地面を這いつくばる汚らしい饅頭達は。のそりのそりと動き回り、雑草や廃棄物を食らい、簡単に潰されゴミと化す。
脆弱な存在であるのに、自らが最強の存在であることを疑わない。能力とプライドが釣り合わず、勝手に破滅していく存在。
手を下さずとも消えていくものではあるが、真っ二つに切り裂いた時の爽快感と、斬られたことに気づかずキョトンとしたままその一生を終える無様さを見るのは一興であった。
今日も辻斬りは獲物を探して放浪する。
「ゆぅ……ゆうううう……」
「おそいっ! ぜんっぜんおっそいよ!」
れいむが叫んだ。
「なんでそんなへたっぴなのかな? ちゃんとやればできるはずだよね?」
「ゆっぐぢぃいい!!」
れいむの子ゆっくりであるまりちゃが泣き出した。
「うるさいんだよ! おまえはいつもそうだね! すぐなくんだから!」
「びぎゃああああっ!! びえええええん!!」
れいむの子供は全部で5匹いる。
長女まりちゃ、次女ありちゅ、三女ぱちゅりー、四女まりしゃ、末っ子まーちゃだ。
だいたいはとても可愛らしい姿をしている。
だが、このまりちゃだけは特別だった。
他の4匹よりもひとまわり大きく、しかも顔つきが醜かった。
れいむは毎日のように怒鳴っていた。
「どうしてこんなにできないの!?」
「ごべんなじゃいいい! ゆるじでぇえ!」
「まったくもう! これだからおばかなまりちゃはきらいだよ!」
「おねがいじまじゅ! どぼじでまりじゃばこんななんでじょおお!!」
「うるさいっていってるんだよ!!!」
「びょげっ!?」
れいむは思い切りまりちゃを蹴り飛ばした。
まりちゃは吹っ飛んで転がったあと、すぐに起き上がって言った。
「こ、ころじゃないでくだじゃい…」
「ふんっ! しらないよ! どうせまたさぼってるんでしょ!? はやくこい!」
そう言うと、れいむは家の中へと入っていった。
まりちゃはしばらく呆然としていたが、やがてよろよろと立ち上がった。そして家へ入り込むと、疲れ切ったように寝てしまった。
そんな姉の様子を気まずそうに見る妹たち。
「まりちゃ、まだだめみたいだねえ」
「でもしょうがないよ、あんなんじゃ」
「うん…かわいそうなまりちゃ…」
四女まりしゃ以外の妹たちは同情した様子だったが、どこか冷めた目をしていた。誰もまりちゃのことを姉扱いしていないのである。
もうすぐ亜成体になろうともいうのに、未だに舌っ足らずの姉。何をやらせても役に立たない存在。
でも、さすがにその扱いは酷すぎるのではないかとまりしゃは思う。
「まりしゃははやくひとゆんだちしたいのぜ…」
こんなところにいたら、心が腐ってしまう。早く離れて、他ゆんを助けるゆっくりになれれば。そんなことを考えながら。
曇り空が広がった、絶好の狩り日和。雨が降りそうで降らない天気は、人間が少なく、帰宅しようと焦るゆっくりたちがうろついている。
みょんは、電柱の陰に隠れ、いつもの通り獲物を探す。そして、狙いを定める。
近くを通りかかったのは、やせ細ったれいむと、子であるれいみゅだ。れいみゅはかなり衰弱しており、れいむの頭上に乗せられていた。
おそらく食べるものがなくてああなったのであろう。人間に食べ物をねだり、潰されるのはそう遠くないだろう。
みょんは、電柱から姿を現し、れいむとすれ違う。そしてすぐ振り返り、れいみゅを切り裂き、その場を去る。
「びゅっ…」
「ゆ?」
れいみゅの断末魔にれいむは立ち止まる。何が起こったのか分からないまま、「おちびちゃんどうしたの?ゆっくりだよ…」とか能天気なことを言っている。
れいみゅが死んだことに気づくのは、しばらく後のことである。
それにしても、とみょんは思う。
「このまちも、つまらなくなったみょん。そろそろつぎのまちにいくみょん」
そう呟くと、次の獲物を探し始めた。
「……ん? なんだかあっちが騒がしいみょん」
ふと見てみると、道端で饅頭どもが何か喚いている。人間もいるようだ。
「にんげんさん、ごはんください! おなかぺっこぺこです!」
「やだやだ! おなかすいたよお!」
「おねがいします! おやさいでいいんです! なんでもいいからたべさせてください!」
どうやら、人間に物乞いをしている。この先の展開は簡単に読めることから、みょんはすぐにその場を離れることにした。
「ろくなことにならないみょん」
案の定、糞饅頭の叫び声が鳴り響いたのは、みょんの姿が見えなくなってからだ。
みょんは、街から出るべく準備を進めた。それにしてもこの街には何だかんだで長く滞在してしまった。いろいろ刺激的なこともあったが、これまでだ。次は山沿いの村にでも行こうか。
そんなことを考えていると、準備は完了してしまった。
辺りは夕暮れであり、そろそろ捕食種が飛び交う時間だ。だが、みょんにとっては、獲物の種類が変わるだけで特に問題はない。
「それじゃあいくみょん。もうここにはもどらないかもしれないけど、たっしゃでやるみょん」
誰に言うわけでもなく独り言を言うと、みょんは、進み出した。
しかし、少し歩いたところで足を止める。
「…………わすれてたみょん」
みょんは、自分がなぜこの街に来たのかを思い出したのだ。
そういえば最近、”狩りらしい”狩りをしていない。
たまには狩らないと腕が落ちてしまう。それはみょんにとって死活問題なのだ。
「そうときまれば……」
みょんは、”獲物”が待つ場所に向かった。
そこは、とある公園であった。ここは、ゆっくりたちの溜まり場となっており、よく群れをなしている。その数は100匹ほどだろうか。
「みんな、ひさしぶりだみょん」
みょんは、広場の中央にある大木の上にいる。そこから下を見下ろしながら、ゆっくり達に声をかける。勿論こんな時間に出歩くゆっくりは少ない。
「それじゃあいくみょん」
みょんは木から飛び降りると、ゆっくりの住処を襲い始めた。
「ゆぎゃああああ!!!」
「やめでねえ!!」「ゆんやあああ!!」
家の中でくつろいでいた糞袋達は、成すすべもなく切り捨てられた。100匹もいたゆっくりもあっという間に残り数匹となった。
みょんは、長の家に向かう。入口を破壊するまでもなく、長はゆっくりと現れた。
「むきゅ…なんのよう…」
「みょんは、きょうでこのまちからいなくなるみょん。だからみなごろしにきたみょん」
「!? なにをいってるの!?」
「もうだいぶしんだみょん。つぎはおさみょん。かくごするみょん!」
「ひぃいいいい!」
みょんが、プラスチック製の小型ナイフで長を斬りつけようとしたところ、「まつんだねー」と気の抜けた声が割り込んだ。
「…やっときたみょん」
声がする方を見ると、一匹のちぇんが近づいてきているのが見えた。このちぇんはゆっくり相手に行商を営んでおり、みょんとはいろんな縁があった存在である。
「まつんだねー そのゆっくりは、ちぇんのおとくいさまなんだねー」
みょんは、黙って小型ナイフを行商ちぇんの方に投げる。ナイフは、行商ちぇん目掛けて真っ直ぐ飛んだが、なぜか行商ちぇん付近で方向がブレて外れてしまう。
「どういうしくみみょん…」
「ちぇんは、こうかんできるおやくそくをしているんだねー もしこのおさがころされたら、かわりにちぇんがおさになるんだよー」
「みょっ!?」「なんですって?」
「じょうだんなんだねー わかれよー」
行商ちぇんは軽いノリで話しているが、目元は笑っていない。隙あればいつでも群れを乗っ取ろうとしている目である。しかし、その群れはみょんによってほぼ壊滅状態。
「それにしてもどういうつもりなんだねー わからないよー」
「こうでもしないとあらわれないみょん。みょんとしょうぶするみょん」
行商ちぇんは憐れむような顔をして
「まえもいったんだねー みょんはちぇんにはかてないんだねー どうかんがえてもむりなんだねー わかってねー」
「それはどうかみょん?」
そして、みょんは、行商ちぇんに飛びかかった。みょんのナイフは、行商ちぇんの顔面に吸い込まれるように飛んでいくが、またもや途中で軌道を変え、明後日の方へ逸れる。
「なにをしたみょん!」
「ゆっくりできないことをするとそうなるんだねー そういうふうにできてるんだねー」
「それならこっちは、こうみょん!!」
みょんは、再び飛びかかる。今度は、ナイフではなく石を投げていた。
「そんなものあたらないんだねー」
「これはどうかみょん」
弾き飛ばされた石をみょんは蹴り飛ばすと、行商ちぇんに向かって一直線に飛んでいった。これならば当たるだろうと思ったのだが……。
「あたったんだねー」
「……うそだみょん」
みょんの投げた石は、行商ちぇんの前で急停止してしまう。まるで見えない壁にぶつかったかのように跳ね返されてしまったのだ。
「つぎはこちらのばんだよー」
そう言って行商ちぇんは、不思議な道具箱を取り出す。その中から出てきたのは、一本の長い棒だった。
「このぼうは、つかいみちがたくさんあるんだねー まずは……」
棒の先端に、ゆっくりの頭ほどの大きさがある火の玉が出現する。
「みょん!?」
「こういうこともできるんだねー」
「やめるみょん!! それはこうえんがかじになるみょん!!」
「わかったよー やめたげるねー」
行商ちぇんは、あっさりと火を消した。
みょんはホッとしたのも束の間、行商ちぇんは、次の道具を取り出した。
「じゃあつぎは、これをつかおうかなー」
行商ちぇんが取り出したのは、ゆっくり達の間でも有名な武器であった。それは、みょん種の象徴とも言える武器、はくろーけんである。
「このぶきは、すごくよくきれるから、きっとしんじゃうねー」
「……やってみろみょん!」
みょんは、はくろーけんをナイフで受け止める。
「……なにをしてるんだねー」
「みょんがまけることなんてありえないみょん」
はくろーけんの刃がみょんのナイフに触れると、なんの抵抗もなく切り裂いていく。
「こんなもんだねー」
「さすがは、はくろーけんだみょん! みょんも負けていられないみょん」
みょんは、ボロボロになったナイフの残骸を捨てると、短い木刀を手に取る。
「このつるつるした感触がたまらないみょん」
みょんは、行商ちぇんの攻撃をかわしながら、木刀を撫で回す。
「おわってしまったねー」
「これからみょん!」
そして、はくろーけんと木刀による戦いが始まった。しかし、その差は歴然であり、みょんの木刀は一瞬にして真っ二つに切られてしまった。
「もうおわりなんだねー」
「まだだみょん!」
「しつこいやつはきらわれるよー わかれよー」
「みょんは、しつこくないみょん!!」
みょんは、行商ちぇんに飛びかかった。しかし、みょんのタックルが当たる直前に、行商ちぇんの姿は消えてしまう。
「どこだみょん?」
「ここだよー」
みょんの背後に回り込んでいた行商ちぇんは、再びはくろーけんを振りかざす。
「これでさいごなんだねー」
みょんは咄嵯の判断で身を翻すと、行商ちぇんの攻撃をかわした。
「なかなかやるねー」
みょんの動きを見た行商ちぇんは、素直に賞賛の言葉を述べる。だが、その表情からは余裕が見て取れた。
「まだまだみょん!」
その後も、みょんは必死になって攻撃をかわし続けた。攻撃が当たらなくても行商ちぇんの口調はそのまま余裕があった。
「そろそろいいかげんにしたらどうだいー」
「まだみょん!」
みょんは、攻撃をかわすことに集中しすぎて、いつの間にか、周りが見えなくなっていた。
「あまいんだねー」
行商ちぇんの声にハッとして振り返るが時すでに遅し。みょんのまわりには、複数の木の棒が刺さっており、動けるスペースが少なくなっていた。
「さよならだねー」
行商ちぇんは、はくろーけんを大きく振りかぶる。
「くっ……」
みょんは、なんとかして避けようとするものの、体が思うように動かない。
「これでおしまいなんだねー」
行商ちぇんは、容赦なくはくろーけんを振り下ろした。
しかし、ドサッという音と共に、行商ちぇんのはくろーけんが弾き飛び、地面に突き刺さる。
「あれ? なにがあったんだねー わからないよー」
「みょん…?」
一体何が起こった?みょんは周知を見渡す。
「これは、らんにゅうしゃなんだねー たのしくなってきたんだねー」
行商ちぇんが飄々としながら言う。
公園の入口側から、「まーりーさはっすっごいのっぜぇ~」と気の抜けた歌が聞こえてきた。
やってきたのは、一匹のゆっくりまりさ。さっきの一撃は只者ではなかったが、こうして見たところ普通のまりさではあるが…
「にゆんとも、なかよくするのぜ。ゆっくりするのぜ」
「うん、わかったんだねー」
行商ちぇんは、あっさりとしている。
「みょ……みょん!?」
「ところで、だれなんだねー」と行商ちぇん。
「まりさはまりさなのぜ。まりさはたびゆっくりなのぜ。まえのまちでは、ふうらいぼうっていわれてたのぜ」と風来坊まりさ。
そして、「ところでさっきはなにをしてたのかぜ?」と風来坊まりさが聞くと、場の雰囲気がまた張り詰めたものとなる。
「きゅうにみょんがおそいかかってきたんだねー わからないよー」
「まりさは、ちぇんがいっぽうてきにしかみえなかったのぜ」
「それはみょんがよわいからなんだねー わかってねー」
「よわいものいじめはゆっくりできないのぜ」
風来坊まりさと行商ちぇんは、睨み合う。そして、一触即発の状態が続く中、空気を読まない声が聞こえてくる。……うー☆、うー☆、うー☆。
その音を聞いた途端、風来坊まりさは、パッと笑顔になり、行商ちぇんは、舌打ちをした。
そして、その声の主が姿を現す。
れみりゃだった。
れみちゃは、うー☆、うー☆、うー☆、と鳴きながらみょんのもとへやってくる。
「これはうまそうなあまあまなんだどー いただきますだどー」
そしてみょんに近づいたれみりゃは、一瞬で砕け散る。
「じゃまみょん。ちょっとゆっくりしすぎたみょん」
みょんは、地面に刺さった木の棒を咥え、体勢を整える。
行商ちぇんはニヤッと笑い、
「そのぼうでも、ちぇんにはかてないんだねー でも、にたいいちはたいへんなんだねー」と。
風来坊まりさは、
「まりさは、みんなにゆっくりしてほしいのぜ。たたかうのはやめるのぜ」と言った。
だが、そんな言葉はみょんの耳に入っていなかった。
みょんは、公園のベンチに乗る。その顔は笑っていた。
――やはり、この公園に来てよかった。
そう思いながら、みょんは、ゆっくりと目を閉じた。そして、行商ちぇんに向かって攻撃を再開する。
行商ちぇんに向かって木の棒をふるうも、簡単によけられる。すかさず、石を投げるも、石は軌道をずらし、行商ちぇんを回避する。そこに再度、棒をふるう。
ちぇんは、軽やかに棒を避けると、はくろーけんで木の棒を叩き割る。
「わんぱたーんすぎてあきるんだねー」
行商ちぇんは、さっさととどめをさすべく、みょんに近づき、首筋(?)めがけて振り下ろす。しかし、行商ちぇんの攻撃は空を切る。
みょんは、棒の切れ端で地面の砂を跳ね上げ、それを目つぶしとして行商ちぇんにぶつける。
「ぎゅぅ……」
と、声を上げて、行商ちぇんの動きが止まる。そこを狙い、みょんは、行商ちぇんに体当たりをする。が、行商ちぇんには届かない。
「びっくりしたんだねー」と余裕そうなちぇん。
「…これならどうみょん!」と、みょんは行商ちぇんの足元に、先ほど投げた木片を投げ込む。
「わあああ…
と、驚きの声を上げ、行商ちぇんが後方にのけぞった。
みょんは、別の木の棒を咥え、思い切りちぇんに向けてふるう。対するちぇんは、はくろーけんで木の棒を切り裂こうとするが、瞬間、みょんが一回転してちぇんの背後にまわる。
「…!?わがっ…」
さっき、砂や木片を投げてから、行商ちぇんの動きが明らかに鈍くなった。これなら攻撃も届くかもしれない。
「いくみょおおおおん!」「わがれよおおお!」
互いに己の武器を思いっきり振り、そして
「だから、ゆっくりするのぜっていってるのぜ」
割って入ってきた風来坊まりさに二匹は吹っ飛ばされた。
「ゆっくりはわけあうものなのぜ。けんかしちゃだめなのぜ」
乱入者により続行不可能となった戦いのあと、二匹は風来坊まりさのお話を聞かせられることになった。
「もうあきたみょん…」
「わからないよー…」
すっかり萎えてしまった二匹を尻目に、風来坊まりさは旅の思い出話を延々と続ける。
「これいつまでつづくみょん?」
「わからないよー…」
「つぎに、まりさがたびにでたきっかけをはなすんだぜ!」
風来坊まりさは幼かった頃の話を語りはじめるが、二匹ともちゃんと聞いていない。
「それで、まりさは…ってきいてるのぜ?」
「きいてるみょん…」「わかるよー」
「きいてるならいいのぜ。それでまりさは…」
長話に耐えられなくなった二匹は、こっそり話し始める。
「こうしていると、はじめてあったときをおもいだすんだねー」
「…あんまりおぼえてないみょん」
「わがれよー あのときもみょんがおそいかかってきたんだねー でもらんにゅうしゃはいなかったんだねー」
「…」
「でも、なんできょうにかぎっておそいかかってきたんだねー? わからないよー」
「…みょんはきょうで、このまちをでていくみょん」
「それでおそいかかってきたんだねー みょんらしいけど、あたまおかしいんだねー まりちゃなんだねー」
「さすがにそれはひどいみょん」
「でもすこしさみしいんだねー びじねすにもししょうあるんだねー むれもつぶされたからねー」
「ごめんみょん」
「まあいいんだねー おさがいればなんとでもなるんだねー」
気づいたら、長は既に家の中に避難していたようだ。
そして行商ちぇんは、はくろーけんを取り出すと、
「これをみょんにあげるんだねー」
「…いくらみょん?」
「さすがにおかねはとらないんだねー あと、このまえのほうしゅうにするつもりだったんだねー もらえよー」
みょんは、行商ちぇんからはくろーけんを受け取る。非常に軽くて、そして強靭な剣はみょんに非常に馴染むものであった。
「やっぱり、はくろーけんはみょんがもつべきものなんだねー わかるよー」
「ありがとうみょん」
「じゃあ、さよならだねー またいつかどこかで、なんだよー」
別れの挨拶を済ます二匹。二匹は公園を離れ、それぞれ行くべきところへ旅立っていった。
二匹がいなくなった公園からは、
「どおしてまりさのおはなしきかないのおお!!」と、取り残された風来坊まりさの叫び声が木霊した。
【終】
最終更新:2022年06月05日 14:03