注意
パロディネタを含みます。
下品な表現を含みます。
虐待はかなり薄いというかほとんどありません。
単位は総て現代日本で用いられている物にしてあります。
登場キャラクター紹介
【青年】
主人公。誰がなんと言おうと主人公。
【ゆっくりふらん】
ゆっくりふらんは改造ゆっくりである。
ゆっくりふらんを改造したのは永遠亭に住む八意永琳である。
小さいことにこだわってはいけない。
「ねえねえ、だんな?」
ある晩、夕食を終えたふらんが珍しく神妙な面持ちで話しかけてきた。
「どうした?」
「私、何か大切なことを忘れてる気がするんだけど……」
なんだ、そんなことかと思った。そもそも相手が何を忘れているかなんて解る訳がないじゃないか。
「まあ、忘れるようなことだから大した事ではないんじゃないか?」
「そう、なのかな……」
釈然としない様子でうーんうーんと唸っているふらんをよそに食器の片付けをする。余談だが食事の準備も片付けも自分の仕事である。
「そういえばさぁ…」
「うん?」
「最近大きいゆっくりを見かけないんだけど、何でか知ってる?」
「ああ、それなら永遠亭の方々が一晩で殲滅したよ」
「ふぇ!? いつのまに!?」
ふらんが驚いた声を上げる。どうでもいいが食器を運ぶのぐらい手伝って欲しい。
「たしか、二週間ぐらい前の晩だよ」
二週間前の新月の夜、総勢100頭にも上るゆっくりフランが巨大ゆっくりの巣総てを一斉にを襲撃したのである。
女医さんが言うには自分達のまいた種なので処理は任せて欲しいとの事だった。
この襲撃により巨大ゆっくりの大半が死滅し、生き残りも永遠亭に回収されたらしい。
「ふーん、そんなことがあったの」
「まあ秘密裏にやったみたいだけどね。…………よし、終わり」
総ての食器を洗い終え再び食卓に着く。我ながら手馴れた物である。
さらに余談ではあるが、掃除洗濯などのあらゆる家事は自分の仕事である。いえ、不満はありませんよ。
「ところでさー」
「何?」
「最近マンネリだよね」
「マンネリ…ねえ」
マンネリ、『偉大なるマンネリ』などの様に良い意味で用いられることもあるが、この場合はもちろん違う。
「それで? そのマンネリを解消するための案でもあるの?」
俺が尋ねると、ふらんはニヤリと笑った。
「もちろん! 何の案も無いのに言い出すわけ無いでしょ」
力強く答えるふらん。きっと何か良い方法があるのだろう。
「よし、その案という物を教えてもらおうか」
「うん! じゃあちょっと見ててね」
そう言うやいなや、ふらんは自らのショーツを太ももの辺りまで下げ、スカートをまくり上げると陰部を露出させた。
そして下腹部にぐっと力をいれる。
すると驚いたことにある一部分がむくむくと盛り上がり、オットセイさんがこんばん『させるかッ!!』はする前にお帰りいただいた。
「ぺにぺにもがれた!?」
生殖器(?)をもぎ取られたふらんは目に大粒の涙を浮かべ、うずくまってしまった。
「うぅ……ひどいよ……ぐす…悦んでもらえると思ったのに…………う~~~ううう、あんまりだ…」
しまった、ついやってしまった。
「すまん、俺が悪かった」
そう言ってそっと抱きかかえる。
ちなみにこの後AHYYYとかWHOOOOOOとかいって泣き喚くふらんを落ち着かせるのはかなり大変だった。
謝罪の言葉もなかなか聞き入れてもらえなかったが、最終的には食べ物で釣ることで事なきを得た。
……30分後、そこには元気に飛び回るふらんの姿が!
「もう二度とぺにぺになんて生やさないよ。本当だよ!」
どうやら機嫌を直してくれたようである。
「ところで……」
「うん?」
「さっきのぺにぺにだけど、いつ頃から生やせるようになったんだ?」
「え…と、だいたい10日ぐらい前…だったかな」
10日前…か、つい最近のことだな。
「待てよ、ぺにぺにが生やせると言うことは……」
「と言う事は?」
「体を自由に成長させることも出来るのでは!?」
「いや、無理でしょう」
俺の考えは一蹴されてしまった。だが諦める訳にはいかない。マンネリ打開には必要なことだからだ。
「いいからやってみるんだ。否定する前にやってみるんだ」
「はいはい、やってみればいいんでしょ」
ふらんはかなり呆れた様子ながらもしぶしぶ了承してくれた。
「それじゃ、やってみるね」
「いや、ちょっと待て」
「何?」
「念のために服は脱いでおけ」
「なんで?」
「体だけ大きくなって服の大きさが変わらなかったら危ないだろ」
服を脱ぐふらん。ちなみに服はいつもの様に脱ぎっぱなしなので自分が畳んでおく。不満は一切ありませんよ。
「よし、じゃあ見ててね」
そう言ってふらんが力を込める。すると驚いたことにふらんの手足が伸び、おっぱいやお尻がふくらんでいくではないか。
「こんな感じで…どうかな?」
ふらんが成長した体を見せ付ける様に扇情的なポーズをとる。それがあまりにも艶かしくて、俺は気が付くとふらんを押し倒していた。
………
……
…
「私、しばらくこの格好で生活するよ」
「いや、服がないでしょ」
そう、服が無いのである。俺とふらんの二人暮しである我が家には当然ながら成人女性用の服などあるわけが無い。
「大丈夫大丈夫、何とかなるって」
そんな軽口を叩きながらふらんが立ち上がろうとする、が
「あれれ?」
立ち上がることができなかった。
「おかしいなあ…今度こそ」
しかし、何度やっても立ち上がることはできなかった。
「どうして…どうして立てないの!」
立ち上がれないことにふらんは苛立ちを感じ始めていた。
ふらんが立ち上がることができない理由、恐らくそれは急激に成長したことにより体の制御が上手くできないからである。
立ち上がって歩けるようになるにはどれ位かは解らないにしろ、多少の訓練が必要とすること。
加えて、飛べるようになるにはさらに多くの訓練が必要であるだろうと言うことをふらんに伝えた。
「ま、そんなわけで元に戻ってくれ」
「残念だけどそれは無理だよ」
「は? なんで?」
予想外の返事に驚いて素っ頓狂な声を出してしまった。
「なんでって、人間の大人が子供の体型に戻れないのと同じで、一度成長したら戻れないよ」
「じゃあぺにぺには? 話し振りからすると何度か生やしたことがあるみたいだったけど?」
「あれも同じだよ。使用後は毎回もいでたんだよ」
何という事だ! 色々カスタムしようと思ったのに右側にしか動かせないなんてバグかよ!
何とかして元に戻せないだろうか。
……ってまあ方法はあるんですけどね。
「しょうがない、あの手で行くか」
そう言い残してある物を取りに行く。
「あの手って? ……まさか!?」
目的の物を握った俺の姿を見てふらんが驚きの声を上げる。
「そおうだッ! そのまさかだよォ!」
俺の手に握られている物、それは長年の使用に耐え、今日の夕方にもお世話になった刃渡り約145mmの包丁である。
「いやいやいや、確かに方法はそれしかないかもしれないけどさすがにそれは」
「だまらっしゃい」
嫌がるふらんが暴れないように、といっても抵抗しようにも体を上手く動かせないので無理ではあるが、念のために馬乗りになって体を押さえる。
そして首に包丁を押し付け……
「いや…やめて……」
一気に頭部と胴体を切り離した。
………
……
…
「はぁ…首を切られるのはさすがにちょっと痛かったよ」
頭だけになったふらんが自分の胴体を食べながら呟いた。
「しょうがないだろ。他に方法が無かったんだから」
「まあ、そうだけど。それにしても私の体おいしくないなぁ……だんなも食べるの手伝ってよ」
「無茶言うなよ。さっき夕飯を済ませたばかりじゃないか」
「嫌ならいいんだけど、この状況を誰かに見られたら確実に誤解されるよ」
「……」
仕方が無いので食べる事にする。味は本人が気にしているほど悪くは無い。
むしろ自分にとっては好きな味である。量さえこんなに無ければ大歓迎なんだが…
「残念だけどこの方法は封印だな。毎回こんな事をしてたら大変だ」
「そうだね。また新しい方法を考えなきゃ」
ふらんの体を食べながらそんな会話をしていた。
数日後………
「いってきまーす」
今日も元気に挨拶をするふらん。
「いってらっしゃい」
いつもの様に見送る。この時点では普通の朝だった。
異変は昼過ぎに起こった。
「うー! たいへんだどぉー!!」
見知った顔の胴付きれみりゃが血相を変えて飛んできたのだ。
「ん? どうしたんだい?」
「たいへんなんだどぉー!」
「何が大変なんだい?」
「いいからきてほしいんだどぉー!!」
れみりゃが小さな手で服をぐいぐいと引っ張る。その様子が尋常ではなく何か嫌な予感がしたので付いていくことにした。
案内された先、そこで俺が見たものは横たわるふらんの姿だった。
「れみりゃがきたときにはこうだったんだどぉー! はやくたすけてあげるんだどぉー!」
どうやらふらんは意識を失っているようである。原因が分からない以上俺にできることは一つしかない。
れみりゃに後は任せろと伝え、ふらんを抱えてできるだけ揺らさないよう、かつ迅速に永遠亭に向けて走り出した。
………
……
…
「先生、ふらんの容態は?」
「意識ははっきりしてますし、命に別状はありませんので連れて帰っていただいても問題はありません。ただ……」
「ただ…?」
思わず息を呑む。
「妊娠しています。」
「はい? …え? ……すみませんがもう一度言ってください」
自分の聞き間違いではと思い恐る恐る聞き返す。
「ですから妊娠しています。それと父親はあなたです」
どうやら聞き間違いではなかったようだ。
「まさか、冗談でしょう。ライガーやタイゴンならまだしも、人間とゆっくりじゃあ無理があるでしょう」
「あら、この状況でそんな冗談を言うと思う?」
おっしゃる事はごもっともである。そんな冗談を言う理由が無いし、言うような方ではない。
「でも、Yエキスだって使ってないですよ?」
「なんですか、Yエキスって? そんなもの知りませんよ」
ん? 何で今Yエキスなんて単語が出てきたんだろう? 聞いたことも無いはずなんだが。
そもそもYエキスのYってなんだよ………
そんなことを考えていたが先生が話し出したので考えを打ち切る。
「ゆっくりにはまだよく分かっていない事がたくさんあるんです。例えば寿命、これすらも未だに結論はでていません」
「そうなんですか」
「ゆっくりと人間の間に子供ができるという話も可能性は示唆されていましたが、実際に人間の子を孕んだという事例はありませんでした」
「つまり、どうなるかは分からないと」
「大雑把に言えばそうです。どちらの形質を受け継ぐか、あるいは全く新しい生物となるかすら分かりません」
その話を聞いて本当に産まれてくる事が子供にとって幸せなんだろうか、そんな考えが一瞬頭をよぎったがすぐに振り払った。
せっかく宿った生命だ、たとえどうなろうと祝福しよう。それよりも
「なんで父親が俺だと判ったんですか?」
「それは本人から聞きました。他に覚えがないそうです」
「…そうですか、分かりました。予定日はいつですか?」
「およそ一月後です」
ゆっくりにしては遅すぎるし、人間にしては早すぎるなあと思った。
「その時はよろしくお願いします。今日のところはもうふらんを連れて帰りますね」
「はい、お大事に」
帰り道はふらんを抱きかかえて帰ることにした。
本人は恥ずかしいからいいよと言っていたがまんざらでもない様子だ。
仕事はしばらく休ませる事にする。
俺の腕の中でお腹をさすりながら、赤ちゃん早く産まれないかなあと言う様はまさに幸せの絶頂という感じだった。
そして、一月後………
「おめでとうございます、無事産まれましたよ」
出産は帝王切開で行われた。
再生を自分の意思で行うことができ、かつ異常とも言えるほどの再生力を持つふらんにはこれがベストだったらしい。
「それで、ふらんの状態は?」
九分九厘大丈夫だとは思っているが、それでもやはり不安である。
「母子共に良好ですよ。お会いになりますか?」
「ええ、是非」
逸る気持ちを抑えて答えた。
「どうぞお入りください」
通された部屋にはベッドが一床有り、その上でふらんが赤ん坊を抱いていた。
「お疲れ。もう、いいのか?」
「もちろんだよ」
俺の問いかけにはっきりと答える。この分だと本当に大丈夫だろう。
「それよりもこの子を見て」
ふらんに促され子供を見ると、目に入ったのは二本の腕、二本の脚、まるで、いや、どう見ても人間の赤子である。
「ねえねえ、だんな?」
「ん? どうした?」
「私ね、この子の名前ずっと考えてたの。でね、この子の顔を見たらすぐに決まったの」
「どんな名前にしたんだい?」
「うん、この子の名前はね…………」
そう言ってふらんが微笑んだ。
おしまい
【オマケ】
ある晩、長女まりさは巣である洞窟の見張り番をしていた。
このまりさは俗に巨大種と呼ばれる類の物であり、すでに成体となっていたためにその大きさはかなりの物である。
その日は新月だったので夜目のきかないまりさがそれに気付くのはあまりにも難しく、気が付いた時には既に両目を潰されていた。
「い…いだいんだぜぇぇぇぇぇ!!!!」
まりさが叫ぶために開けた口、そこに何かが入っていきそのまま後ろに突き抜ける。
傷口から致死量の餡子を流し、間も無く長女まりさは絶命した。
長女まりさの悲鳴を聞き巣の中の親まりさは、これはただ事ではないと思い即座に行動を開始する。
「まりさ! いまのこえは!?」
「たぶんだれかがおそってきたのぜ! れいむはこどもたちとどこかにかくれるんだぜ!」
「ゆ! わかったよ!」
侵入者が親まりさの前に現れたのは、親れいむが子供達を連れて洞窟のさらに奥に進んでから僅か10秒後の事だった。
まりさは侵入者を確認するとすぐに渾身の力を込めた体当たりをかます。
一瞬の出来事に侵入者は反応が遅れ体当たりをくらいそのまま組み伏されたのである。
勝った! そう確信したまりさはとどめを刺すべく重心を徐々に前へ動かし、侵入者を押しつぶそうとした。
その時だった、後部に激痛が走った。
まりさが振り返るとそこには侵入者がもう一頭……いや、よく見ると四頭もいたのである。
まりさがそれを確認するのとほぼ同時に侵入者達は一斉にまりさを解体し始める。
「や、やめてくれなんだぜ! まりさがいったいなにをしたんだぜ!?」
そんな質問に答える者はこの場にはいない。侵入者達は粛々と解体作業を進めていった。
侵入者達はまりさをいたぶるつもりなどない。早く正確に解体する手付きにはいっさいの無駄も慈悲も無い。
(れいむ…こどもたちを…たのむん……だぜ……)
それがまりさの最後の思考だった。
「ゆ! こどもたちだけはたすけてね!!」
れいむは侵入者達に向かってそう叫んでいた。
その後ろでは子ゆっくり(と言っても通常種の成体とほぼ同じ大きさだが)が五頭、身を寄せ合っている。
侵入者は五頭、れいむ一頭ではとうてい相手にはならない。
れいむに残された道は無駄な抵抗をするか、命乞いをするか、大人しく死ぬかのどれかである。
そしてそんな状況の中、侵入者の内の一頭が何かを手に持ち、それをれいむに突き刺した。
「こどもたちにはてをださな……ゆゆ!?」
さきほど何かを刺された部位、そこに違和感を覚えたれいむはあることに気がついた。
その部位から自分の体がしだいに融けていっているのである。
「ゆゆ!? やめてね! ゆっくりたすけてね!!」
痛みが無いのが逆に恐ろしかった。
れいむは知る由もないがこの時侵入者が使ったのは振動地雷と呼ばれる兵器で、一定範囲を崩壊させる物だった。
「やべ……だずげ………もっと………したか………」
僅か数十秒でれいむはドロドロに融けきった。
目の前で親を失った子ゆっくり達は呆然としていた。
侵入者が自分のほうに歩いてくるのを見てもう助からないと覚悟し、思わず目を閉じた。
しかしいつまで経っても痛みは襲ってこなかった。不思議に思って目を開けると信じられない光景が目に入った。
「わあい! おそらをとんでるみたい!!」
思わずそう言わずにはいられなかった。普通に生活していたら決してみることのできなかった風景を目にすることができたのだ。
周りからは姉妹達の声も聞こえる。どうしてかは分からないが、自分達は助かったそれだけは分かった。
だが子ゆっくり達は知らない。あの場所で殺されていた方が幸せだったことを、そしてこの先何が起こるかを。
【報告】
【殺害数】
40(内成体37)
【捕獲数】
36(内成体2)
【被害状況】
【死亡】
0
【再起不能】
0
「圧倒的ね」
報告書を見た永琳がそう呟くのをてゐは確かに聞いたのだった。
あとがき
ハーフ一人入りましたー。レイパーさんごめんなさい。
これでこの一人と一頭のお話は一旦終了です。
byエイム
最終更新:2022年05月19日 12:20