泣き疲れてそのまま眠ってしまったれいむが目を覚ますと、そこは檻の中だった。
れいむがジャストフィットする程度の大きさの鉄の檻である。
目が覚めたれいむは、回りを見ようとするが全く動けないことにすぐ気付いた。
「ゆっ・・・ゆっくりできないよ・・・そうだ!まりさは?れいむのあかちゃんは!」
やっと昨日の出来事に思い出したれいむは、自分たちの家族を探そうと必死に叫ぶ。
すると目の前に人間の足が見えた。
「うるせーんだよこの饅頭が。あんまり騒ぐと焼いちまうぞ。」
足だけしか見えなかったが、れいむはその男に話しかけた。
「おにーさん!ゆっくりしないではやくまりさとれいむのあかちゃんを返してね!そしてとっととここから出してね!」
よくもまあそんな事をと、その男は笑いを押し殺しながら思っていた
少なくともそのまりさは昨日虐待してしまったためにこの世にいないことをこの饅頭は知らないのだ。
それなのに、未だに家族でゆっくりできると考えているのだろう。ありえない話である。
「まあいいさ。今からガキに会わせてやるよ。」
「ほんと?とっととあわせてね!」
男はその言葉を聞くと、横に置いておいた袋の中身を地面へばら撒いた
そこから出てきたのは各地から連れてこられた子ゆっくりや赤ゆっくり達である。
「ゆ~ゆ~ここどこ?あかーしゃんはどこなのー?」
「まりさははらがへってるんだぜ!とっととごはんをもってくるんだぜ。」
「むきゅー」「むきゅー」
「わからないよーわからないよー」
「ちーんぽっ!」
「うー、うー♪」 「う~~♪みゃんみゃぁ~?みゃんみゃぁどこ~?」
「とかいはなありすはおなかがすいたわ。もーにんぐせっとがたべたいわ。」
「あかちゃーん!ここだよ!おかあさんはここだよ!」
さまざまな種類の子供たちがそこに並べられた。そしてその子供たちは、すぐ横の檻に自分の親が居ることに気づいた。
ままーだのみゃんみゃーだのあかちゃんだのママだどぉ~~♪だの、ゆっくりどもが騒がしくしていると、一人のモヒカンがゆっくり達に
近づいてこう言った。
「貴様ら!今から聖帝様がお見えになる。静かに前を向け!」
そう言ったのと同時に、子供たちの目の前に一人の男が現れた。髪は短髪で、生まれた時から既に人の上に立っていたかのような
尊大な態度と冷たい眼をした男である。その男は子供達の目の前に置いてあった椅子に実に偉そうに座るとゆっくり達に話しかけた。
「俺の名は聖帝(名前は伏せさせていただきます)だ。今から貴様らは俺の言うことを聞いて馬車馬のごとく働くのだ。」
開閉一番にそう言うと、すかさず子供たちから反論がでる。
「うるちゃいどぉ~♪れみりゃはみらいのこうまかんのみらいのおぜうさまだどぉ~♪ゆっくりするんだぞ~。」
何がが楽しいのか踊り出した肉まんに対して聖帝はひとつ質問した。
「貴様の親はどいつだ?」
「う~?れみりゃのまんまはあそこだぞ~いちばんはじっこだどぉ♪」
「うー♪うー♪うー♪。れみりゃのみゃんみゃはぷりてぃーだとぉ♪」
間抜けな発言はまた加齢にスルーして、聖帝はれみりゃの母親の方を向くと、檻から出すよう指示した。
「う~さっさとだすんだどぉ~♪でないとだべちゃんだどぉ~。」
れみりゃはそういいながら男に檻から出され、地面に置かれた。そのれみりゃに向って
「フハハハ!!」
そういうやいなや、どこから取り出した槍をれみりゃに向け勢いよく投げた。
槍は人間でいう右の肺の部分にしっかりと突き刺さった。刺さった部分から肉汁が溢れでる。
その痛みはかなりのものだろう
「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ざぐやあああーーーー!!!!ざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ!!!」
余りの痛みに居るはずのない瀟洒なメイドの名を叫ぶれみりゃ。しかし男たちは叫び声を無視して槍を力任せに抜いた。
抑えになるものが無くなったからか、肉汁は噴水のように溢れでた。男たちは構わずれみりゃを元の檻に戻す
いまだ泣き叫ぶれみりゃを見て子供たちも親たちもショックのあまり泣き声さえ発することができない。
「わかったかガキども。この聖帝に逆らったり仕事を放棄した場合は、貴様らの親を虐待する。それが嫌ならば働くのだな。
まあ、おれはどちらでもよいのだがな。ゆっくりしたければゆっくりするがよい。
それとだ。親の方も同じだ。貴様らが反抗的な態度をとれば子供の餡子で償ってもらおう。」
「ゆ、ゆっくりりかいしたよ!だからひどいことはしないでね!」
「ゆっきゅりりかいしたよ!」
流石に目の前でこのような光景を目の当たりにすれば、以下に餡子脳といえどすんなり理解するようだ。
その返事を聞くと聖帝は二ヤリと笑い、
「ならばさっそく今から働いてもらおうか。やれい!」
その言葉を聞くと男たちは子供達をを袋に詰め、どこかに運んでいった
こどもたちが連れてこられた場所は荒れた農地の真ん中であった。
そこには人間の家よりずっと高いピラミッド型の石で出来た建物があった。
「貴様らはこの石を運び、積み上げるんだ。仕事の遅い奴は容赦なく・・・ヒャア!我慢できねえ!虐待だ!」
男はそういうと一匹のありすを摘みあげる。そしてそのありすの口に無理やり指を突っ込みながら子供たちに石を運ばせた。
ゆっくりたちは嫌々ながら重たい石を自分の頭にのせ運び始めた。こんなゆっくりできないことはもちろんしたくない。
しかし、おかあさんが虐められてしまう。
子どもたちは従うしかなかった。
一方、親の方はと言うと。
「本当にいいのおじさん?このゆっくりを好きにして?」
「ああいいぞ。殺さなければな。それと俺はまだ20代だ。お兄さんだお・に・い・さ・ん!」
どうやら親の方は子供たちの虐めの対象・・・もとい遊び相手になるらしい。」
すでに先走った少年達ががちぇんでサッカーを楽しんでいたり、れみりゃで床屋さんごっごをしている少女たちもいた。
しかしまあ、れみりゃにはモヒカンがよく似合うなほんと。
「れみり゛やのぷりて゛い゛ながみ゛があ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!」とか聞こえるあたりれみりゃも相当喜んでいるようだ。
そんなこんなで一か月が過ぎた。親の方は比較的おとなしいものである。虐めといってもたかだが子供の遊び。
ゆっくりはできないだろうが、その殆どが一日寝れば治る程度のものである。
が、問題は子供の方である。毎日毎日重い石を頭に乗せ、建物を上り下りするのである。
大人でさえ重労働なこの仕事だ。とうぜん事故で死ぬ子供も後を絶たない。
おかげで「あべし!!」だの「ゆべ!!」だの「ペニース!!」だの奇妙な声が響かない日はなかった。
余談だが、子供が全員死んだ場合、親の方もその日のうちに特別虐待スペースへ連れていかれるのがルールである。
中を見たことはないが、中に入って帰ってきたゆっくりが居ないのを知ってる親たち戦々恐々してるであろう。
そんなある日のこと。親たちが目を覚ますと、目の前にあの聖帝が座っていた。
「今日は特別に貴様らをゆっくりさせてやろう。」
そういうと聖帝の前に大きなガラス張りの箱が大量に運び込まれた。どうやらそれはごく普通に売られている飼いゆっくり専用の家のようだ。
しいていうならかなり立派な作りである。中にはプールとふかふかのふとん。そして大量の餌が置いてある。
内装だけ見てもかなり高額な代物なのだろう。別に普通のでいい気がするが気にしてはいけない。帝王に逃走はないのだ。
「ゆ~ゆ~ゆっくりできるよ~。聖帝さんありがとうね!はやくおやつをもってきてね!」
「れみりゃはぶでぃんぐがほじいの!ぶっぶっぶ~でぃん~~♪」
今まで散々な仕打ちを受けているのにお菓子一つでこれである。つくづく馬鹿であると言わざるを得ない。
聖帝はその様子を見ていると、一人のれいむに話しかけた。
「貴様はゆっくりしているのか?」そう問いかけた聖帝に対して。
「ゆゆ~♪とってもゆっくりしているよ。とくべつにおじさんもゆっくりしていっていいよ!」
ぱちゅりー一家に裏切られたれいむである。この様子だとまりさの事も子供のことも忘れているのかもしれない。
駄目だこいつ・・・はやくなんとかしないと。
「そうか。ならば貴様らをさらにゆっくりさせてやろう。連れて来い!」
その命令と共に現れたモヒカンはゆっくりと袋の中身を出す。中身は無論子供たちである。
「ゆ!おかーさんだよ!おかーさん!ゆっくりしたいよ!」
「みゃんみゃ~♪れみりゃはぶでぃんぐがほしいどぉ~」
「ゆっくりしたんだよねーわかるよー」
「ゆゆ!まりさのあかちゃんだよ!ゆっくりしていってね!」
そんなやり取りが始まった。れいむも子供に気づきすぐに向かおうとする。
もちろん箱の中にいるため触れることはできない。しかしガラス越しにでもあかちゃんにすりすりする辺り、かろうじて母性は残っていた
ようだ。
「あかちゃんゆっくりできた?おかーしゃんとおうたを歌おうね!」
一か月ぶりの再開に笑顔になったれいむに対して子供たちは
「れいむたちが死んじゃったんだぜ・・・生きてるのはいもうととまりさの二人だけなんだぜ。」
「ゆ、ゆゆ・・・・れいむのあかちゃんが。・・・でもだいじょうぶだよ!まりさたちがいきてておかーさんうれしいよ!
はやくゆっくりしようね。」
今生きてる子供たちとだけでもゆっくりしようとするれいむ。しかしそうは問屋が下ろさない。虐待スレだし。
「ガキども。貴様らはいつもの通りに働くのだ。貴様らの親はゆっくりするがな。」
突然の発言に全員が驚いた。てっきりみんなゆっくりできると思っていたからである。
しかし文句を言えないのはわかっている。仕方なく子供たちは働くのであった。
自分より大きい石を何度も何度も運ばされてる子供たち。少しでも動きが遅くなれば容赦なく蹴られたり棒で殴られたり、
たとえ姉妹が石の下敷きになっても見て見ぬ振りをしなければならない。
その光景を見てれいむは悲しみにくれた。とてもオヤツなど食べれる状態ではない。
しかし帝王はそれを許さない。モヒカンたちの手により食べなければ無理やりオヤツを食わせられた。
「ゆぐっう!オヤツはいらないからこどもた「逆らったらどうなるかわかっているのか。」
そうである。逆らえば子供たちが死ぬ。それだけはいやだ。れいむは仕方なくオヤツを食べ、無理やりゆっくりさせられるのであった。
「むーしゃ・・・むーしゃ・・・しあわせ・・・」
けして幸せではない。しかしそう言わなければならないのである
一方、その光景を横目で見ていた子供たちにある思いが宿った。
自分たちがゆっくりできないのに、なぜお母さんたちはゆっくりしているのか。雑草しか食べてないのになぜ甘いものを食べてるのか。
そもそもあいつらがドンくさいから自分らは捕まったのではないか。
そして一匹のまりさの行動によりそれは爆発した。
「もうこんなところにいるのはいやなんだぜ!おかーしゃんはまりさのためにしんでくれなんだぜ!」
れいむの子まりさであった。子まりさはそう言うと石を放りだし逃げようとした。
とうぜんモヒカンに捕まった。
「どうじてそんなこというのおおお!!?」
れいむに言わせれば子供のためにやっていることなのである。それなのにこのセリフ。よほど傷ついたのであろう。
「ゆゆ!そうだよ!れいみゅたちをゆっくりさせないひとりでゆっくりするおかーしゃんなんてゆっくりちねばいいんだよ!」
「ちぇんたちのためにしぬんだよねーわかるよー」
「ゆっくりさせないみゃんみゃなんてポイだとぉ~しぬんだぉ~」
「ちがうよ!おかーさんはみんなをゆっくりさせるために・・・」
「うそつきはゆっくりしね!ゆっくりしね!」
もはやその場は大混乱(ゆっくり限定)である。愛する子に罵倒され泣き続ける親たち
愛する親に裏切られたと思い激怒する子供たち。
聖帝はその光景を見ながらこう子供たちに言った。
「親がそんなに憎いか。ならばどの親が憎いか言ってみるといい。その親を殺して貴様らの飯にオヤツを加えてやろう。」
「さっさとあのばかなまりさのおかーさんをころすんだぜ!オヤツをよこすんだ!」
「そうだよ!とっととれいみゅたちのためにちんでね!」
「どうじて・・・・どうじて・・・」
れいむはもうわけがわからなかった。まりさと二人でよっくりと育てた子供たちが
自分が採ってきた芋虫を食べてスクスクと育った子供たちが・・・
子供のためにこんな心苦しい事をしたのに・・・なぜ殺されなければならないのか。
こうなると大抵の餡子脳がはじき出す答えは一つである。
「ゆ゛っぐりじね!!お゛ま゛え゛らなんがれいむだぢのごどもじゃな゛い゛!!!ゆ゛っぐりじね!!ゆ゛っぐりじね!!!」
まあだいたいこんなものである。
それを気にせずモヒカンは近づく。そして手に持った松明をれいむのリボンに当てた。
「ヒャッハー!汚物は消毒だ~」
ノリノリでれいむを頭から燃やしていくモヒカン。れいむの断末魔でさらにテンションがあがっていく。
「ゆ゛っ゛ぐ゛り゛じね゛え゛っ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
燃えながらも恨み節を言うれいむ
「フハハハ!! とどめだ!!」
しかしそれも聖帝の華麗なやり投げにより終わるのであった。
聖帝ゆっくり稜完成まで、あと三か月
最終更新:2022年05月18日 21:41