注意書き
グロイ描写があります。
虐めもありますが実験の描写の方が長いです。
ゆっくりを効率的に全滅させるには。
なんともぽかぽかと陽気のいいある日のこと。
森では様々な動物、虫、植物などがのんびりとしていた。
そうご多分に漏れず例の生物も・・・
「ゆぅ〜♪とってもゆっくりしたたいようさんだね!!ゆっくりしていってね!!!」
「「「「「ゆっくちちていってね!!!!」」」」」
そうゆっくり達だ。
どうやら親子、れいむ種とまりさ種の赤ゆっくり、それとれいむ種の親が一匹、片親か?
どうせ幼い赤ちゃんにこのゆっくりした外の世界を見せたい・・・などと思っているんだろう。
正直あの間の抜けた顔を見るだけで踏み潰したくなるのだが今回はとある用があるので我慢せねばならない。
用と言うのは他でもない。どこぞの研究者が適当なゆっくりの群にあることをしてほしいとの依頼が研究所に程近い我が村に舞い込んだからだ。
そこで村でもゆっくりに詳しい俺こと虐待おにいさんが選ばれたと言うわけだ。
と言っても別に面倒なわけでもない、いつも虐待用に捕獲にいくゆっくりの群の場所は目をつぶったって行けるし
やることもなにやら怪しげな瓶に入った怪しげな粉を群に属しているゆっくりにこすり付けるだけというもの。
それでそこそこの金がもらえるのだからいい事ずくめだ。
唯一気に入らなかったのはできるだけ群のゆっくりを殺さないことというのが条件にあったことくらいだろう。
実はこの一家を見つけるまでにすでに二家族ほど踏み潰してしまっているのだが・・・
まぁできるだけということだし誰が見ているわけでもないのでよしとする。
ここの群は外敵が少ないことから自分達より強いものの存在を知らない個体が多くなめた口を叩くゆっくりが多い。
具体的に言うと
「ゆ!おじさん!ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ!!さっさとでていってね!!あとおかしをおいていってね!!」
「しょうだよ!!はやきゅでていっちぇにぇ!!あちょおかちをおいちぇいっちぇね!!」
「はやきゅしちぇにぇ!!きゃわいいれいみゅたちをまたしぇるなんちぇばきゃにゃにょ?しにゅにょ?」
「にょりょま!!きゅじゅ!!まりしゃをおきょらしぇるにゃんちぇおお、おりょきゃ、おりょきゃ。」
等の台詞を吐いてくる。コレが潰さずにおれまいか!!
- まぁそんなわけで虐待にはちょうどいいが捕獲となるとめんどくさいのだ。
さて、このまま出て行っては前の二家族と同じことになってしまう。
仕方ない、これだけは使いたくなかったが。
ぱっぱらぱっぱぱ〜ぱ〜ぱ〜
み〜み〜せ〜ん〜
う〜ふ〜ふ〜、
の○太くん、これはねただの耳栓なんだ!
そう、こういうときのために用意していたのをさっき思い出したのだ。
では早速、
キュッキュッキュ・・・
よし、何も聞こえない。さっさと仕事に取り掛かろう。手袋をはめ瓶を取り出す。
そしてさっきから潜んでいた茂みから飛び出す俺。
ゆっくりどもはなにやら叫んでいるようだがさっぱりわからん。
だが親のれいむが飛び掛ってきてウザかったので蹴ってその辺の木にぶつけておいた。
死んでないのでよし。
あとは近くにいた赤れいむをつかまえ瓶の中身をよーくこすり付けるだけなのだが勢いあまって潰してしまった。
失敗失敗。
なので逃げようとしていた赤まりさに標的をうつす。
がっちりと逃げられないように、しかし潰さない程度に赤まりさを持ち瓶の中身をふりかけこする、またふりかけこする、またふりかけ・・・
それをしばらく繰り返して作業は終了だ。
本当はこのまま握りつぶすかうちにもって帰ってからじっくりいたぶってやりたいところだが今日はここまでだ。
泣いて残念がる他のゆっくりたち。ゴメンな、次はたっぷりいじめてやるからな。
これ以上いるとストレスで腹が痛くなるので家に帰った。
ついでに帰りに見つけた流れのゆっくりを捕まえた。コイツで今日の仕事の疲れを癒すとしよう。
〜一方森のゆっくり一家〜
「ゆ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!おきゃーしゃーん!!!」
「ゆっくちちちゃい!!ゆっくちちちゃいよおおおおおおおおおお!!!」
「まりしゃにょいもうちょぎゃあああああああ!!ゆぎゃああああああああ!!!」
「ゆひゅひゅひゅひゅ・・・ゆひゅっ!」
「ゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っ・・・」
阿鼻叫喚とはまさにこのこと、泣きじゃくる赤ゆっくり達と木の根元に倒れ痙攣している親れいむ。
さっきまで家族でゆっくりしていたというのにいきなり茂みから人間があらわれたのだ。
しかし親れいむは臆することなく人間に食べ物をよこせ!ここから出て行け等の発言をし、赤ゆっくりたちも便乗する。
ゆっくりのなかではこの森ではゆっくりこそ至上の存在。生物の頂点だという意識があるのでこれは彼らにとってはもっともな要求なのだ。
まあ当然そんな都合のいい思い込みが通用するはずもなく人間はスルー。
というか聞こえていないのだから反応の仕様が無いのだが・・・
業を煮やした親れいむは
「ゆぎぃぃぃいいいいいい!!どぼじでででいがないのぉぉぉぉおおおお!!ばがなじじぃはじね!!じねぇえええ!!」
と体当たりをする。
赤ゆっくりたちは勝利を確信する。なにせ親れいむの体当たりで弾き飛ばせなかったものは無い。
大きな百足、蛇(小)、雀、大きな蜘蛛。
様々な危険から自分達を救った親れいむの必殺技。これではじき飛ばない生き物などいない。
そう赤ゆっくり達はにやにやしながら思っている。
しかし、当然人間ははじき跳ぶことは無い。それどころか親ゆっくりのほうが後ろに弾き飛ばされる。
「「「「「ゆ?」」」」」
赤ゆっくり達の上に疑問符がでる。なんだ?何があった?理解ができない。
それは親れいむも同じのようで不思議そうな顔をしている。
助走がたりなかったのかな?などと思い直し少しはなれたところからスピードをつけ突進する。
「さっきからウザイんだよ!!オラァ!!」
ボグシャァア!!
「ゆ"べら"っ"!!!」
宙を舞う親れいむ。『ゆゆっ!おそらをとんでる〜』等と思う余裕も時間もなく木に叩きつけられる。
「「「「「ゆ"ぴぃぃぃぃぃぃ!!おぎゃーーーーじゃーーーーーん!!!」」」」」
コレを見た赤ゆっくり達は流石にただ事ではないことを悟ったようだ。
しかし悟ったところでなにができるわけでもなく
「ゆびゃぁぁぁぁぁぁぁ!!きょわいよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ちねぇぇぇぇぇぇ!!おきゃーしゃんをいじめりゅじじぃはゆっくちちないでちにぇぇぇぇぇぇぇ!!」
このように泣き叫んだり罵声を浴びせたりするのが精々である。
さっさと逃げればいいのに。
そして人間の近くで罵声をあびせていた一匹の赤れいむが人間に捕まる。
「ゆ"っ!や、やめちぇにぇ!!ゆっくちできにゃいよ!!はにゃしちぇにぇ!!」
「まりしゃのいもうちょをはにゃちぇぇぇぇぇ!!」
「「「はなしちぇにぇ!!」」」
どうやら末っ子のれいむらしい、他の赤ゆっくりはぷくーっと膨れて威嚇するも効果は無い。
男は暴れる赤れいむを固定させようと手に力を込める。
「ゆ"ぎぎぎぎぎぎぎ!!ぐる"じぃ"よ"!!ゆっくぢはにゃぢぢぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"!!」
男は声が聞こえないためか加減がわかりにくいらしい。
「ゆ"びゃびゃびゃびゃ!!!ぢぬぅ!!ぢんぢゃぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"・・・ゆびょ!!!」
グシャ
ついに潰れてしまう赤れいむ。
「「「「!!!!」」」」
瞬間、赤ゆっくり達は目が飛び出さんばかりに目を開き口をだらしなくあけ呆然とする。
あまりの感情の起伏に耐えられずフリーズしたのだ。
その隙に男は近くの赤まりさを捕まえる。
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!やめちぇにぇぇぇ!!まりしゃよりあっちにょれいみゅをいじめちぇにぇぇぇぇぇ!!」
すでに赤ゆっくりながらゲスの才能を開花させる赤まりさ。
が、現状では特に意味は無い。
男は瓶から粉を取り出し赤まりさにふりかける
「ゆ?へんにゃこにゃしゃんかけにゃいでにぇ!ゆっくちできにゃいよ!!」
赤まりさにこすりつける
「ゆ!くしゅぐっちゃ・・・ゆぐ・・・やべ・・・ゆひょ!・・・ゆぐ・・・」
ふりかける
「やべでっでいっでるでしょぉぉぉぉぉ!!ばきゃにゃにょ!?しにゅにょ!?」
こする
「ゆべっ・・・いじゃ・・・ゆぎ・・・」
それを幾度か繰り返しまりさがぐったりとしたところで男は赤まりさを解放した。
「ゆ・・・ゆひゅひゅひゅ・・・ゆひゅっ・・・」
すこし精神が参っているようだがまあ死にはしないだろう。
そして男は去った。
残ったのはつぶれた赤れいむ一匹と痙攣しながら餡子を吐いている親れいむ、
フリーズがとけ親れいむのまわりで目を真っ赤に泣き腫らした3匹の赤ゆっくり
そして少しはなれたところで「ゆふふ・・・」と不気味に笑い続ける赤まりさであった。
そして次の日の明け方、
どうやらあのゆっくり一家は泣き疲れそのまま眠りに入ってしまったらしい。
一晩眠りに着いたからかあの親れいむも少しは回復したようだ。
「ゆ、ゆぐぐ・・・がらだがいだいよぉ・・・」
れいむはショックだった。これまで自分はどんな敵だろうと負けることは無かった。
毅然と立ち向かい仲間を、そして家族を守ってきた。
それがあっさりと負けこれまでにない壮絶な痛みと傷を受けた。
まりさがいればこんなことには・・・
しかしまりさはもういない。
子供が産まれる少し前に餌を取りに行くといってそれ以来帰ってこないのだ。
なにか事故にあったのか、それともさっきのような生き物にゆっくりできなくされたのか・・・?
なんにせよもうれいむはまりさは生きてはおるまいと考えていた。
しかしそれでも・・・いや、いけないこんなことでは。
「ゆぐぐ・・・れいむは・・・まりさとれいむのこどもをまもるよ・・・!」
今はいないまりさのことを考えている場合ではない。
自分と自分の愛したまりさの子供を守らねばならないときなのだ。
「「「「ゆぴー・・・ゆぴー・・・」」」」
すやすやと泣きつかれて眠ってしまった我が子達。なんと愛らしいのだろう。
昨日はとんでもない目にあった。子供達をゆっくりできない目にあわせてしまった。
もう二度と子供達をあんな目に合わせるわけにはいかない。
親れいむはそう決心した。
「ゆっくりしていってね!!!」
大きな声を上げ赤ちゃん達をおこす親れいむ
「ゆ・・・ゆぅ?」
などと眠い目を開きつつ意識を覚醒させる赤ゆっくり達。
そして全員が目覚めたところで
「「「「ゆっくちちていっちぇにぇ!!!」」」」
の合唱である。
しかし流石の餡子脳も昨日の惨劇は覚えていたらしく一斉に親れいむに体をこすりつけながら語る。
「ゆぅー!!おきゃーーーしゃん!!!まりしゃきにょうちょっちぇもきょわきゃったよぉぉ!!」
「ゆぅぅぅぅぅ!!おきゃーしゃん!!げんきににゃっちゃんじゃにぇ!!」
「ゆっくちちていっちぇにぇ!!ゆっくちちていっちぇにぇ!!」
「ゆぅぅぅ!!おきゃーしゃん!!れいみゅのいもうちょがぁぁぁ!!」
しかし親れいむは赤ゆっくりたちの話を聞いている暇は無い。
ここは危険が多い外、まずは安全な巣穴に戻ることが先決だと考える。
「おちびちゃんたち、いまはおちびちゃんたちのはなしをきいてあげられないよ!ゆっくりできないおそとからはやくゆっくりできるおうちにもどろうね!」
「「「「ゆっくちりきゃいちたよ!!!」」」」
赤ゆっくりたちもそれに答える。
親れいむはすばやく移動するため赤ゆっくりたちを口の中にいれ足早に自分のおうちに戻っていった。
それから親れいむはゆっくりと赤ゆっくりたちを慰めた。
一匹一匹を優しく、泣き終えるまで何度も何度も。
特に人間に捕まり変な粉をかけられこすられ気が変になっていた赤まりさは親れいむに長く甘え続けた。
「きょわかっちゃよぉぉ!!」とわめき続ける赤まりさを親れいむは何度もす〜り、す〜りして慰めたのだった。
これが普通ならば幾日か過ぎることで記憶も薄まり再び幸せな家族の生活が見られたことだろう。
しかしゆっくりとゆっくり家族の破滅は近づいていることに気づくものはいない。
〜さらに翌日〜
「ゆっくりしていってね!!!」
「「「「ゆっくちちていっちぇにぇ!!!」」」」
お決まりの挨拶が交わされる。昨日家族で慰めあいたっぷりゆっくりしたのでゆっくり達はかなり回復していた。
親れいむの傷も治りかけている。
「ゆ〜♪みんなきょうはゆっくりしてるね!!おかーさんはうれしいよ!!」
みんなの様子を見て安心する親れいむ、しかし一匹少し元気のないゆっくりがいる。
粉を擦り付けられた赤まりさである。
「おきゃーしゃん・・・にゃんだきゃかりゃだがむじゅむじゅしゅりゅよ・・・。」
「ゆ、そうなのおちびちゃん。じゃあおかーさんがぺ〜ろ、ぺ〜ろしてあげるからね!ぺ〜ろ、ぺ〜ろ。」
「ゆぅぅん♪くしゅぐっちゃいよ♪」
気持ちよさそうに親れいむに甘える赤まりさ。それを見て他の赤ゆっくりもなめてとあまえだす。
しかし赤まりさのむずむずは取れなかった。
「ゆゆぅ・・・おちびちゃんどうしちゃったの・・・ゆっ!!」
親れいむが首(?)をかしげると赤まりさになにやら黒いほくろのようなものがあるではないか。
もしかしたらこれが原因かもしれない。
「れいむのおちびちゃん!もしかしたらなにかのびょーきなのかもしれないね!!おいしゃのぱちゅりーにみてもらおうね!!」
「ゆぅ・・・おいしゃしゃんはきょわいよ・・・」
「そんなこといってるとゆっくりできないよ、はやくぱちゅりーのところにいこうね。」
「わきゃっちゃよおきゃーしゃん、ゆゆぅ・・・」
怖がる赤ゆっくりをなだめ群のなかで薬草の知識が強くみんなから『おいしゃさん』と慕われているぱちゅりーのもとにむかった。
ぱちゅりーのもとに向かう途中群の仲間がよく集まる広場を通った。
そこでは同じ群のゆっくりたちがゆっくりしていた。
余談であるがこの家族の所属する群には特に規制と言うものが無い。
ドスやリーダーとなるゆっくりがいないということもあるが基本的にこの森はゆっくりが過ごすには快適であり、
群のみんなで力を合わせてなにかするほどのことが無いと言うことも有る。
基本的には家族ごとに自活し、なにかあったときには群のみんなで助け合うと言うのがこの群唯一のルールといってもいい。
そんな穏やかな群なのでゆっくり同士の中は良好である。
なので他のゆっくりたちは傷ついた親れいむや赤ゆっくりたちを気遣う。
「ゆ!れいむ!ひどいきずなんだぜ!どうしたんだぜ!」
「れいむたちにけがさせるなんてとかいはじゃないわ!ぷんぷん!!」
「いたかったんだね〜わかるよ〜。」
「にんげんしゃんはちっちょもゆっくちできちぇねいにぇ!!ぴゅんぴゅん!!」
「おちびちゃんいたかったね、ぺ〜ろ、ぺ〜ろしてあげるよ。ぺ〜ろ、ぺ〜ろ。」
仲間の気遣いはうれしかったが早くぱちゅりーのところに行きたい親れいむは少し強引に赤ちゃんたちを連れて行った。
〜ぱちゅりーのおうち〜
「むきゅ、これはもしかしたらばいきんさんがはいったのかもしれないわ!」
「ゆゆ!ばいきんさん!」
「むきゅ!そうよ、そのこはにんげんにべたべたさわられたんでしょうそのとききたないばいきんさんがついたのかもしれないわ!むきゅ!」
「ゆうううう!!やっぱりにんげんはゆっくりできないよ!!とってもふけつなんだね!!ぷんぷん!!」
「ゆぅ・・・おきゃーしゃん・・・まりしゃはどうにゃりゅにょ?ゆっくちできにゃくにゃっちゃうにょ?」
「ゆぅぅぅ!!やだよぉ!」などと泣くきょうだいたちを見て『おいしゃさん』のぱちゅりーは優しく微笑む。
「むきゅ!だいじょうぶよ!このはっぱさんをはりつけておけばばいきんさんはみんなしんでしまうのよ。」
といって奥から葉っぱを持ってくる。
この葉っぱは殺菌作用が強く傷を治す成分も含まれている。
たいていの怪我などはこれをはれば治ってしまう。・・・まあ饅頭だし。
「ゆ!さすがはぱちゅりーだね!おちびちゃん、ありがとうをいおうね!」
「ぱちゅりーおねーしゃん!どうみょありがちょーね!しゅ〜り、しゅ〜り。」
「むきゅ!いいのよとうぜんのことをしたまでよ!す〜り、す〜り。」
親れいむは深くぱちゅりーにお礼を言った後、家に戻った。
帰りも広場を通ったのでまた沢山のゆっくり達から慰めてもらったり、見舞いとして木の実などを貰ったりした。
ゆっくり親子はなんともゆっくりな日をすごした。
しかし彼らがゆっくりできたのはこの日が最後であった。
この家族、ひいてはこの群の崩壊はすぐそこまで来ているのだから。
次の日、一匹の赤れいむが早朝に目を覚ました。
なにか体がむずむずしてよく眠れなかったのだ。
「...ぎ...も"っ...で...ゆ"...」
するとなにかか細い声が聞こえる。なんだろうとそこを見てみる。そこには・・・
「ゆみゃぁぁぁあ"あ"あ"!!おきゃーしゃーーーーーん!!」
一斉に目を覚ます家族達。
あいさつを交わすまもなく親れいむが赤れいむにはなしかける。
「ど、どうぢだのおちびちゃん!なにかこわいことがあったの!」
「しょ、しょこに・・・ゆっくちできにゃいもにょがありゅよぉぉぉ・・・」
言われてその方向を見てギョッとする親れいむ。
そこにはなにやら黒くて丸いものがあった。大きさはソフトボールほど、しかも小刻みにぷるぷる震えている。
親れいむはこれほど気持ちの悪いものを見たことが無かった。
なんというか・・・本能が・・・これは見てはいけないものだ!と訴えている気がする。
しかし親れいむは見つけてしまう。その黒い物体の近くに落ちている葉っぱ、そして黒い小さな帽子・・・。
それはあの黒いほくろができた赤まりさの帽子。
赤まりさがいない、かわりにあのなにかよくわからない黒い物がある。
そこまで考えた時点で親れいむは無意識にその黒い物体に突進していた。
「ゆがああああ!!じね!!おちびちゃんをゆっぐりでぎなぐじだばげものはじね!!!」
何度も何度も黒い物を踏みつける親れいむ。その黒いものは非常にやわらかく一回のしかかった時点で
「ゆぎゅぅ・・・!!」
の声とともに息絶えた。
しかし親れいむははね続ける。そのうちその黒い物はただの床のしみとなって消えた。
親れいむは悔しさとふがいなさに涙した。何故自分たちがこんな目に・・・
「ゆ"っ"!ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"・・・」
そんな中一匹の赤れいむが白目をむき震えだす。
そして親れいむは知ることになる。自分が潰した黒い物の正体、赤まりさの行方、そして自分達がどう死んでいくのかを・・・。
〜三日後〜
俺が森に入って一週間がたった。
そして俺はまた森に来ていた。当然あのゆっくりの群に行くために。
今回の実験の結果と今回の実験に対する意見をまとめてくれと頼まれたからだ。
そんなん自分達でやるべきじゃないのか?なんて思ったがすでに何度か研究所での実験は行われており、外部の意見を聴いておきたいんだとか。
まあ金貰ってやっているんだから仕方ない。
あの仕事を終えてから知ったことだが、今回の実験はあるゆっくり駆除剤のテストだったらしい。
なんでもあの粉を使うことで群一つを全滅させることができるんだとか。
俺は半信半疑であった。連中はゴ○ブリよりしぶとく、ネズミのごとく増えていく。
おまけに有る程度頭の働く個体もいるので全滅させるには徹底的な山狩りか、大量にゆっくり用の毒を撒くしかないといわれている。
しかし山狩りは時間も人員もかかりすぎるし、毒も金がかかりすぎる。
そこで注目されたのが『カビ』である。
ゆっくりが饅頭であるという特徴を生かし、カビによる侵食で群を全滅させようと言うのだ。
しかしゆっくりもうまくできているもので、体から大量に分泌される体液でカビなどから体を保護しているのだとか。
あの『す〜り、す〜り。』や『ぺ〜ろ、ぺ〜ろ。』などの行動も親愛をあらわすだけではなくお互いの体の保護をする効果もあるのだとか。
さらに表面にカビが生えた場合などは饅頭の薄皮を剥ぐ様にその部分が剥がれ落ちるとか。人間で言う垢のようなものだろうか?
まあそんな体の機能のおかげでゆっくりは饅頭の癖にカビることがほぼない。
たまに不潔なゆっくりがカビることがあるらしが非常に稀な事であるらしい。
しかし研究所の職員は
「ゆっくりごときに負けるものがあっていいわけがない!!」
となかば執念で対ゆっくり用のカビを作ることに成功したのだ。
それがあの粉の正体である。
しかし俺は粉の効果には疑問がある。
まずゆっくりも野生の生物だということカビときいてなんとなく怖そうなイメージはあるもののそれほど深刻なダメージを負うものなのか?
そして俺はあの赤ゆっくりにしか粉・・・いや、カビをつけていない。それなのに群じゅうにカビは広まるのか?ということだ。
まあともかく行ってみればわかるだろう。
というかそろそろ群の領域に入っているんだが・・・おかしいな。静かすぎる。
いつもならこの辺に来ればのんきなゆっくりの歌や餌を集めるゆっくりの姿がみれるのだが一匹もみあたらない。
しかたないので
「ゆっくりしていってねー!ゆっくりしていってねー!!」
と大声をあげる。こうすればほぼ確実に
「ゆっくりしていってね!!!」
と返事が返ってくる。
「・・・り・・・って・・・・」
「・・・ぅ・・・でぎ・・・ゆ・・・」
などとか細い声が聞こえるような気がするのだが・・・
まあ普通に考えれば実験が成功して全滅したのだろうが、ゆっくりのしぶとさを知る俺にはにわかには信じがたい。
せめて死因がわかるような状態のゆっくりはいないだろうか?
仕方ないのでいつもはゆっくりを不必要に警戒させないよういかないようにしていたゆっくり達の溜まり場にいってみることにしよう。
しかし変なものは見つけた。それは黒くてときおりふるふる小刻みに震えている。
あんまり考えないようにしていたけど・・・これってやっぱりゆっくりなのか?
実はここにくるまで結構な数のこれを見つけていたが気持ち悪くてよく見る気にもならなかったのだが・・・
しかたないのでえだでちょっと動かしてみる。
「ゆ"!!」
この声、やはりゆっくりだ!
別のほうからよく見ると目と口のようなものがある、それに近くに赤いリボンも見つかった。これはれいむ種だったのか。
しかしこれは・・・正直、正視に耐えない。子供の頃だったら確実にトラウマになっているだろう。
後で聞いた話ではあるがゆっくりがこんな状態になるのはカビの特性にあるのらしい。
まずこのカビはゆっくりに接触すると何日かかけて皮の中深くに根を張ろうとするらしい。
その後、ゆっくりの力ではカビを取り除けないくらいにまで浸透すると一気に侵食を開始する。
その侵食はすさまじく肉眼でも確認できるのだとか。早ければカビは30分もしないうちに体を覆いつくす。
そして繁殖する場を失ったカビはすさまじいスピードで自壊していく。すさまじい侵食力と引き換えに寿命が短いんだとか。
そうして出来上がるのが皮のない餡子むきだしのゆっくりということらしい。
この状態になれば当然自然界で生きていくことはできない。
底部の足もカビに侵食され歩けない状態になっている、食料を摂取すれば治る可能性もあるが歩けない状態ではそれも難しいだろうし。
全身の皮が無い状態ではそよ風ひとつ吹いても体に激痛が走るだろう。
よってゆっくり達は静かに死を待つしかなくなる。
しかし何故ここまで群中に感染したのか?
それはゆっくりの習性を利用している。怪我を負ったゆっくりは一般的に『ぺ〜ろ、ぺ〜ろ』などといわれる行為を他の個体からしてもらう。
まずこの時点で『ぺ〜ろ、ぺ〜ろ』をした個体はアウト。
さらにゆっくりにとって親愛をあらわす『す〜り、す〜り』をした個体もアウトである。
どちらもゆっくりにとっては挨拶のようなものなので高確率で他の個体に感染する。
それが連鎖的に繰り返されいずれはすべての個体がカビに感染するのだ。
しかしなまあなんともグロいものを作ったものだ。まだこの状態で生きているとは・・・
まあこの状態を見る限りこの群の大半は死んでいるだろう・・・凄い効き目だ。
これが普及すれば安価で効率的にゆっくりを駆除できる。あのドスですら恐れる必要も無くなる。
まあ俺のような趣味を持つものにはあまり喜ばしいものではないが、
ゆっくりなど一度全滅したところで一月もたてばまたどこからかやってきて、やがて群をつくる。
致命的な痛手にはなりえない。
まあまだ色々調整が必要だろうがそのうちこのカビによるゆっくり駆除幻想郷中に広まるはずだ。
それはこの効果をみれば間違いない。
その来るべき日に俺ができることといえば、よりゆっくりが苦しむような意見をそれとなく入れておくくらいのものだ。
その後、一息ついてからメモ等をとって俺は元ゆっくりの群を後にした。
ところであの親れいむ達はどうなったのか。
実はまだ親れいむは生きていた。
もちろん皮のない餡子むき出しの状態ではあるが。
あのあと親れいむは赤れいむがどんどん黒ずんでいくのを見るとなんとかそれを止めようと無駄な努力を繰り返した。
しかし逆に皮の侵食は早まり赤れいむは黒ずみ皮は剥げ物言わぬ餡子の塊に変わり果てた。
それを見て親れいむは泣き叫びながらカビに侵されていった。
さて他の三匹であるが、
赤れいむ二匹はショックで餡子を吐きそのまま死亡。そののちにカビに侵され餡子に変わった。
赤まりさは同様に餡子を吐くも死ぬにはいたらずゆっくりと侵食される恐怖を味わいながら餡子の塊に変わった。
しばらくは赤まりさも生きていたが甘いにおいにひきつけらた虫に食いちぎられていき
「ゆ"っ!!」
とひときわ大きい声を上げた後死亡した。
今では赤ゆっくり達の死骸は虫にきれいに食べらなくなっており、また親れいむも食われ続けている。
しかし親れいむにはもう全てがどうでもよかった。
番のまりさも赤ちゃん達もすでにいない。
そんな世界などもうどうでもいい・・・。
そして死にたいと思っても死ねないので−−そのうちれいむは、考えるのをやめた。
なんか話が重くなるのが嫌だったのでパロ入れたいとか思ってたんですが結局重いですね。
ていうかやっぱり無駄に長い。もう少し短くする技術がほしいです。
あとカビについてよく知らんので適当に書きましたがまあそんな都合のいいカビはできないでしょうね。
まあ動く饅頭がいる世界ですから適当にスルーしていただけるとありがたいです。
また思いつく限りは書いていきたいのでよろしくお願いします。
これまでに書いたもの
・ゆっくりコールドスリープ
最終更新:2022年05月03日 23:47