注意:一部死なない(虐待されない)ゆっくりを含みます
俺はゆっくり種の研究をしている。
一応個人的な研究になるのだろうが、「ゆっくり加工場」という施設で研究結果を高値で買い取ってくれるために最近では設備も整ってきた。
最近では「体つきのゆっくりの種類と繁殖のさせ方」等、指定つきで依頼されることもある。
加工場のほうがそういう研究は進んでいるのかと思ったが、研究科は人手不足で思うように進まないのだという。
最近では・・・そう、捕食種の研究を依頼されることが多い。(数が少ないので研究が進まないのだという)
朝、俺は最近やっとできた助手(研究内容もゆっくりも増えてきたので、一人は何かとキツかった)とともに長期的な環境変化の実験をしているゆっくりの部屋を回る。
"極寒の地、酷暑の地でゆっくりの体にどういう変化が現れるのか"。
どうでもいいことだが、この実験をするための設備は、何にでもよく効く薬を作ってくれる美人の薬師さんにもらったものだ。
対価が「普通と違うゆっくりができたらその都度数匹ゆずる」だったのには面食らったが、まぁそれだけでいいというのだから素直にお言葉に甘えた。
まず極寒の部屋。
ここのゆっくりは普通のゆっくりより一回り大きく、触るとつるつるした感触がある。
しかし持ち上げてみると見た目より軽いのだ。
まず体が大きいのは、皮の部分が内側で何枚かに分かれ、空気の層を作っているからだ。
実験当初は毛皮のようなものができると予想していたのだが、どちらかというと人間の服のような構造に進化したらしい。
つるつるしているのは雪を付着させにくく、重みで移動が困難になるのを防ぐためだろう。
味?
皮はふわふわ、あんこはしまっているのでかなり美味い。
助手も気に入っているようだ。
部屋に入るとゆっくりたちが集まってくる。
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
「「ゆっくりちていってね!」」
「ゆ? このおにーたんはゆっくりできるひと?」
昨日のうちに増えたらしい。このプチゆっくりとは初対面か。
「まぁ、ゆっくりできる人だよ。ほら、お菓子をあげよう」
そういってエサを撒き、個体数や状態(病気、怪我など)を助手にメモさせて部屋を出る。
次は酷暑の部屋だ。
ここのゆっくりは以外にも外見上の変化はあまりない。
ただ触ってみるとその硬さに驚くだろう。
外側の薄皮が硬質化し、水分が逃げないようになっているのだ。
地面に接する部分が特に顕著で、皮の厚みの半分くらいが硬質化し、あんこに地面の熱を伝えにくくしている。
味?
あんこは水分が多めでいろいろ使えそうなのだが・・・
皮がこう、1日素でさらした饅頭のようになっていて、そのまま食うとかなりマズい。
加工場にうってつけの素材だろう。(実際職員たちは喜んでくれた)
「「「ゆっくりしていってね!!」」」
ここで出てくるのは成体のゆっくりだけで、幼生は1匹もいない。
生まれたばかりのゆっくりは皮がやわらかめで、外に長時間いると脱水症状を起こしてしまうのだ。
なのでプチたちは地中深く掘られた巣穴から出ず、お母さんやお姉さんの持ってくるエサを騒がずゆっくりと待っているのだ。
こういった行動様式がちゃんと確立されているあたり、野生動物(?)としては(少なくとも進化の方向性としては)合格ラインだろう。
「よしよし。ほら、飯だぞ。」
そういってエサを撒くのだが、ここでも面白い変化を見ることができる。
クッキーやパンなど、水分のないエサには目もくれず、野菜やクリーム系などの水分の多いものに寄っていくのだ。
そして食べ終わった後に残ったものをくわえて行き、巣の中の地下水があふれている所にひたしてからやっと食べる。
その場で食べて万が一にも水分不足にならないためだろう。
同じ理由だと思うが、こいつらが交尾するのも決まって水場の近くだ。
やはり厳しい環境で生き残るための知恵なのだろう、極寒、酷暑ともに普通のゆっくりでは考えられないような知恵と絆を見せてくれる。
俺はゆっくり達の状態を確かめ、助手にメモさせて部屋を出た。
廊下を歩いていると、庭で観察しているゆっくりのことを思い出し、助手に尋ねる。
「そういえば庭のあいつはどうしている? まだ大きくなっているか?」
助手がうなずいたのを見て、庭に行ってみることにする。
庭には巨大なゆっくりゆゆこがいる。
"理想の環境でゆっくりはどこまで大きくなるのか"という研究の実験体の1つだ。
最初は部屋の中で飼っていたのだが、大きくなりすぎて庭に出したのだが・・・。
- 2週間ぶりに見るゆっくりゆゆこは2メートル50を超えていた。
もはや狙ってきたカラスやフクロウなども食べてしまうらしい。
「ゆー?おにーさん、おはよー」
ずっと普通に話しかけていたら、「こぼね」以外の言葉もしゃべるようになった。
生態はまったく変わらないようなのでゆゆこに挨拶をしてそのまま次の部屋へ向かった。(正直少し威圧されていた)
昼食をとった後、予定通りゆっくりブリーダーの人が訪ねて来た。
"ゆっくりブリーダー"とは、ゆっくりに知性を与え、人間と共存させようと日々努力している人たちだ。
俺もゆっくりの知能を高める研究をしているため、たまに相談に来て情報交換をするのである。
「お邪魔します」
「おじゃまします!ゆっくりさせてね!」
「ゆっくりしていくね!」
「ゆっくりしていってね!」
調教(しつけ)は、ほぼ完全なのが1、半分くらいなのが1、残りの1匹は・・・まだ始めたばかりか?
一方こちらは、
「いらっしゃいませ!お部屋にどうぞ!」
「お部屋でゆっくりしていってくださいね!」
「・・・案内します。こっちにどうぞ」
まぁ幼生のときにあんこの密度を上げる増量剤を使い知識を埋め込んできたから当然だが、ゆっくりパチュリーに至っては口調まで変わってしまった。
茶を沸かし、茶菓子をゆっくりたちに用意させ(菓子はゆっくりではない)、ゆっくりとくつろぐ。
ゆっくり達は語彙も豊富にしゃべくりあっている(会話が続く分普通よりうるさい・・・)。
と、そこへ
「大変だ!! うちの畑とゆっくりがあんたのゆっくりで・・・!!」
ふもとの農家のおっさんが駆け込んできた。
要点はこうだ。
この人はゆっくりが比較的好きで、ブリーダーの人にゆっくりをもらい、ともに畑を耕しともに生活していたのだが、
最近畑にちょっかいを出していたゆっくりたちが集団で襲ってきて、畑のゆっくりとたまたま近くを通りかかったうちのゆっくり(お使いに出していた)が応戦。
しかし数に負け、押されつつあるというのだ。
他の家にも救援を頼むため子供を向かわせたが、1件1件が遠いため時間がかかるという。
せっかく知能、体力面で徹底的に強化したゆっくり達に死なれては困るので、俺は助手を連れて速攻でふもとまで向かった。
畑はひどい有様だった。
ただでさえゆっくりたちが食い散らかしている上に、その上で乱闘しているのだから当然だ。
「ゆっくりしないやつはゆっくりしね!」
「こ・・・ここはゆっくりたちとおじさんのはたけだよ・・・おじさんのおやさいたべないで・・・」
「これはまりさのおやさいだよ!ゆっくりし・・・うぶぎゅ!」
「ゆっくりやめろ! 早く出てけ!」
「ここは人の畑だよ!ゆっくりでてけ!」
お、うちのゆっくりは生きてるな。
しかし相当疲労しているようで、動きにキレが無い。
この畑のゆっくり達は半数程度やられているようで、おっさんがぼろぼろ泣いている。
「ハフ、これうっめ!」
「むーしゃ、むーしゃ、おやさいよりもおいしいよ!」
「や゛め゛でえ゛え゛ぇぇぇ!!れ゛い゛む゛の゛ごども゛だべな゛い゛でえ゛っぇぇぇぇ」
しかし持ってきた装備の中で広範囲タイプは無差別な噴霧タイプのみだ。
この場で発射するわけには行かないので、入り口にトラップとして仕掛け、畑の中のやつは手作業で排除する。
幸いゆっくりたちの行動パターンは知り尽くしているので、効率的に潰していける。
「おにーさん!ここはれ・・・ぶぎ」
「なにするの!ゆっく・・こぴゃ」
「ゆゆっ。・・・ ゆっくり死んでい・・・げぴょ」
ゆっくりの体構造を調べ上げて完成させた殺傷用鞭だ。面白いように弾け飛ぶ。
バチッ、ブチュッ、バシュッ、パシャッ、ガシュッ、プシャァッ・・・
「ゆ・・・ゆっくりしんでいってね!」
さすがにやばいと認識した数匹が入り口へ向かって逃げ出すが、そこは俺特製の殺ゆっくり剤(すごく言いにくい)の出番だ。
ボシューーーー・・・
「ゆゆっ!」
「ゆ?」
「なんともないよ!はやくにげようね!」
「ゆっ・・・ゆげえ゛え゛ぇぇぇ!!」
「ゆぐっ・・ぎあ゛あ゛あ゛ぁあぁ・・・!」
「ま゛り゛さ゛の゛か゛ら゛だあ゛ぁああぁぁ!!!」
皮もあんこもぐずぐずに溶け、ものすごい表情で地面と同化していく。
「よし、実践でもちゃんと成功だな。」
これはゆっくりのみに作用し、体に付着すれば30秒で発症し、全身を腐らせて溶かす、その名も対ゆっくりパープル・h(自主規制)
「ゆっ。ぬけたよ!おにーさんのばーかばーか!」
霧の薄いところを抜けた数匹が余裕の表情でこちらを挑発している。
- まぁそこを抜けられたとしても、外の地面は技術屋のカッパさん謹製"振動地雷"なるもので泥沼となっているのだが。
「ゆっ!ゆっくりしずんでいくよ!」
「ゆぶっ!ぬけないよ!」
「ゆぐぐぼごぼごぼ・・・・」
内輪もめする暇もなく全部沈んでいく・・・流石と言わざるを得ないな。まさにお値段以上だ。
感心して見ていると、袖を強く引っ張られた。
助手が指差すほうを見ると、野菜の一時保管所でこの畑のプチゆっくり達をかばっているうちのお使い組の1匹、ゆっくりパチュリーが危機に瀕していた。
「・・・ここは通さない。ゆっくりあっち行って」
「あっちいってだってさ。おお、こわいこわい」
明らかに他のと表情が違うゆっくり(俺は長命種と名づけている)がうちのパチュリーを挑発している隙に、同じ長命種のやつが後ろに回りこんでパチュリーに噛り付こうとしている。
やばい!
しかし逃げられないとわかったゆっくりたちが俺に総攻撃を仕掛けてきて思うように走れない!
助手を見ると食い入るようにそちらを凝視している。
こいつに行かせるか!?
しかし今は"食事制限"中・・・!
しかしもう後ろのやつはもう口を開いている!!
仕方ない・・・!
「ちゃんと"区別"できるか!?」
力強くうなずく。
「よし・・行け!」
口を大きく開いてパチュリーの頭を咥えようとしていた長命種が、たぶん向かってくるものを認識する前に粉々になり中を舞う。
「おお!?」
「キャハハハッ♪ ゆっくり死ね!!」
狡猾かつ運動能力上位な長命種だったが、体つきゆっくりフランにかかってはひとたまりもないだろう。
まして、研究を重ねて大幅に改良されているのだ。
もう1匹の長命種にごぼうを3本突き刺し、三脚のようにして立てた後(早贄のつもりだろうか)、フランはまだ畑に点在するゆっくり達に向き直る。
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!いだいいだいいだいいだいいだいいいいいい!!」
ほぉ、長命種があの程度であんな表情をするのか。
よほどの急所を狙って刺したらしい。 ものすごい勢いで泣き喚いている。
フランは・・・おお、全開で暴れ回っている。
齧っては投げ、ちぎっては投げ、足元のゆっくりを踏み潰し、後ろから果敢に飛び掛って来たやつを羽で両断し・・・
ただその性質ゆえか、食い尽くす、即死させるというようなことはあまりなく、嬲って楽しむことを優先させている。
「ゆぎいぃぃっ!れ゛い゛む゛の゛あ゛だま゛あ゛あ゛ぁぁ!!」
「ほっぺがああぁぁあ!!いだいよおおおぉぉぉぉ!!」
「あがあああぁあぁぁ!!あーー!!あーーーー!!!」
家族連れらしいゆっくりに近づき、プチをすべて両手に握りこむ。
「ま゛り゛ざの゛あ゛がぢゃんがえじでえええぇぇぇ!!」
ぐにぐにと手を動かした後、手の中を親ゆっくりに見せるフラン。
器用にも顔を上手に外側に出したあんこおにぎりが出来上がっている。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!まりざのあがぢゃんがああぁぁぁ!!」
親ゆっくりには近くにあった雑草用の鎌を突き刺し、地面へ固定する。。
はたから見るとお地蔵様とお供えのおにぎりのようにも見えるが、お地蔵様の表情はまるで般若のそれだ。
喚き続ける親ゆっくりには興味が失せたのか、早くも次のゆっくりへ向かうフラン。
進行方向にいたうちのゆっくりとこの畑の生き残りをまとめて野菜保管所へ放り込む。
「ゆぶっ!」
「ゆぐぇっ!」
「ゆぎゃっ!」
安全地帯へ送る判断力は買うが、加減なく放り込んだため、全員少々どころではないダメージを被っている。
固まって逃げ回るゆっくりたちの前へ回り込み、1匹を抱き上げる。
「ゆ?たすけてくれるの?ほかのみんなはたべてもいいよ!!」
「ゆっ、ひどいよ!れいむもたすけてね!」
「そいつはたべてもいいから、まりさをたすけてね!」
- うーむ。やはり野生は自己保存本能が何より優先するか。
見ればフランも流石にあきれ返った表情をしている。
「ゆ?・・・ゆががああああぁぁぁっ!!」
抱えていたやつの下あごを踏みつけ、上あごを片手で限界まで開く。
そしてもう1匹をつかみ、その中へねじ込む。
「や、やめてね。ゆっくりやめ・・・うぶっ・・・・」
すっぽりはまり、抜け出すことができない。
ジャストサイズなため、中のゆっくりも口を開くことさえできない状態だ。
「んー!んーーー!!」
「むー!んむぅ~!!」
2匹ともまともに呼吸ができず、死の苦しみを味わっている。
フランはといえば、残りの1匹をかじりながら次へ向かっている。
かなり無駄なことをしているように見えるが、動作が人間並みに速く、しかも飛べるためかなり効率よく駆逐していっている。
こちらもまとわりついてくるやつはあらかた殲滅したため、フランの応援に回る。(手作業の場合、人間より"命令をよく聞く"ゆっくりフランのほうが効率がよかったりする)
畑から(フランの"作品"以外で)生きているゆっくりが消えたころ、他の農家の人も駆けつけてくれたようだ。
「あんた、一人でゆっくりの大群を全滅させたのか!?」
「俺達もみんなで組んで待ち伏せしてやっと駆除したことはあるけど・・・」
「すげぇなぁ・・・」
「いえ、私にはこの殺ゆっくり剤(もう少しいい名前を考えよう)がありましたし、優秀な助手もいますからね」
「助手って・・・これか?」
「ゆっくりじゃねぇか」
「賢くて優秀ですよ・・・この薬は進呈しましょう。もう少し低コストになったら商品化できるかもしれません」
まぁ体つきゆっくりの繁殖の研究時に偶然できたものなのだが、調教(一部拷問)でここまで躾けた。
調教内容は・・・今語る必要はないだろう。
「そうかー。ありがとなゆっくりのお嬢ちゃん。村によく来るゆっくりれみりゃとは大違いだぜ」
「本物?ゆっくりれみりゃって肉まんの形でしか見たことないの」
語彙量が増えない割に、たまに教えてもいない言葉を発するときがある。これもいまだ原因不明の現象だ。
村人たちに感謝され、おっさんとブリーダーさんにまだ生きているゆっくりの治療を頼まれ、怪我をしたゆっくり達の乗った台車を引いて家(兼研究所)に向かう。
ゆっくりフランは久しぶりに暴れられて機嫌がよさそうだが、こっちはひたすらに疲れた。
なお、フランの作った早贄達はゆっくりフランの生態研究用に加工場が買ってくれた。(うちのフランの"作品"では野生種の研究はできないと思うのだが・・・)
畑を立て直す資金として足りるといいのだが・・・
夜。
幸い俺の治療で怪我をしたやつは全員生き延びた。
治療がすべて終わったあと、夕食を助手と一緒にとる。
もうかなり人間としての生活に慣れたようだ。
後は語彙量の少なさをクリアすれば完成といって差し支えないだろう。
短期的な研究の失敗などで死んだゆっくり(の中の死体が使えないやつ)を捕食種に配り、メモを研究冊子にまとめる。
今日は身体的に疲れたな・・・そろそろ寝るか。
まだまだ元気な助手に声をかけ、自室に戻る。
布団の中で、最近来るいろいろな通知のことを思い出す。
Y-1グランプリとやらの出場依頼、薬師さんのところからの実験体譲渡依頼、紅魔館付近の捕食種(主にゆっくりレミリア)の駆除依頼、加工場からの助手の研究依頼・・・
まぁ、今日はゆっくり眠って明日考えよう。
夜何か異変が起こり、助手にたたき起こされないことを祈って俺は眠りについた。
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- 駄文長文申し訳ありません・・・初投稿なのでご勘弁を。
- 読み返してみると、前半いらない子な気がするなぁ・・・
- いろいろな方のネタをパクって詰め込んだ結果がこれだよ!
- 新しいものに挑戦しようとして自爆したというのもあります
- 主人公の感情(ゆっくりへの憎しみ等)があまり現れないのは、ゆっくりを(野生種含めて)研究対象としてしか見ていないからです。
- ゆっくりフランに不満がある方は、サドッ気の高い人間の助手とかで脳内保管お願いします。
最終更新:2022年03月24日 23:52