日差しの強い夏のある日
俺は家で団扇を扇ぎながら冷やしたお茶を飲んでいた
こんな暑い日は冷たいものを飲むに限る

「・・・ごくすずし・・・!」
「ゆ・・・りでき・・・ね!」

ふと外を見ると家の近くにある木の下にゆっくりがいた
れいむ種とまりさ種の二匹、どうやら木陰に涼みにきたようだ
二匹とも木に寄りかかりゆっくりしている
ゆっくりは夏の日差しに弱い、あまり長く日光を浴び出ると中の餡子の水分が蒸発して死んでしまう
ゆえにゆっくりは夏はよく水を飲み、長時間日差しを浴びるような行動を避ける
ちなみにこの時期は川で死ぬゆっくりが急増するらしい
まあ、それは置いておいて、良いいじめの方法を思いついたので早速ゆっくりのところにいった

「やあ、ゆっくりしていってね!」
「「ゆっくりしていってね!」」
「おじさんなにかようなの?まりさたちはゆっくりしてるんだからじゃましないでね!」
「いやあね、今日は暑いからこの木の下でゆっくりしようと思ってね」
「ゆ!ここはれいむたちのひしょちだよ!にんげんはここでゆっくりしないでね!」
「ひどいなぁ、君たちに美味しいものあげるから、邪険にしないでおくれよ」
「ゆっ!おいしいものはやくちょうだい!」

袋に詰めた腐りかけのクズ野菜を切ったものをゆっくりたちに与える
この時期のゆっくりは乾燥した食べ物よりも水分の多い食べ物を好んで食べる・・・らしい
二匹のゆっくりはそれに飛びつく

「「むーしゃ、むーしゃ」」
「「しあわせ~!!」」

なにがむーしゃむーしゃだなんで擬音っぽいものを喋りながら食べるんだよ意味ワカラン
今日みたいな暑い日はよけいにムカつく

「おじさんおいしかったよ!」
「もっとおいしいものちょうだい!これじゃぜんぜんたりないよ!」
「「そうしたらここでゆっくりさせてあげるよ!」」
「・・・じゃあおじさんのおうちにいこうか、そうすれば今の美味しいものが沢山食べられるよ」

常套句でゆっくりたちを誘い出す、9割は誘いに乗る

「おじさんはやくあんないしてね!!」
「れいむたちはたんきなんだよ!!はやくおじさんのおうちにつれていってね!!」
「はっはっはっ、じゃあいこうか」



「ゆっ!ここがおじさんのおうち?」
「そうだよ、ここがおじさんのおうちだよ」
「じゃあ、はやくおいしいものもってきてね!あつかったからゆっくりしたいよ!」
「ちょっとまってね、二匹ともこの箱の中に入ってくれるかい?」

そういって差し出したのはご存知透明箱×2

「ゆっ!?なんでこのなかにはいらなくちゃいけないの!?」
「おじさん!まりさたちをゆっくりできなくするつもりなんでしょ!!」
「おお、鋭いね、でもいまさら気づいても遅いんだよね、これが」

二匹を掴み箱に押し込む
すばやくロック!

「ゆっ!おじさんひどいよ!ここからだしてね!」
「だせーっ!ここからゆっくりだせーっ!」
「我慢してね、いまからすっごくゆっくりさせてあげるよ」

外に出て砂利が敷き詰めてある庭の真ん中にゆっくりを詰めた箱を置く
日光を遮るものは何一つ存在しない

「じゃあ、二匹ともここで思う存分ゆっくりしてね!」
「あ、あづいよ!おひさまのあたらないところにもっでいっでね!!」
「ひざしがつよいよ!!こんなどこじゃゆっぐりでぎないーっ!!」
「そうかなぁ、おじさんはとってもゆっくりしてるよ!」
「「あづいよ”-!!!」」
「じゃあおじさんはおうちの中でゆっくりしてるからね!遠慮しないで暖かいお日様に当たりながらゆっくりしていってね!」
「お、おじざんまっでー!!」
「だじでぇぇぇ!!!」

太陽は今、丁度頭上に来ている
じりじりと照りつける日光にいつまで耐えられるかねぇ

「「あぢゅいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!」」
「まりざぁぁ!!だずげでえええ!!ごのままじゃしんじゃうぅぅ!!!」
「れいむ”ぅぅ!!だべだよ!!ごのはごあがないよ!!!」
「ああああ!!ひがらびちゃうよぉぉぉ!!おがあざーん!!だずげでよー!!」
「だれかだずげでええ!!!まりざだぢをだずげでええぇぇ!!」

いい声で鳴くなぁ、胸がスッとする
最高の清涼剤だ
俺は横になって悲鳴を聞きながら昼寝を始めた



幻想郷の夕日はとても綺麗だ
空はどこまでも赤く染まっている
そういえば、ゆっくりたちの悲鳴が聞こえなくなったな
まさかもう死んだか?

「お”、お”びず・・・」
「ゆ”っぐりじだい・・・」

おお、まだ生きてた

「お、おじざん”・・・おねがいじまず!おびずぐだざい”!」
「ゆっぐり・・・おびず・・・ゆっぐり・・・でぎない”・・・」

随分干乾びてる
このまま死なれてもつまらんので箱の中にたらいでもってきた水を入れてやると、勢いよく飲み始める

「・・・!う”め”!おびずめっち”ゃ”うめ!!」
「おびず・・・!おびぃずぅぅ!!」
「ゆっくり飲んでね!」
「ゆっくりいぎがえるよ”ーっ!」
「すっぎりぃぃー!」

そのまま水の流し込み続ける
飲みきれないので箱の中に水が溜まる

「・・・!おじざんみずおおすぎるよ”!もうじゅうぶんだよ!」
「ゆっく”りやべでえええ!!みずのみぎれない”ぃぃ!!」
「早く箱の中の水を飲みきらないと、ふやけて死んじゃうよ?ゆっくり早く飲みきってね!」

再び窮地に陥る二匹
先ほどはほしくて仕方が無かった水が今度は自分たちの脅威となっている

「「んぐ!んぐ!」」

ひたすら水を飲むゆっくり
自分たちの体積以上の水を飲み干した
毎度思うが、いったいどうなってるんだこいつら・・・

「おじざん!もうまりざだぢはおうぢにがえるよ!」
「はやぐここからだじでね!ゆっくりがえるよ!」
「駄目だよ!二人には死ぬまでおじさんのおうちでゆっくりしていってもらうからね!」
「「ぞんな”あああ!!」」

「だ、だじでぐれないなら!せめてたべものちょうだいね!れいむたちおひるからなにもたべてないんだよ!」
「そういえばそうだよ”!おじざんおいしいたべものをちょうだいね!」
「残念だけどおじさんのおうちには君たちにあげる食べ物は何も無いよ!」
「ゆ”っ!じゃあどうずればいいの”!」
「そこでゆっくり餓死してね!」
「なんでえぇぇ!!ゆっぐり”じにだぐないよおぉぉ!!」

「おじざん!れいむだぢあやまるからゆるじでよ!!」
「謝るって言われてもなあ、二人は何も悪いことしてないでしょ?」
「そうだよ!まりさだぢなにもわるいごどじでないのに”ひどいこどずる”おじざんはゆっぐりじね!」

「おじざんどうじだらだじでぐれるのおおおお!!」

「死んだら外に出してあげるよ」

「「う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」」



二匹のゆっくりはその後も庭の真ん中に置かれっぱなしだ

「あぢゅいよおおおお!!!」
「だれがだずげでええええ!!!」

よりによって連日快晴が続いた
日が落ちるとおじさんがやってきて大量の水を与えられる

「ごんなにおびずい”らな”いよ!がぼがぼ・・・」
「ごんなにのべないぃぃぃ・・・んぐんぐ・・・」

しかし食事は一切与えられなかったため二匹は日に日に衰弱していった

地獄は五日目で終わった
ゆっくりまりさはカンカンと照る日差しに耐えられず干からびて死んだ
ゆっくりれいむは生きていたが目は虚ろでまりさの死に気づいていないようだった
その後に与えられた水を飲みきれずふやけて死んだ




ゆっくりさせられた結果がこれだよ!

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最終更新:2022年05月03日 18:20