暇で暇でしょうがないのでゆっくりを魔改造したいと思う。
いつぞや俺が買ってきた、ゆっくりのスペア用パーツ「おめめ」。
こいつで百々目鬼ゆっくりを作成したいと考えている。
用意するものは、例の「おめめ」20個(これは別に何個でも良い)、そこら辺で捕まえてきたゆっくり。
前回はれいむが頑張ってくれたので今回はまりさの出番にした。
「ゆゆっ!おじさん、ゆっくりしていってn」
誰がおじさんだこの大福が。
即効で麻酔用アルコールを突き刺し、眠らせる。
起こしていてもいいのだが、そうなると作業がめんどくさい。
まずはまりさの帽子を取る。
この帽子は特に利用価値は無いので捨てるなりなんなりしても構わない。
俺は後で実験に使用したいのでとっておく。
次に、髪の毛。
必要ならば全部剃ってしまおう。
確かゆっくりは髪の毛の有無よりも飾りで判別するはずだから・・・問題ないな。全て剃る。
まりさの髪を適当に坊主刈りにしてから、丁寧にかみそりで剃っていく。
あっという間にハゲ饅頭の出来上がりだ。
本饅は幸せそうに眠っているが、今起こしたら泣くわ喚くわでさぞ大変だろう。
今回の趣旨に逸れるので眠らせたままにしておく。
さて、ここからが本番だ。
どこでもいいからハゲまりさの皮に切れ込みを入れる。
「ゆうう・・・・・・ぅん・・・・・・」
ハゲまりさが唸っているが無視。
この程度では麻酔は切れない。
切れ込みを入れたらその中にスプーンを差し込み、ある程度餡子を取り除く。
ちょうど目を入れる眼窩をイメージすると良い。そんな感じにくりぬいていこう。
最後に適当な「おめめ」を切り口の中に押し込む。
オレンジジュースをかけても良いが、うっかりすると切り口が塞がってしまうので今回はパスだ。
自然治癒を待とう。
そんな調子でどんどん「おめめ」の移植を続けていく。
両目の間とか、後頭部とか、両頬とか、とにかく沢山だ。
結構「おめめ」は色のバリエーションが多いので楽しんで着けていける。
「おめめ」を使い切ったら完成だ。
ハゲまりさ・・・いや、百目まりさはその名の通り、ありとあらゆる場所に瞼らしきものがついている。
目玉が入ったことでその部分が目の機能を始めたのだ。何故か睫毛も生え始めている。
底部以外にびっしりと目がついたゆっくり。正直キモイ。
百目まりさが起きるまで時間を潰す。
とりあえず本でも読むか。
「ゆ・・・・・・ゆぅ・・・・・・」
お、丁度いいタイミングで目が覚めたようだ。
本を投げ捨て、まりさの傍に近寄る。
ゆっくりと、開かれていく沢山の瞼。
怖ぇ。
「ゆっくりしていってね!!!」
テンプレのごとき挨拶。まぁそれはどうでもいい。
百目まりさの顔を構成するのは口意外に、目と目と目と目と目と目と・・・・・・とにかく目だらけだ。
ここで取り出したるは先程取り外しておいたまりさのお帽子。
「ゆっ!!まりさのおぼうし!!かえしてね!!」
複数の目玉が一斉に帽子を見つめる。
試しに帽子を振る。つられて動く大量の視線。
自分で作っておきながらなんだが、もし夜とかに出会ったら卒倒する自信がある。
百目まりさがこちらに向かって跳ねてきた。
怖っ。
思わず百目まりさの後ろに回りこむ。
「ゆゆっ!!?まりさうしろがみえるよ!?なんで!?」
あ、そうだった。
こいつの後頭部にもびっしり目玉を移植したんだっけ。
ていうか今の今まで後ろ見えることに気付かなかったのかよ。
後ろどころか全方位見えるはずだぞ。
これ以上勝手に近寄られても怖いのでさっさと帽子を返すことにする。
百目まりさにむかって帽子を軽く投げる。地面へと落ちる帽子。
ぴょんぴょん跳ねて帽子を回収する百目まりさ。
「ゆっくり!!まりさのおぼうしさん、もどってきたよ!!!」
喜色満面とでもいうべきか。
にっこりと笑顔を作る百目まりさ。
ただ、全部の目が笑っているのでキモい事この上ない。
覚悟を決めてそっと近寄り、百目まりさを持ち上げる。
途端、複数の視線がこっちを向く。怖い。
「ゆぅ~おそらをとんでるみたい!!!」
能天気な百目まりさは放っておいて、じっくりと観察しよう。
うん、やはり全ての目はちゃんと機能しているな。
赤、青、黄、緑、黒。いろんな色の目玉がそれぞれ独立してギョロギョロ動いている。キモい。
どうせなので同じゆっくりにも見せてくるか。
百目まりさを抱え、適当に道を歩く。
こうしていればゆっくりに出会えるだろう。
「ゆっくり!!」
「ゆっくりしていってね!!」
「むきゅ!!」
もう出てきた。
れいむ、ありす、ぱちゅりーの三匹。
早速百目まりさを降ろしてみよう。どんな反応をするのやら。
「ゆっくりしていってね!!!」
「ゆ?・・・ゆっくりしていってね!!!」
「ゆっくりして・・・・・いってね?」
「むきゅ?・・・・・・まりさ?」
あれ、案外普通に挨拶してる。
もっとパニックを起こすものかと思ってたんだが。
飾りさえあれば何でもいいのかこいつら。
「まりさ、なんだかゆっくりできてないよ?」
「ゆぅ・・・・・・まりさがとかいはじゃないわ・・・・・」
「むきゅん・・・・・・なにかへんよ、まりさ・・・・・・」
「ゆっ!?まりさはゆっくりしてるよ!!へんなこといわないでね!!!」
流石に変だとは思うらしく、3匹は百目まりさに対して引き気味だ。
ゆっくりできないと言われ、怒る百目まりさ。いやお前、自分の姿自覚しろよ。
と、ここでネタばらし。百目まりさのお帽子を取り上げる。
「ゆっ、おじさん!まりさのおぼうしとら―――」
「「「ゆぎゃあああああああああ!!!ばげものおおおおおおおおおおお!!!!!」」」
百目まりさの声を遮るように、3匹の叫びが当たりに響く。
帽子取っただけでこれかよ。いい加減な審美眼してるなこいつら。
「ゆっ!?ばけもの!!?どこ!?どこにいるの!!?」
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ごっぢぎだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「お゛も゛に゛め゛がぎも゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
「むぎゅっ・・・・・・え゛れ゛え゛れ゛え゛れ゛・・・・・・」
化け物と聞いて3匹に近寄ろうとする百目まりさ。
そしてそんな百目まりさから逃げ出そうとするれいむとありす。
ぱちゅりーは白目剥きながら痙攣してクリーム吐いてる。こりゃ死んだな。
「ゆあああ!!おいてかないでね!!おいてかないでね!!」
「ぐっ、ぐるなああああぁぁぁぁ!!!!」
「ごわっ、ごわいいいいいいいいいい!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・」
置いてかれまいと必死に2匹についていこうとする百目まりさ。
さらに逃げる2匹。鬼ごっこの始まりだった。
とりあえずぱちゅりーは黒ずみ始めた。誰にも気にかけてもらえてない。
「まってよおおおぉぉぉ・・・・・・れいむぅぅ・・・・・・ありすぅ・・・・・・」
「いやあああああぁぁぁ・・・・・・ごないでぇぇ・・・・・・」
「とがいはじゃ・・・・・・な゛いわぁ・・・・・・・」
そのまま草むらへと消えていく3匹。
特に止める必要も無かったのでそのまま見送ることにした。
しかし本当に誰もぱちゅりーの事に気付いてない。哀れな奴。
さて、百目まりさも居なくなってしまったし家に帰るか。
きっとあいつのことだ。何とか上手く生きていけるに違いない。
そういえば帽子を持ったままだったが、置いていったのだし要らないんだろう。
俺は百目まりさの帽子をびりびりに破いてから意気揚々と家路についた。
非常にどうでもいいことだがそれから数日の間、この町に妖怪が出るという噂がまことしやかに流れた。
なんでもその妖怪は全身に目が付いた生首だとか。
どう聞いても百目まりさの事です本当にありがとうございました。
おわり
―――――
書き溜めです。
そういえば書いてないなと思い適当に仕上げた。
構想3秒、執筆期間30分、推敲0秒。適当は良くないね。
最終更新:2022年05月19日 12:42