- 独自設定(ガバガバ)があります。
- チート性能のゆっくりたちが登場しますのでご注意を。
- 分量が多いので分割します。
朝から幹部ようむは忙しかった。今日は、人間との会議があるのだ。昨日、幹部ありすの件で緊急集会を開催したが、その後にもいろいろとあったため、予定が詰め込みになってしまった。
ということで・・・
第3区画。今日はみょんと風来坊まりさだけで見回りを行う。途中で集落のゆっくりが合流するようだが・・・
「とくにここはもんだいはないみょん。さっさとごうりゅうしにいくみょん」
「そうするのぜ。まりさおなかぺーこぺこなのぜ」
「さっきたべたみょん・・・」
2匹とも特に問題なく仕事をこなしていた。そして集合場所へ急ぐ2匹の前に1つの影が現れた。
「ゆふぅ~!ゆっくりさんだぁああ!!」
そこに現れたのは、今日の見回り担当のゆっくりだった。
「ゆ~きょうはよろしくだよ~」
のほほんとしたれいむ種であるが、そこそこ動けそうなタイプに見えた。
「よろしくみょん」「よろしくなのぜー」
こうして3匹での巡回が始まった。このあたりは特に何の問題もなく進んでいく。しかし、しばらくすると異変が起きた。
「ゆ?なんかいるよ?」
その言葉を聞いて警戒態勢に入る3匹。確かに何かがいる気配を感じる。それも複数。
「ゆっ!!あれなんだろう!?」
れいむ種が指差した先にいたのは、巨大なまりさ、通称ドスであった。しかも、複数いる。
「ゆゆっ!?あんなのはじめてみたよ!」
「あれはどすみょん…。むれのゆっくりじゃないみょん?」
「あんなおおきなゆっくりは、みたことないよ!」
「はなしをきいてみるのぜ」
3匹はそのドス達に近づくことにした。
「こんにちわなんだよぉお!!!」
先陣を切るように挨拶をしたれいむだが、次の瞬間には吹き飛ばされて地面に転がっていた。
「ゆぎゃあっ!?いたいぃいいいっ!!」
どうやらドスにはね飛ばされたようだ。
幸い特にダメージはない。れいむは起き上がろうとして「れいむうごかないほうがよいのぜえええ!!!」
間一髪、どすすぱーくが、れいむの頭上を飛んでいく。
すると、他の個体も動き出す。
次々と臨戦態勢に入るドス達を見て、風来坊まりさは言った。
「まずいのぜ……」
風来坊まりさにとってドスとは敵であり、同時に尊敬すべき相手でもあった。それは彼女が旅の中で出会った群れでの苦い思い出だった。
ドス達は風来坊まりさに襲い掛かるが、それをひらりとかわしていく。
(やっぱり、どすはつよいのぜ)
そんなことを考えながら攻撃をかわしていくが、やはり数が多い分、避けるだけで精一杯になってしまう。こうなったら奥の手を使うか・・・
そんな中で風来坊まりさはあることに気づく。
そういえば…みょんはどこにいった?
「ゆぐおおおおお!!」とドスの一匹が倒れる。それを皮切りに、次々とドス達が倒されていく。
最後のドスが倒れるまで3分もかからなかった。大きな死骸から、死臭が漂う。のっそりと、餡まみれのみょんが顔を出した。
「これくっさいみょん!」
そう言って顔をしかめるみょんだったが、すぐに表情を変える。
そこにはドス達の残骸があった。
このドス達は一体誰の差し金でここに来たのだろうか。
「ゆぐっ・・・」
れいむの小さな声に気づいたみょんと風来坊まりさ。
「だいじょうぶかみょん!?」
「ゆんっ・・・」
れいむは無事ではなさそうだ。ドスの攻撃を避けた際にケガをしたようだ。打ち所が悪そうだ。
「みょん。まりさは、このれいむをしゅうらくにはこぶのぜ。みょんは、ドスについてしらべるのぜ」
「りょーかいしたみょん」
そうして2匹のゆっくりは別れた。
「まりさは、ひとまずれいむをたすけただけなのぜ。べつにしんせつとかではないのぜ」
風来坊まりさはれいむに言い聞かせるように呟いた。まだ例のれいむを気にしてるのか。
「さあ、かえったらてあてをうけるのぜ。ゆっくりしてたらげんきになるのぜ」
「ゆぐっ・・・ありが・・・と・・・」
そう言うとれいむは気絶してしまった。
「こまったのぜ・・・」
とりあえず、れいむを抱えて集落に向かう。
集落にたどり着き、集落の長に説明の上、れいむを手当てさせた。しばらくの療養を要するらしい。
仲間が被害を受けたことに集落のゆっくり達は沸騰した。
「これはかんぶありすのしわざだよ!」「ありすにふくっしゅう!するのぜ!」とか怒号が聞こえる。
「これありすのしわざなんだねー?」と集落の長が聞く。
「しょうじき、わからないのぜ。いましらべてるのぜ」と風来坊まりさは答える。
「きのうのこともあって、みんなこうふんしてるんだねー このままだと、ちぇんじゃ、おさえられなくなるんだねー はやくしらべるんだねー わかってねー」
「わかってるのぜ。れいむによろしくなのぜ」
と、風来坊まりさはみょんのところに向かう。
みょんは、ドスの死骸を探っている。
「それにしてもくさいみょん・・・」
ドスが何か身に付けていないかと思ったが、取り立てて目立つ物はない。ドスが複数なんて通常はありえない。何らかの原因があるはず。
「みょん?」
ある一体の死骸を物色していると気になる物があった。
「ゆぅうー もどってきたのぜーー!!」
風来坊まりさが戻ってきた。その手にはドスの頭髪らしきものが握られている。
「なにかあったみょん?」
「これくらいなのぜ…」
「それはかみのけみょん?はげたみょん?」
「まりさははげてないのぜ! ひろったのぜ!」と風来坊まりさは
抗議する。
「たぶんこれはどすのかみのけみなのぜ。」
「みょんもそうおもうみょん。でも、どうしてこんなところにおちていたみょん? もしかして・・・」
みょんは、先ほどの死骸を確認する。ドスの一匹から、花が出てきた。
「これは、ありすのおにわにあったやつなのぜ」
「これだけでははんだんできないみょん。いちおう、ありすがわるいやつとみょんはかんがえるみょん。」「まりさもおなじことをおもうのぜ」
2匹とも、ありすに対する疑いを深めた。とりあえず、2匹は幹部ようむが戻ってくるまで待った。
集落間の情報伝達は早く、幹部ようむが戻ってきた頃には既に区画内の噂となっていた。
「これはまずいことになったみょーん。もういちどおさのところいくみょん」と困った顔の幹部ようむ。
会議中、幹部ありすに動揺を悟られないようにして神経をすり減らし、
やっと戻ったと思ったらこれだ。
ため息をつきたい気分だった。
事情を把握後、みょんたちは、幹部ようむと共に村の長のもとへと向かった。今回は被害にあった集落の長や幹部も着いてきている。みんな興奮していたが、幹部ようむに「静かにするみょーん」と一喝され、今は黙っている。
そして村の長宅にて
「むきゅ。みんなあつまってどうしたのかしら。むきゅ」
2日間の会議を終え、お疲れモードの村の長。
「むらにかかわるじゅうだいなはなしみょーん」と幹部ようむが切り出し、説明を始めた。
最近、幹部ありすの言動が不穏なこと。第3区画がドスの襲撃にあったこと。怪我ゆんが出たこと。ドスの死骸から、花が出てきたこと。そして、この花はこの辺では一カ所しか生えていないこと。
それらの説明を聞き、村の長は考え込む。
しばらく沈黙が続いたが、やがて口を開いた。
「むきゅ。それどこのこと?」
「ありす。かんぶありすのおうちみょーん」と幹部ようむが答える。
「…わかったわ。いったんせきをはずすわ」と、村の長は家の奥へと行った。
「むきゅー。おまたせしたわ」
しばらくして、村の長は戻ってきた。
「むきゅう。やはりそうだったのね」
「やっぱりなにかあるんだみょん」と、みょんはつぶやくように言う。
「そうなのぜ。どうかんなのぜ」と風来坊まりさが合わせる。
「まえまえから、なんとなくきづいていたわ。」と村の長。
「あのこは、むらをとかいにしようと、ていあんしたことがあるわ。でも、むりがあるからきゃっかしたの。きっと、それをうらんでいるのよ」
「あれは、ゆっくりだけじゃじつげんできないみょーん。さすがにことわったみょーん」
「でも、ありすのくかくは、とかいだったのぜ?こっちもできないのぜ?」と風来坊まりさ。
「あそこは、にんげんさんのちからで、あそこまでとかいになったの。だから、こっちまでとかいにはできないわ」
「できないのぜ?」
「むきゅ。だって、にんげんさんにめりっとがないもの」
「そういうものなのぜ…」
会話は続く。
「それにしても、じぶんのくにをつくるために、どすたちをけしかけるとはおもわなかったみょーん」
「それは、しょうこはあるのかしら?」
「このはなをみるみょん」
みょんから提示された花を見ると、村の長は、「これは、あのこがにんげんさんからもらったはなだわ」と言った。「むきゅ……。これは、ありすのものにまちがいないわ」
「これは、ありすがわるいやつとみょんはかんがえるみょん」
「そうだとおもうのぜ!」
「えぇ…これはあのこをようごするのはむずかしいわね… でも、これだけじゃたりないわ」
「なにをためらってるみょん?」
「むきゅ…」と言い淀む村の長。
「かんぶありすは、むらでいちばんのせいりょくみょーん。たいぎめいぶんがないと、せんそうになるみょーん。そうなったら、なかなかかちめがないみょーん」「むぅ。どうすればいいみょん」
「むきゅ。もうひとつしょうこがほしいわ。それと、かんぶふらんにもれんらくを。ぱちぇは、にんげんさんにそうだんしてみるわ」
「ふらんには、ようむがいっとくみょーん。みょんたちには、しょうこをさがしてもらいたいみょーん」
「わかったのぜ」「りょうかいみょん」
こうして、各々が動き出した。
みょんと風来坊まりさは、第2区画へ向かう。証拠を押さえるには本拠地に行く必要があるからだ。しかし、そこは幹部ありすのテリトリー。バレたら村中が争いになるか、みょんたちがスケープゴートにされるかのどっちかだ。
一応、今は幹部ありすは、会議のために人間のところへ行っているようだが。
「ほんとうに、こっちにきてだいじょうぶなのぜ?なにかあっても、ここにはちぇんはいないのぜ?」と風来坊まりさが少しビビる。
「どうしようもないみょん。こわいなら、かえってもいいみょん」
「おいてかないでほしいのぜー」
そんなこんなで、第2区画にたどり着く。
この前とは違う入り口から侵入する。見張り台の死角を狙い、確実に幹部ありすに関連する場所にたどり着くための行路を進む。みょんは、幹部ありすの家の周りにある見張り台の一つにこっそり登り、見張りのゆっくりを、はくろーけんでぶっ叩く。そして、ほかの見張り台も攻略していく。
「みねうちだから、だいじょうぶみょん」
同じように風来坊まりさも、見張り台を無力化していく。
「これほんとうにだいじょうぶなのぜ?もう、たたかってるようなきがするのぜ」
「きにするなみょん」
これで、幹部ありすの家の周辺警備は無力化された。みょんたちは、家の前にいる警備ゆんを失神させておかざりを奪うと、これを被って幹部ありすの家に侵入する。見かけ上、内部者であるので、あっさり侵入できた。
家の中を見渡すと、部下のゆっくりが作業をしているが、幹部ありす本ゆんはいない。お目当てのエレベータに乗り、屋上の庭へと向かう。庭に幹部ありすがいないのは、見張り台から確認済みだ。
そのまま、みょんと風来坊まりさは、庭に降り立つ。
庭には数種類の花が咲いている。村の長によれば、どれも人間からもらったものであり、それを育てて増やしているようだ。
みょんは、ドスが持っていた花と同種のものを探すが、なかなか見つからない。探しているうち、物置小屋の手前に来ていたが、どうやら鍵はかかっていないようだ。
みょんがこっそり中に入ると、室内には誰もいなかった。中を物色していると、みょんは、1枚の写真を見つけた。
どこかは分からないが、人間の街の写真。みょんが今までいた街よりも遥かに栄えている都会の風景であった。
この写真を見て、幹部ありすは都会に憧れたのであろうか。そんなことを考えていると、後ろの方から足音が聞こえてきた。
幹部ありすは、いつものように帰宅し、部屋の中でくつろいでいる。
すると、物置小屋に別のゆっくりが入ってきた。
「ゆっ!れいむはいるよ!!」
それは、第1区画に住んでいるれいむ、あの風来坊まりさを追っかけまわしていたれいむであった。
「よくきたわね。れいのものはもってきたのかしら?」
「もってきたよ。かんたんにてにはいったよ。れいむ、かしこくって、ごめんねー」
「でかしたわ!これでじっこうにうつせるわ!」
「じゃあ、やくそくはまもってもらうよ!」
「わかったわ。れいむには、ほうびをあたえるわ。あと、おさになったあかつきには、れいむをかんぶにすいせんするわ!」
「ゆ~ん。これでれいむもゆっくりできるね! あと、」
「あと?」
「あのゆっくりできないまりさを、せいっさいしてね!!」
これは不味いことになったと、物陰に隠れていたみょんは思う。
「ええ…まあいいわ… それで、かんぶようむはどう? なにかあやしくない?」と幹部ありす。
「かんぶようむは、いろいろかぎまわってるようだよ!ようじんしてね!」
こちらの動きも漏れているようだ。早々に戻って、皆に伝えなければ。しかし、どうやってここを脱出する?それに風来坊まりさにも知らせなければ。
「あしたけいかくをけっこうするわ。れいむは、むらのおさのほうにいてたいきするのよ」
「ゆっくりしかいしたよ! じゃあれいむはもうかえるね」
「ええ。ゆっくりきをつけてね」
「ゆん!」
れいむが退出して少しすると、幹部ありすも外出した。みょんは、外の様子を覗いながら、物置小屋を脱出する。庭を見ても、風来坊まりさは見つからない。まさか、捕まったわけではないだろう。もし捕まっていたら、ここが別れの時だ。元々勝手に付いてきただけだし。
エレベータに乗り、屋内に戻る。幹部ありすはいないようだ。みょんはドアから出るのを避け、窓から脱出を図る。おそらく、警備ゆんがいないことがバレている。こちらに感づかれるのも時間の問題だ。
みょんは、第1区画でも第3区画でもなく、第4区画を目指して移動した。おそらく、そっち方面には追手がいる。第4区画に通常種がいると目立つので、追手がいても見つけやすいだろう。予想通り、侵入者を探すゆっくり達の姿が見えた。幹部ありすとしても、現時点で大事にはできないのでこっそり探しているようだ。
侵入者をやり過ごし、第4区画の奥、つまり人間のテリトリーに入った。
開けたところまで行くと、ちょうどそこには、見覚えのある人間がいた。この村の来たときに、みょんたちを車で送ってくれたおじさんだ。
「にんげんさんこんにちわみょん。このまえのくるまはおせわになったみょん」
すると、人間は、みょんの方を見て
『ん?ああ、この前のゆっくりか。元気してるか』
「けっこういそがしいみょん」
『そうか、大変だな。そういえば、もう1匹いなかったかい?』
「まりさは、いまはぐれてるみょん。」
ここで、人間に助けを求めたところで、あまり期待はできない。
だが、この村のゆっくりは、よく人間と会議をしているようだ。何か幹部ありすの情報はつかめないだろうか。
『幹部のありすねえ。ああ、最近よく農協の集会に来るあのゆっくりかー』と、みょんに尋ねられた人間が言う。
『あのゆっくりなら、群れを都会派にしたいってよく言ってるなあ。でもここ田舎だし、都会にはできないんだけどね』と人間は笑う。
『そういえば、もうすぐ長になるって言ってたな。長はあのぱちゅりーなんだけどな。体調悪いのかな最近。』
「むらのおさは、ふつうにげんきそうみょん」
『そうなんだ。うーん』と人間は首をかしげる。
『まあ、とりあえず、ここで立ち話もなんだ。車乗ってくれや』
農協の集会場にて
「あのありすは、むれをのっとるきだみょん。しょうこをあつめようとしたら、みょんたちがおわれてるみょん」
『本当にそのありすが長の座を狙ってるのかは知らないけど、こっちとしては、今の長と仲良くやってるからねえ。あまり現状は変えてほしくないものだが…』
人間こと、農協のおじさんは考える。本来、ゆっくりの群れのお家騒動なんて、人間にとってはどうでも良いし、これを機に一斉駆除をしてもよい程ではあるのだが、この村は事情が異なる。ゆっくりとの取引は、農協の活動上重要なものであり、一斉駆除をして一からというのは、非常に大変でコストもかかる。
それに、ほかの村では、まともな群れを駆除したせいで、ゲスゆの大群が住み着いた事件がこの前あったと聞く。ゲスゆは、他のゆっくりの縄張りに勝手に入り込み、そこに住むゆっくりを駆逐する習性がある。そのため、ゲスゆのいる場所の近くには、まともではないエリアができることがある。
ただでさえ過疎化により人手不足なこの群れで、それは避けたい。だから、仮に、万が一、幹部ありすの企みが本当だった場合、それを放置するわけにもいかなくなる。
『よし、じゃあみょん、お前はしばらくここで待ってろ。外は危険すぎる』
「わかったみょん」
みょんは、農協のおじさんに言われたとおり待機する。正直、早く村の長に伝えることもあるし、風来坊まりさのことも一応心配ではあるが、おそらく追手がこの辺まで来ていることは予想できた。流石に追手がこの中に入るのはできないため、人間の指示があるまで待機するのが得策だ。
しばらく待っていると、農協のおじさんは、ゆっくりを連れてやってきた。それは幹部ふらんだった。
「うー! このまえのきゃくゆんだ!」
「どうしてここにいるみょん?」
「うー?」
『こいつは、俺の飼いゆっくりだ。結構、よく外をほっつき歩いてるけどな』
訳がわからない。飼いゆっくり?ふらんは、村の群れの幹部ではないのか?
混乱するみょんに対し、
『言ってしまえば、飼いゆっくりが群れの幹部をしているってことだ。一部のゆっくりしか知らないから、言わないでくれよ』
「そうなのかみょん…」
第4区画が人間の居住域の近くにあることや、ゆっくりの集落が少ない理由はこれだったのか。群れや集落は、中心となるゆっくりを軸にできる。だが、この区画は管理者たるふらんが、飼いゆっくりなので、集落ができにくい環境にあったのだ。
「うー! かんぶようむから、おはなしきいた!」とふよふよ浮きながら、幹部ふらんは言った。
「ならはなしははやいみょん。さっき、かんぶありすのおうちにいったみょん」
『ほう、詳しく聞かせてくれ』
みょんは、幹部ありすの家での一件について説明した。
『なるほどなあ……。あのありすにそんな野心があったとはな』
「でも、まだほんとうに、むらのおさになりたいとおもっているかはわかんないみょん」
『そうだといいんだが』
「でも、もしそうなら、いまのうちにつぶさないとだめみょん」
『確かにそうだ。だがどうやって?』
「みょんたちは、しょうこをおさえたみょん。あとは、ありすをつかまえればいいみょん」
『しかし、具体的にどうするかだ』
みょんと農協のおじさんが相談していると、農協の職員が焦った様子で部屋にやってきた。
『理事!村の周辺でドスの目撃例が頻繁しているらしいです!』
『何!?被害は発生しているのか?』
『確認中ですが、畑が若干荒らされたようです!』
『分かった。すぐに向かおう』
理事と呼ばれた農協のおじさんは、職員と共に軽トラに乗り込む。荷台には、幹部ふらんとみょんが乗り込む。大して車通りもない道なので、被害現場には早めについた。
現場に着くと、ドスまりさの死骸が一体と、れみりゃの残骸いくつか転がっていた。
「うー!? おねーさま!?」と幹部ふらんは動揺している。
『……これは酷いな』
「みょっ! このどすまりさがやったみたいだみょん!」
『恐らく、この辺りにいる群れの仕業ではないだろう。この当たりにドスはいないはずだからな』
「みょんたちがきたことをしられて、しゅうげきしたかもしれないみょん」
『だとしたら厄介だな』
「みょんは、このあたりでもういちどむこうにいってくるみょん。もしかしたら、ありすのせんりょくかもしれないみょん」
『わかった。一緒に行こう』
現場対応のため、職員を車から下ろすと、ドスが向かいそうな方向に出発した。
しばらく進むと、みょんは、あることに気付いた。
「なんかおかしいみょん…」と呟く。
『どうした?』
「このさきに、どすがいるはずなのに、そのけはいがないみょん」
『…まさか、待ち伏せされているのか? まずいな』
「あのどすは、どすすぱーくをするみょん。きにあながあくみょん」
『よし、この先に罠を仕掛けてみるか。急ごう』
「わかったみょん」
さらに先に進むと、少し開けた場所に出た。
「ここにいるかもだみょん」
『慎重に進もう』
2人は、ゆっくりと進んでいった。
しばらく歩くと、地面に穴が空いていた。
『落とし穴だな』
「だれかおちてるみょん」
『まあ、ゆっくりはゆっくりだからな。こういうこともあるだろう・・・ってドスじゃないか』
穴の中にはドスが1匹落ちており、そのまま永遠にゆっくりしていた。
「うーん、やっぱりきけんだったみょん」
『ああ、だがこれではっきりした。ここら辺一帯は、ドスに支配されている可能性が高い』
「そうなると、ありすとおなじくらい、やっかいだみょん」
『そうだな。だが、駆除自体は簡単だ。猟友会にでも連絡入れるか』
田舎なので、加工場もない。そのため、大型のゆっくりの対応は、動物同様、地元の猟友会の協力を得ている。
『こっちはしばらく動けないな。
お前はどうする?』と農協のおじさんが聞いた。
「みょんは、ありすのほうにいくみょん」とみょんは言った。
『分かった。じゃあふらんを連れてけ。気をつけろよ』
「うー!」とおじさんにすーりすーりしていた幹部ふらんが返事をした。
おじさんと別れ、みょんは幹部ふらんは、第2区画へと進む。道中、何体ものドスの死骸があった。
しばらくすると、建物が見えてきた。幹部ありすの家だ。
建物に近づくにつれ、たくさんのゆっくりが、幹部ありすの家を取り囲んでいるのが見えた。幹部ありすは、屋上にいるようだ。
取り囲んでいるのは、村の長、
幹部ようむをはじめとした、ゆっくりたちだ。
「そこにいるのはみょんだみょーん?」と幹部ようむがみょんに気づいて声をかける。
幹部ようむは、嬉しそうに
「ついにありすをおいつめたみょーん。これからつかまえて、せいっさい!するみょーん」
「みょんたちはおてがらだったみょーん。これでいっけんらくちゃくみょーん。こっちくるみょーん」と言う。
「わかったみょん」と答え、みょんは幹部ようむの元へと向かおうとしたが、
「そっちいっちゃだめなのぜ!てきは、ありすじゃないのぜ!!」
風来坊まりさの
声がした。
瞬間、みょんの背後に凶刃が迫る。
最終更新:2022年06月14日 23:43