賢い留守番のさせ方

	書いた人 超伝導ありす



小ネタです。
このSSは以下の要素を含みます。苦手な方は読むのをお控えください。

  • 罪のないゆっくりがひどい目に遭います
  • ゆっくりは死にません
  • レイパーありすが出ます
  • ぬるいじめ





 その家には、一匹のゆっくりまりさが飼われていた。
 ペットが居るというのに、お兄さんはこれから仲間たちとの一泊旅行を控えている。
 無論、連れて行く気はまったく無い。

「さーて、まりさ。留守番たのむなー」

 お兄さんが取り出したるは、一本のお酢が入った瓶。

「こんかいはやめてね!おるすばんしたくないよおおおお!!」

 前にも同じ目に遭った記憶があるのか、激しく拒絶するまりさ。
 しかし、家畜に拒否権などない。

「いやだよおおおお!!もうおうち…ごぼごぼ…!」

 お兄さんに取り押さえられ、仰向きの状態で固定されたまりさは、喉にお酢の瓶を逆さにして突っ込まれた。

「ごくん!ごくん!」

 まりさは真っ青な顔で涙を盛大に流しながら、その行為に耐えた。
 涙と取って代わるように、大量のお酢が、まりさの餡子を浸食してゆく。

「げえほっ!げっぷ!ゆえええええ!」
「じゃあ、明日まで宜しくな!」

 お酢を飲み干したまりさの体からは、つ~んとお酢の酸っぱい匂いが漂っていた。
 お留守番の時、まりさ必ずは同じような目に遭わされてきた。
 だが、まりさの『おうち』はここしかない。
 このまりさは、仲間からも自然からも爪弾きにされ、野垂れ死にそうになっていた所を拾われたのだ。
 その傷跡は今も残っており、他のゆっくりのように元気に跳ね回ることはできない。

 お気楽な飼い主に取り残され、まりさはぽつんと部屋に取り残されていた。
 ちなみに、お酢の匂いが充満しては困ると、お兄さんはわざと小窓を開いておいた。
 なかなかの確信犯である。




 その日のお昼、まりさがもそもそと食事をしていると、ゆっくりの一家がぞろぞろと部屋に入ってきた。
 言わずもがな、開けっ放しにしておいた、ゆっくりサイズの小窓からである。

「ゆゆっ!ここはきょうかられいむたちのおうちだよ!」

 小窓から侵入してきたのは、成体のれいむと、たくさんの子ゆっくりたち。
 せいぜい七匹しかいないのだが、三匹までしか数えられないまりさには、そんな風に見えていた。

「そこのまりさ!ここはれいむのおうちだよ!はやくでていって…ゆゆ?」

 れいむはお留守番まりさを眺めて、小首をかしげる。

「このまりさ、なんだかくさいね!はやくでていってね!」

 まりさから発せられる、つ~んとしたお酢の匂いに気づく親れいむ。

「はあ」

 まりさはゆっくりらしからぬ、大きなため息をついて、ちょっとだけ抵抗してみる。

「ここはおにいさんとまりさのおうちだよ、かんけいないれいむたちはでていってね」
「なにいってるの!?ばかなの?」

 れいむは、蔑むような顔をして。

「おお、くさいくさい。まりさみたいなきたないゆっくりが、おうちなんてもてるわけないよ!」
「くちゃいくちゃい!」
「きたないまりさはしね!」
「はやくでていってね!」

 子れいむたちも、母親の威を借りて騒ぎ立てる。
 ゆっくりしたけりゃ勝手にしろよと言いたいところだが、まりさは留守番を任された身。
 自分の体が不自由なのもあって、動く気はまったく無かった。

「そっちがそのきなら、じつりょくこうしだよ!!」

 母れいむがまりさに飛びかかる。
 まりさに出来ることは、床に踏ん張ることだけ。
 しかし抵抗もむなしく、れいむを受け止めた衝撃で、ころりんと押し倒されてしまう。
 そこへ、調子に乗った子れいむたちが殺到した。

「やめてね!ぼうりょくはゆっくりできないよ!」
「うるちゃいよ!」
「やべでねえええ!!」

 まりさは顔を左右に捻って抵抗し、大粒の涙を振りまいた。

 まりさの餡子にはお酢が浸透している。
 もちろんこの涙も、お酢に汚染されていた。

 否、汚染なんてものではない。
 お酢そのものと言っても間違いないほどの威力だった。
 その水弾が、まりさを取り巻いていた子ゆっくりたちにびちゃびちゃと当たる。

『ゆぎゃああ!くちゃいよおおお!!』

 子ゆっくりたちがその匂いに悶絶する。
 匂いの発生源が増え、部屋中に強烈なお酢の匂いが充満した。

「おちびじゃんだちがああああ!!」
「ゆっくりできないいいい!」
「おかーしゃあああん!!」

 小窓から、匂いに耐えられなくなった母れいむが飛び出し、子れいむたちが後に続く。

「こないでねええええ!!こんなくさいこは、れいむのこどもじゃないよおおおおお!?」

 そんな、母れいむの叫びが遠のいていった。





 次の日の昼。
 今度は小窓から、ありすがまりさのことを覗いていた。
 ただのありすではない。
 レイパーありすだ。

 まりさは、お兄さんが置いていった最後の餌に口を付けていた。

「そろーり、そろーり」

 自分の背後から、何者かが近づいてくることには気づいていた。
 しかし、相手が何者であろうと、もはや昔のように動けない自分に満足な抵抗は出来ない。
 まりさは、ゆっくり振り向いた。

「こんどはだれな…ゆゆゆゆ!?ああああ、ありすだああああ!!」

 だが、相手の正体を知ると、まりさはそんな達観なんぞ丸投げするしかなかった。
 はぁはぁと荒い息。
 キラギラした熱視線。
 もはや結末は見えたようなものだった。

「まりさぁあぁあぁあぁ!!!」
「こないでねええええ!!!」

 ありすにとっては、レイパーでなくとも大好物のまりさ種が相手である。
 レイパーありすはたちまちのぼせ上がり、まりさを部屋の隅へと押しやった。
 そして始まる、激しい上下運動。

「れいぱーのこどもなんでうみだぐないいい!!!」
「わだじのこどもは『どかいは』よおおおお!!あんじんしてうんでねええええ!!」

 まりさの体を丸ごと突き上げるような動きに、まりさの体も否応なく熱くなる。
 当然ながら、涙が浮かび体液が滲み出し、涎が溢れ出した。
 そのすべてが、お酢だった。

「うんぎゃあああああ!!?」

 悲鳴を上げたのは、レイパーありす。
 ありすが気がついたとき、自分の体はすでにお酢まみれだった。
 まりさとの行為に夢中になっていたせいである。

「どうじでくさいのおおおお!?ありすのおはだがあああああ!?」

 ありすは百年の恋も冷めたような勢いで、小窓から飛び出していく。
 結果的に、まりさはレイパーの子を宿さずに済んだものの、レイプされたショックからはすぐには立ち直れなかった。
 それだけではない。
 部屋の床には、お酢のような粘液が、べっとりと染みついてしまっていた…。





「ぺーろ、すすす、すっぱいいい!」

 まりさは、お酢の酸っぱさに飛び上がって悲鳴を上げた。
 だが、それで終わるわけではない。

「おらおら、さっさと掃除しねえか!」

 お兄さんはその日の夕方、帰ってきた。
 そして帰ってくるなり、まりさに床の掃除を命じたのだ。
 汚れは、まりさとありすが残した粘液である。

「レイパー相手にヘコヘコ腰なんぞ降りやがって。舐め終わるまでメシ抜きだ!」
「ゆひぃぃぃ、ゆひぃぃぃ」

 ヒリヒリする舌を休める暇もなく、再び床に舌を這わせるまりさ。

「ぺーろ、すっぱ!すっぱ!」

 まりさはその後、朝まで床と格闘し、宙を舞った。
 だが、まりさの『おうち』はここしかない。
 寿命が尽きるかお兄さんの気が変わるまで、まりさはお酢と向き合っていくしかないのだ。





あとがき
 息抜きというか、なんというか。
 早く続編書かないと怒られそうですね。

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最終更新:2022年05月19日 15:05