ちょっとした実験・後編


※オリ設定
※無駄に賢いゆっくり
ゆっくりいじめ系1814 ちょっとした実験・前編の続き






翌日の昼ごろ、お兄さんCがお兄さんA宅にやって来た。

「おーす」

「うーす。持って来たよ。思ったよりすぐ見つかった」

そう言ってCは手に持っていた大きい袋の口を開ける。

中にはゆっくりまりさとゆっくりありすが入っていた。どちらも生体サイズだが

ありすの方がサイズが大きく、腹部(?)が大きく膨れている。身篭っているのだ。

「まりさには強力な睡眠薬を飲ませたからもうしばらくは起きないはずだよ」

「おお、さすがC。捕獲のプロ」

「ゆっくりを捕まえるなんて誰でもできると思うけどね」

Aはありすを起こさないようにゆっくりと袋からだし、膨れている腹部に手を当てる。

「このサイズでこの重量だと、2〜3匹くらいかな、子ども」

「今回のターゲットはありすなんだよね?こっちのまりさはどうするの?」

「ん?それは実験後に使うからそのままにしておいて」

「ほいほい」





このゆっくり夫婦は森の巣の中でゆっくりしていた。

基本的に妊娠しているゆっくりは胎児に負荷をかけないために巣でじっと過ごすのだが、

このありすは「とかいはは外の空気をすわないとゆっくりできない」という理由で

巣の外に出ていた。お兄さんCは「ゆっくりに存在を気づかれない程度の能力」を

使って森を散策中、このありすを見つけた。森の新鮮な空気を吸っているありすの

横に座り、妊婦と確認。Aからは「できれば夫婦揃えて持ってきて欲しい」と

頼まれていたので、そのままゆっくりと片割れの帰宅を待った。

その数十分後、伴侶と思われるゆっくりまりさが帰ってきたところを、

睡眠薬を強引に2匹の口の中に入れて眠らせた。





「おーす。来たぞ、A」

玄関からBの声。

「おー、上がってくれー」

「ありすには効果薄めの睡眠薬使ったから、そろそろおきると思う」

「おっけー。それじゃ、始めるか。あ、B。地下室に昨日のゆっくりれいむが

いるから、俺が呼ぶまで適当に虐めててくれ」

「おー。別に殺してもいいんだろ?」

「Bに任せるよ。あ、それとこれ」

「ん?何だこのまりさ」

「これは殺しちゃ駄目だぞ。あとで使うから。この実験、まりさに見られちゃ

まずいから、念のために地下に持っていってくれ」

「へいへい。うおームカつく寝顔してやがんなこいつ」

Bはまりさを脇に抱えて玄関左脇の扉を開き、階段を降りていった。




「れいむの悲鳴で起きないかな?」

「あぁ、うちの地下は2部屋あるんだ。音がよく響く大部屋と、防音部屋」

「・・・何に使うか一発で分かったよ」





「ありすー。朝だよー起きろよーゆっくりしていってねー」

Aがありすの頬を軽く叩く。

ありすは何かむにゃむにゃと言いながらゆっくりと目を開く。

「おはようありす!ゆっくりしていってね!!!」

「ゆ・・・ゆっくりしていってね!!!」




本能に従って元気いっぱいの挨拶を返すが、ここがいつもの「おうち」ではないと

分かると、警戒し始めた。

「ゆ・・・ここはどこ?」

「ここは僕の家だよ。昨日森でありすとまりさが倒れていたのを見つけて、ここまで

運んできたんだ」

「ゆ・・・そうなの?まりさは?まりさはどこにいるの?」

「まりさは君より先に目が覚めて、ごはんを探しに行ったよ」

「ゆ・・・」





妊娠ゆっくりは伴侶に依存することが多い。それもそのはず、身篭っている間は

満足に動けず、餌の調達や身の回りの世話はすべて伴侶に任せきりに

なってしまうのだ。巣で一人でいるのは慣れているだろうが、見知らぬ地で

自分一人ということで不安になっているのだろう。


「おにいさん、ありすをおうちにかえしてね!」

「え?いや、それは困るよ。まりさに帰ってくるまでここでありすを守っててねって

言われたんだ。ありすだって、昨日何で気を失ったか分かってないんだろ?」

「ゆ・・・それはそうだけど」

「もしおうちに帰ってる途中にまた気を失って、そのまま夜になったら

どうするの?れみりゃに食べられちゃうかもよ?」

「ゆ・・・!」

「ここならもしありすに何かあっても僕が助けてあげられるし。それにまりさには
僕の友達が一緒についていってるから、大丈夫」

「ゆぅ〜・・・」

「それにありすにはお腹に赤ちゃんがいるんだろ?だったら安静にしておかなきゃ」





ありすは納得のいかない顔をしていたが、お腹の子どものことを考えると、無理に動くのは危ないと判断したようだ。

「ゆ・・・わかったわ!まりさが帰ってくるまでゆっくりしてるわね!」

「うん。ありす、ゆっくりしていってね!!」

「ゆっくりしていってね!!」





それからAはありすの気を紛らわすためにおかしを用意し、適当な会話を始めた。

ありすの髪はきれいだね。

ありすの声はきれいだね。

伴侶のまりさはすごくかっこいいまりさだね。

あんなかっこいいだんなさんがいるなんてありすは幸せ者だね。

ありすは、とかいはだね。



思ってもない嘘を並べただけで、ありすは満足げな顔をする。





さぁ、実験開始だ。


「そういえばありす、今都会では『あべこべごっこ』が流行ってるって知ってる?」

「ゆ?あべこべ?」

「そう。言いたいことの意味を逆にして相手に伝える遊びだ。

例えば「ゆっくりしないでね」と言ったら、意味が反対になって「ゆっくりしてね」って

意味になるわけだ。ありす、知ってた?」

「ゆ・・・も、もちろんしってるわ!ありすはとかいはだもん!」

「ホントに〜?じゃあ、「このおかし美味しくない」って言ったら、どういう意味になる?」

「ゆ・・・えっと・・・このおかしは、おいしいっていみよ!」



「それじゃあ、「だんなのまりさはぶさいく」って言ったら、どういう意味になる?」

「ゆ!ありすのまりさはぶさいくじゃないわ!!!」

「ほらほらありす、『あべこべ』だって」

「・・・・・・ゆ!そうよ、ありすのまりさはびじんよ!」

「うんうん、さすがとかいはなありすだね。じゃあとかいはありす、もし赤ちゃんが

産まれたらどんな挨拶をする?」

「ゆ!きまってるわ!ゆっくり・・・しないでね!」



「かわいいゆっくりを褒めるときは?」

「ゆ・・・かわいくないゆっくりだね!」

「そうそう!他にも「ぶさいくだね」とか「気持ち悪いね」とか言えばより一層相手に気持ちが伝わるよ!」

「ゆ!ゆっくりりかいし・・・してないよ!」

「おお!すごくないねありす!やっぱりとかいはは賢くないね!!」

「ゆぅ〜ん/////」

思ったよりも頭(餡)の回転が早いゆっくりのようだ。これならすぐにでも始めても大丈夫だろう。





「おや?ありす、体にごみが付いてるよ?」

そう言ってお兄さんAはありすの産道より少し上を指で突いた。

産気を促すツボだ。膨れた腹の大きさからしてはすでに妊娠してから数週間経っている

だろう。今産ませても問題ないはず。




「ゆぐ・・・!お、おにいさん、あがぢゃんがうばれるよ!」

「お、ホントだ。産道が開いてるよ。ありす、がんばって!」

「まりざは・・・?おにいざん、まりさはまだがえっでごないの・・・?」

「うん、そうみたい。ありす、我慢したらお腹の子に悪いよ。すぐに産まないと」

「ゆぐうううううう・・・!」





顎下の産道はどんどん大きく開き、中からゆっくり独特のニヤけた顔が出てくる。

この光景ばっかりは何度見ても慣れない。おお、おぞましいおぞましい。



「ありす、よく聞いてね」

「ゆっぐ?!」

「さっきの『あべこべ』を忘れちゃいけないよ、とかいはならね」

「ゆぎ・・・わがっでないよ・・・ありすは・・・どがいばじゃないがらね・・・!」



その数分後、一匹目の赤まりさが産道から勢いよくぽーんと飛び出した。

動物型出産で産まれたゆっくりは、着地し、後ろに振り返って母にあいさつを

する習性がある。この赤まりさも例外なくそれを行おうとして―――――



(ごめんね〜)



産道の前に気配を消して待ち構えていたお兄さんCの手によって阻まれた。

お兄さんCは前もって開けておいた窓へ向かって、手にしている赤まりさを

思いきりぶん投げた。おそらく「おそらをとんでるみたい」とか思っているだろうが、

数秒後には物言わぬ餡子になっているだろう。




ありすは出産の痛みで気づいていない。

続いて産まれてきた赤まりさも同様にCによって処分された。今回の実験では

赤ゆっくりは1匹だけいればいいのだ。






最後に産まれてきたのは赤ありすだった。

希望いっぱいの笑顔で振り返り、愛しい母に向かってあいさつをする。


「ゆっくちちていっ「ゆっくりしないでね!!!!」」









数秒、赤ありすの動きが止まった。
お兄さんAは吹き出しそうになるのを必死で堪えた。


「あ、ありす、よかったね!ブサイクな赤ちゃんがうまれたね!」

「ゆ!そうだね!ブッサイクなあかちゃんだね!!」

「ゆ・・・ゆうううううう?!」





実験の内容は、こうだ。

ゆっくりは思い込みや想像で体に変化が起こる。

ゆっくりは自分の家族だと認識さえすれば、よほどの理由がない限りその容姿を

貶めるような発言はしない。また、家族でなくとも同属のゆっくりの容姿を褒めることは

あってもバカにするようなことは滅多に無い。

故にどのゆっくりも自らの美しさ(笑)、かっこよさ(笑)に絶対の自信を持っているのだ。

ではもし、「自分がブサイクだ」と思い込んだら、そのゆっくりはブサイクになるのか。





という訳で、今回は実の子どもを「ブサイク」と罵る親を用意した。

この親ありすは意味を逆に捉えることをとかいはだと信じているが、

そんなことは産まれてきたばかりの赤ゆっくりが知るはずも無い。

「どうちてしょんなこというのおおおお?!ありしゅはぶしゃいくじゃないよおお!!」



ブサイクじゃない=カワイイ
  ?
ブサイク



「どおしてじぶんのことカワイイとかいってるのおおおおお?!!!

あかちゃんどうみたってぶさいくでしょおおおおおおお?!」

「だからぶしゃいくじゃないよおおおお!!!!!!!!」

「ぶさいくなありすからうまれたんだからぶさいくにきまってるでしょおおおお!!!!」

「ゆううううううううう!!!!!どうじでしょんなこ(ry」



こんなやりとりを30分ほど続けさせた。

親ありすは自分のことをブサイク=カワイイと言い続け、赤ありすにも

ブサイク=カワイイと言い続けた。が、赤ありすにその真意が伝わるわけもなく、

嫌々ながら納得するまで、親に「ブサイク」と言われ続けた。





「ゆ・・・ゆぅぅ・・・」

赤ありすは力なく泣き続け、

「ゆん!ゆん!ありすがカワイイだなんてしつれいにもほどがあるわ!!」

親ありすはぷりぷりと怒っていた。キモい。





さて、もう十分だ。これだけ親にブサイクと言われたんだ。

「自分はブサイクなんだ。ブサイクな母から産まれてきたブサイクなんだ」と思い込んでるはずだ。

人間の目から見た限りでは何も変わっていないが、ゆっくりの視点からだと

何か変化が起きているだろう。これ以上続けて親ありすが妙なことを言い始める前に

実験結果を見てみよう。



「よし、C。親ありすを連れて外に出てくれ。そいつはもう用済みだ。

殺っちまってもいいよ」

「がってんだ」

お兄さんCは親ありすを抱えて外に出て行った。



「ゆ、おにいさん!あかちゃんとゆっくりさせないでね!!」

「うん、わかったよ。ありすはずっと赤ちゃんとゆっくりしたくないんだよね?」











お兄さんAはお兄さんBの携帯電話に連絡を入れる。

3コール後、




「痛い痛い痛いやめてやめてやめてゆんんんんんんんぎゃああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



電話の奥かられいむの凄まじい悲鳴が聞こえてきた。

『おう、A。もう終わったのか』

「お楽しみのところすまないな。まりさを連れて来てくれ」

『うーす』

お兄さんAは電話をきり、めそめそと泣いている赤ありすの前に座る。




「ありす、そんなに泣くなよ。今からまりさお母さんがここに来るんだぞ」

「ゆ・・・でも・・・」

「さっきのありすお母さんはな、性格が悪いことで有名だったんだ」

「え・・・?」

「ほら、ここにお前の姉妹いないだろ?さっきのありすが殺しちまったんだよ」

「ゆ・・・なんで・・・しょんなこと・・・」

「ああほら泣くなって。でもなお前のまりさお母さんはすっごく優しいんだぞ?」

「ゆ・・・ほんと?」

「ああ。ありすが自分の手に負えないと分かると、せめて1人でもいいから

助けてあげてくれって僕に頼んできたんだ。ずっとお前たちのことを心配してたんだぞ?」

「ゆ・・・ありしゅ、まりさおきゃーさんにあいたいよ!」




やがてBがまりさを連れて居間にやって来た。

睡眠薬の効果が切れ掛かっているのか、意識が覚醒しつつある。


「おい起きろドまんじゅう」

Bがまりさの後頭部を軽く殴る。

「・・・ゆぇ?」

まりさが目を覚ますと、そこには・・・






「まりさおきゃーさん!ゆっくちちていっ「なにこのブサイクなありす」」




















      • というわけで、長くなったが今回の実験はここで終了。
どうやら「自分はブサイク」と思い込んだゆっくりはブサイクになるらしい。
どこがどう変わったのかはサッパリ分からないが。










その頃、森では行方不明になった愛しの妻を捜すゆっくりまりさがいたとかなんとか。







(あとがき)
読みにくい文章でしたが、ここまで読んでいただき
ありがとうございました。

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最終更新:2022年05月21日 23:05