ここらで小ネタでも

「「「「ゆっくりしていってね」」」」
ある日ある時ある場所で
ゆっくりまりさ(生首で金髪。大きな帽子を被るものを言う)とゆっくりれいむ(生首で黒髪。紅いリボンで髪を纏めたものを言う)
ゆっくりぱちゅりー(生首で紫系の髪色。ラン、スー、ミキを手下にするものを言う)とゆっくりありす(生首で金髪。カチューシャで髪を纏めたものを言う)が突然話しかけてきた

「ふむん」
予てから噂に聞くゆっくり。実際に見るのは初めてであったが
これはある意味で好都合。前々から疑問だった点を問いただすことにしようと思う

「やあ、ゆっくりさせてもらうよ。ところで君達、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな」
「ゆ? なーに」
「ゆっくりしていってね。って言うけど。ゆっくりって一体どんなことを言うんだい?」
「ゆ?」
そう。ゆっくりたちが常に口から出す『ゆっくり』と言う言葉
だが実際に聞いたゆっくりの行動は、食べ物目当てに畑を荒らす。窓を割って家に忍び込み什器を荒らす
ナレーションを務める堀内賢雄を島流しにする(本人の写真映像付き)など到底ゆっくりしているとは言いがたい
果たして彼女らの言う『ゆっくり』とは何なのか。
ここは一つ実践してもらおう


ケース1:ゆっくりまりさ(生首で金髪。大きな帽子を被るものを言う)の場合

「ゆ! これがまりさのゆっくりだぜ!
 だからたべるものをよこすんだぜ!」
仕方ないので昼飯のオムスビを渡す。すると物凄い勢いで食べ尽くした
「むーしゃむーしゃ! しあわせー!
 これがゆっくりするってことだぜ!」
どことなく生首を逸らし気味に宣言するまりさ
だがそこで一つの疑問が浮かぶ

「なあ、それは『食事』であって『ゆっくり』じゃないんじゃないか?」
「ゆゆゆ!? そ、そういわれればそんなきがなきにしもあらずというか……」


ケース2:ゆっくりれいむ(生首で黒髪。紅いリボンで髪を纏めたものを言う)の場合

「まりさはだめだね! れいむがしんの『ゆっくり』をみせてあげるよ!」
そう言うが早いかれいむは目を閉じ…………寝やがった
「おーい。起きろー」
このままでは話が進まないので発情しない程度に揺り起こす
「ゆ? ゆっくりできたよ!」
どことなく生首を逸らし気味に宣言するれいむ
だがここでも一つの疑問が浮かぶ

「なあ、それは『睡眠』であって『ゆっくり』じゃないんじゃないか?」
「ゆゆゆ!? そ、そんなことはないはず……だと…おもう…よ…」


ケース3:ゆっくりありす(生首で金髪。カチューシャで髪を纏めたものを言う)の場合

「ふふん。みんなだめね。ここはありすがとかいはのゆっくりをおしえてあげるわ!
 だからおにいさん。ちょっとそのへんにいる"ゆきずりのまりさ"を捕まえてきてね!」
「それは『ゆっくり』じゃなくて『すっきり』だな。はい次」


ケース4:ゆっくりぱちゅりー(生首で紫系の髪色。ラン、スー、ミキを手下にするものを言う)

「むきゅん! おにーさん。ぱちゅりーになにかごほんをちょうだいね!」
仕方が無いので丁度よく持っていた凸版印刷の豆本「小倉百人一首」を渡す
「むきゅむきゅ! むきゅっ!?
 むきゅー。血沸き肉躍る冒険物ね!」
歌道の入門書だよ。実は字が読めないんじゃないかコイツ
「むきゅーん。どうわかった? これが『ゆっくり』よ」
しばらく眺めていたら生首を逸らして宣言してくる
だがやはり一つの疑問が浮かぶのだった

「なあ、それは『読書』であって『ゆっくり』じゃないんじゃないか?」
「むきゅきゅきゅきゅきゅ!?」


「そうか。ゆっくり、と言うくらいだからさぞ素晴らしいゆっくりの仕方を知っていると思ったんだが……。
 君達は本当は全然。全く。欠片も『ゆっくり』できない生き物だったんだね。
 いやすまない。出来ないことを無理にお願いしたりして。それじゃ随分と時間も経ったしもう行くよ。
 みんな元気でね」
そう言い残してその場を去っていく

「ゆ! なんだかしらないけどたべものもらえたからまあいいんだぜ」
「ゆゆ! よくわからないけどたのしかったよ」
「ゆゆゆ! しょせんいなかものにはとかいはのゆっくりはれべるがたかすぎたのね!」
「むきゅむきゅむっきゅーん! このごほんはぱちゅりーのものね」
どことなく誇らしげにふんぞり返りながら、よくわからない勝利の余韻に浸る四匹
空は夕焼けに染まり、間もなく夜が訪れようとしていた

「そろそろひがくれるんだぜ。ゆっくりもどらないとまずいんだぜ」
「そうね。そろそろいなかもののれみりゃがであるくころだものね」
「それじゃみんな。ゆっくりかえる……よ?」
「むきゅ……ゆっくり…かえるのよ…ね?」

「「「「…………」」」」

押し黙る四匹
ちらちらお互いの顔を窺い、誰かが話し出すのを待っていた

「……はやくもどるんだぜ?」
「……とかいはは『ゆっくり』うごくものなのよ?」
「……はやくもどるのは『ゆっくり』じゃないよ」
「……じかんをきにせずもどってもそれは『ゆっくり』じゃなくてのんびりになるわ」

「……『ゆっくり』ってどんなんなのぜ?」
「……『ゆっくり』は『ゆっくり』することだってとかいはのありすは『ゆっくり』おもうわよ?」
「……ありすははやくちでなにいってるかわからないよ。『ゆっくり』してないよ」
「……ゆ、ゆっく…り…?」

「「「「あああああああああああああ!!!!」」」」

「わがらないいいい!! ゆっぐりがなんだったがわがらないいいい!!!!」
「ゆっぐりでぎないいいいいいい!!」
「ゆっぐりじだいよおおおおおおおおおおおお!!!」
「むっぎゅうううううん!!!」


その日を境に四匹は姿を消した
人間が意識して歩こうとすればうまくいかないように
本能で理解していたはずの『ゆっくり』は彼女達の中から消えうせていたのだ
だがいつか彼女達は伝説のゆっくりプレイスに辿り着き、思い出すだろう
その時こそ、再び響き渡るのだ


「「「「congratulation……! congratulation……!
   おめでとう……! おめでとう……! ゆっくりおめでとう…!」」」」

の言葉が……!!

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最終更新:2022年05月19日 15:13