えが過ぎる。
しかしその考えを実行する前に、まずは部屋を片付けなければならない。

とりあえず片づけを終えたが、居間の畳の何枚かは張り替えねばならないだろう。
卓袱台の横には息も絶え絶えのゆっくり親子が並べられていた。
私は座り、小包を開けた。
中には「ゆっくり観察用透明な箱 入門セット」とラベルが貼られた透明な箱が入っていた。
先日ネットを眺めていると「ゆっくりいたずらフォーラム」などというフォーラムを見つけた。
そこにはあらゆる方法で可愛がられるゆっくり達の様子が紹介されており、
興味を持った私もさっそく「透明な箱の入門セット」を注文していたのだ。
包装を破り、中身を確認する。
中にはゆっくり専用の麻酔注射と、蓋を固定する為の瞬間接着剤が封入されていった。
さっそく麻酔注射をとり、親れいむの頬に突き刺す。

「ゆ゛ぐ・・・」

かすかに親れいむの呻き声が聞こえる。
子ゆっくり達にも同様に、残りの麻酔を注射してやる。
説明書によれば1、2時間は目を覚まさなくなるとある。
ふと私は空腹感に襲われた。そうだ、せっかく作ったおでんを味わう事ができなかったのだ・・・。
腸の煮えくり返る思いをしながらも私はコンビニに向かった。

「さて・・・。」
コンビニで買ってきたおにぎりを食べ終え、私は準備を始めようと立ち上がった。
洗面所からはバケツを、そして奥の部屋から買い溜めしておいた粉からしの缶を3缶もってくる。
台所に立ち、私のお仕置き計画が始まった。
流し台に置いたバケツに粉からしの粉を全部放り込む。そこに水を注ぎ込み、へらでよくかき混ぜる。
いくら"からし愛好家"の私とはいえ、これだけ大量のからしを作るのは初めてだった。
バケツの中からつーんと鼻をつく香りがする。
さすがにこれは・・・。あまりの匂いと刺激に涙まで出てきてしまった。
私は鼻と口を覆うようにタオルを巻き、作業を続けた。
少し粘度が高かったため、さらに水を加える。今回は普段よりも"ゆるめ"に溶かなければならない。
きちんと全体に水分が回るようかき混ぜる。粉からしは水と反応する事で辛さの成分が発生するのだ。
これでよし。
バケツの中にはドロドロのからしシェイクが出来上がっていた。

私は居間からゆっくり親子と透明な箱を持ってきた。
透明な箱は1辺30cmの正立方体で、何の曇りもなく作られていた。
私はその中に親れいむを入れ、その上から四隅を埋めるように4匹の子ゆっくりを敷き詰める。
幸いにもサイズはピッタリで、これなら中で暴れることも出来ないだろう。
ゆっくり達の口を半開きにしておき、そして、その上から先程作った大量のからしを流し込んでいく。
やがて親れいむの口が黄色い液体の下に完全に隠れた。
その時、親れいむの体がビクっと動いた。
麻酔が解けてしまったかと危惧したが、動きはそれだけだった。
おそらく親れいむの体が危険を察知し、反応を起こしただけだろう。麻酔の効いた体ではどうしようもない。
私はへらの先を隙間に突っ込み、からしが全体に行き渡るよう動かした。

再びからしを流し込む。
穴という穴からゆっくり達の体内にからしの液が流れ込んで行く。
そして、ゆっくり親子は完全にからしの水面下に没した。
ちょうど親子が水没したところで、箱の容量も一杯だった。
親れいむの美しい黒髪が何本か浮かんでいたのでへらの先できちんと沈める。

私は箱の蓋に付属の瞬間接着剤を塗り、慎重に閉じた。
からしの黄色い水面がぴっちりと密着し、気泡の一つも無く箱は密封された。
数分おいて、蓋の固定が完了した事を確かめた私はその箱を居間へと運んだ。
そして卓袱台の上に新聞紙を敷き、できあがったそれを置いた。
まだゆっくり達の覚醒には時間がある。私はテレビをつけて横になる。
卓袱台の上では、物言わぬ只の"黄色い箱"が目覚めの時を待っていた。


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20分ほど経っただろうか、私はスルメを咥えながらテレビを眺めていた。

ガタッ...

卓袱台の上で何かが音を立てた。うるさいテレビの電源を切る。
私はついに自分の作品が完成したことを理解した。
卓袱台の上ではゆっくり親子とからしを詰め込んだ黄色い箱が不規則に震えている。

ガタッ......カタカタ............カタ.............カタカタ........ガタンッ,,,,,,,,

黄色い箱は小刻みに震えはするものの、それ以上の事はできない。
不快な奇声を上げるでもなく、室内を暴れまわる事もなく、餡子を撒き散らすこともなかった。
その黄色い箱は、只々不規則的に震えていた。

カタカタ..............カタ.......カタ............ガタンッ....カタ..........ガタン.........カタカタ......

中のゆっくり達がどうな地獄を味わっているのか、考えるだけでもゾクゾクする。


~数分前 箱の中~

まだゆっくり達は完全に覚醒していなかった。
親れいむは頭に残る痛みに、意識を取り戻そうとしていた。

「(ゆぐ・・・)」

頭がギンギンと痛む。
親れいむの神経が機能を回復したその瞬間・・・。

「(ゆふっ?!!!!!!!!!)」

親れいむは口の中に強烈な辛味を感じ、そしてその刺激は一気に脳天にまで突き抜けた。

「(げきか゛らびひい゛い゛い゛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!)」

もはやそれは「辛い」などという味覚ではなかった。
声を上げようにも口の中にはからしが詰め込まれ、さらに突き刺す痛みの為話すことができない。
あまりの痛みに親れいむは瞼を開いた。目の前は一面黄色の世界だった。
だが目の前にあるその色が黄色である事を理解したが最後、強烈な痛みが両目を襲い眼球の表面を焼いた。

「(め゛がぁぁぁ!!べぎゃあ゛っぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!)」

とっさに親れいむは瞼を閉じた。眼球の表面を保護する為、生物として当然の反応だった。
だがそれが親れいむをさらなる地獄へと引きずり込んだ。
眼球の表面に付いたからしが瞼の奥まで入り込んでしまったのだ。

「(ひぎぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

痛みに耐え切れず再び瞼を開く。そしてまた焼け付くような痛み。
痛みの原因を取り除こうと、親れいむの餡子脳はまばたきを絶え間なく行おうとする。
まばたきをすればするほど、からしが瞼の奥に入り込み痛さは増すばかりだった。

「(ふびっ!!!ぎひっ!!!!ぎ!!びぎひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ)」

この状況を脱しようと飛び跳ねようとするがそれも叶わない。
全身から汗、涙、よだれ、あらゆる体液が噴出する。が、それと入れ替えにからしの液が親れいむの体に浸透してくる。
からしは親れいむの生殖器からも侵入した。

「(ぎゃぁん!!びびぃん!!ぎびびぃんっびびひひぃぃん!!!!)」

その痛みは敏感な親れいむのアソコの感覚も完全に破壊した。

「(いばぎ!!ぶぐぎがじゃ!!ごぼばごげべぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!)」

全身から伝わる数多の痛みに、親れいむの餡子脳も情報を処理しきれなくなっていた。
もはや思考の中でも言語を扱うことはできなくない。

親れいむに遅れて数分後、子ゆっくり達も意識を取り戻す。
からしは元々、神経痛、リューマチ、捻挫などに効く塗り薬としても機能した。
だが火傷には効かなかった。
全身の突き刺さる激しい痛みに目を覚ました子ゆっくり達は(以下略

ゆっくり親子は体内の餡子を消耗しきるまでこの地獄から逃れることはできなかった。


私は中の惨状をいろいろと想像しながら、黄色い箱をニヤニヤ眺めていた。
するとだんだんとその黄色い箱が可愛く見えてきた。
見た目は無機質な黄色い正立方体だが、置物とは違い、命を感じさせる程度にだけ不規則的に震えた。実際中身は生きていたが。
ペットのように部屋の中を走り回ったりもせず、時々でいいから思い出して欲しいと言ってるかのようにカタカタと震える。
私は黄色い箱をもって玄関に向かった。そしてそれを下駄箱の上の花瓶の横に飾ってみた。
なかなかおしゃれだな。と携帯のカメラで撮影してみる。

..カタカタ.......カタ............パシャッ!

うんかわいい。
私は黄色い箱をもって家のあちこちで撮影した。今度ネットのフォーラムに投稿してみよう。

居間に戻り、黄色い箱を卓袱台の上に置いたその時だった。
ガタガタッ....っと大きく震えたかと思うと、ブシュッ!!!!と音を立てて蓋の隙間から少量のからしが噴き出した。
接着剤の塗り方が甘かったのだろうか、隙間からはからしが滲み出ている。
中ではゆっくり親子が必死に飛び出そうと、膨大な圧力が発生しているのだろう。
ふと"ちくわまりさ"の事を思い出す。まさかあの子が中から・・・。
いやいや、体内を焼き尽くされたあの子にそんな肺活量が残っているはずが無い。
私は滲み出ているからしをふき取り、接着剤を注入して隙間を塞いだ。

そろそろ私も眠くなってきた。私は片付けをしたあと、ついでに風呂も済ませた。
そして私は黄色い箱を縁の下に出した。さすがに睡眠中にカタカタいわれてはたまらない。
気がつけば随分と寒くなっていた。お忘れだろうが季節はもうすぐ冬を迎える。
私は戸を閉め切り、ようやく床に就いた。


それから2、3日部屋の片隅に黄色い箱を飾っていたが、カタカタと止む事の無い振動にだんだんと苛立ちを覚え始めていた。
いい加減かわいそうだし、帰してやるか・・・。
そうしてある日、私は黄色い箱を持って森に出かけた。
しばらく森の奥へと進んでゆくと、10匹ほどのゆっくり達が群れているのが見えた。

「やあ君達。」
「ゆゆ!?」
「お、おにいさん誰?ゆっくりできる人?」
「ここはまりさ達の森だよ。勝手に入っちゃだめなんだぜ!」

話しかけられてやっとこちらに気づくとは。どうしてこいつらが自然の中で生き残れているのか不思議でならない。

「いやいや、君達にプレゼントがあるんだ。」
「ぷれぜんと!!」
「おにいさんお菓子をいっぱい置いていってね」

踏み潰したくなる衝動を抑えて、私は黄色い箱をゆっくり達の前に置いた。

「お菓子は持ってないけど、これをあげるよ。」
「ゆ?なにそれ、おいしいの?」
「ひやかしならおとなしく帰るんだぜ」
「いやいや、よく見てごらん。」

すると黄色い箱が........カタカタ....カタ....と震えた。

「ゆゆ!?この箱生きてるよ!!」
「なんだかこの箱おかしいよ」
「はは、不思議だろ?転がしてみるともっと楽しいよ。」

そういうと私は黄色い箱を軽く転がしてみせた。転がった箱をじっと見つめるゆっくり達。

..........ガタガタッ..

黄色い箱が先程よりも大きく震えた。

「ゆゆっ!!なんだかおもしろそうなんだぜ。」

1匹のまりさが黄色い箱に跳びかかった。まりさに弾き飛ばされ、転がる箱。
転がり終わると少し沈黙した後・・・。

.........ガタガタガタッ!.....カタカタ.....

「ゆー!とってもおもしろいんだぜ!!」
「れいむにもやれせてよー!」
「まりしゃもけりたいー!」
「とてもゆっくりできそう!」

何が面白いんだろう。

「とっても気に入ったんだぜ。」
「気に入ってもらえてうれしいよ。ゆっくり大事にしてね。それじゃあ、おにいさんはもう帰るよ。」
「ゆっくり大事にするよ!」
「おにいさんまた来てね。」
「今度はお菓子も持ってきてね。」

はいはいとそんな言葉を聞き流しつつ、私は森をあとにした。
冬はすぐそこまで来ていた。
黄色い箱よ、ゆっくりしていってね。


▲■●- 終 ▲■●-



あとがき
最近この世界にはまってしまった者です。無駄な文章の羅列ばかりで本当にすみません。
ある日おでんを食べながら「ゆっくりをからしの海に沈めてぇ。」という衝動に駆られ、初SSに挑戦してみました。病気です。
そして書き上がってみれば思いの他の長文になってしまいました。

個人的にゆっくりの自然淘汰、自滅傾向の作品が好きですが、結局制裁物になってしまいました。
他作者様によるゆっくりとその他動物達の生態や自然環境の綿密な描写には、子供の頃図鑑を眺めた時のようにワクワクさせれています。(別の意味も込めて)
この度は読んで頂きありがとうございました。

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最終更新:2022年05月18日 21:21