※俺設定注意





「ゆぐぐっ・・・うばれるぅ・・・!」
「ゆっ!がんばってね、れいむぅ!」

ミチミチ。ミチミチ。
どこにでもある光景。狭い穴ぐらの中、一匹のゆっくりれいむが赤ん坊を産もうとしていた。
ちなみに胎生出産である。

れいむの顔、その下膨れを押し開き赤ちゃんが顔を覗かせている。
表情はまさにゆっくり。これから自分のゆん生には希望しかないと言わんばかりの満面の笑顔だ。
もうこの時点で鬼意山ならば爪先を百ぺんほどぶち込んでいるだろう。

まぁしかしここには鬼意山どころか妖怪、人間の姿さえ無いのでそういう愉快な事にはならない。本当に残念である。
とか何とか言ってる内に、そろそろ赤ちゃんが出てきそうだ。
どうでも良い事だが出産の痛みによってれいむの顔面は相当面白い事になっている。

「ゆぁっ・・・うばれぁっ!!」
「ゆゆ〜〜〜ん!!!まりさのあかちゃんがうまれるよぉっ!!」

スッポーーン。

コルク瓶の栓を抜いた時に似た軽快な音と共に母より撃ち出される赤ゆっくり。
「『出産』っつーより『射出』じゃねぇのコレ?」と疑問がよぎりそうなほど綺麗な放物線を描いて飛んでいく。


「あがちゃんっ・・・!ゆっぐり、ゆっぐりじでいっでねぇっ!!!」
「まりさのあかちゃん!ゆっくりしていってね!!!」

息も絶え絶えだが、それでも尚赤ちゃんのために挨拶を送るれいむ。
生まれ落ちてきた我が子の為に、生涯最高の笑顔を浮かべるまりさ。
両親の祝福を受けながら、未だ飛行中の赤ゆっくりもそれに応えようとする。





「ゅっ・・・ゆっくちちちぇいっちぇ『パン!』ゆびゅぇっ!!!」





爆裂。
四散。
炎上。

赤ゆっくりは地面に到達する事無く、その生涯を終えた。
享年2秒であった。



「ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?あがぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!?」
「どぼじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇぇぇ!!!?」

何が起こったのか分からぬ親ゆっくり達。
そりゃそうだろう。何も無い所でいきなり赤ちゃんが爆裂四散したのだから。

「・・・・・・ゆぐっ!!?う、うばれる!!まだうばれるよおおぉぉぉっ!!!」
「ゆうっ!!?がんばっでね゛ぇ、れいぶぅ!!」





が。
その後生まれた子供達も全て、空中で炸裂、または産道から顔を覗かせた時点で四散してしまった。

「どぼじででいぶのおちびぢゃんがあああぁぁぁ!!!?」
「なんでゆっぐりじでぐれないのおおおぉぉぉっ!!?」

もはや燃えカスとなった我が子たちを見ながら親ゆっくり達は絶望した。



親ゆっくり達には赤ゆっくり達が突然死んだように見えたが、実はちゃんと理由があるのだ。
赤ゆっくり達は殺された。ある存在に打ち負かされ、否定され、そして燃やし尽くされた。
ではその存在とは・・・・・・それは、大気を漂う『水の分子』である。

もう人間がどうだとか、捕食種がこうだとか言うレベルではない。
ゆっくりはその脆弱さを極め、とうとう分子にすら敗北したのだ。
この調子でいけば原子一個に負けるのも時間の問題であろう。



悲劇――喜劇?――はこれだけで終わらなかった。
この日を境に、世界中のゆっくりが窮極の進化を遂げたのだ。
弱者たるゆっくりの最終進化。
この世の構造そのものに耐え切れない泡沫の存在。



それから間もなくゆっくりは絶滅した。



―――――
書き溜めです。パクっちゃったZE☆
『本当に弱い』ってのはなァ!!こういうレベルの事を指すんだよォッ!!
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最終更新:2022年05月19日 12:45