早苗から相談を持ちかけられた時、魔理沙にはそれがどういう内容か何となく見当がついていた。
 早苗がゆっくりを可愛がっているのは魔理沙も耳にしている。大方、今回の相談もゆっくりに関した事だろう。

「それで、相談っていうのはなんなんだ?」

 座布団の上に腰を下ろし、話を促す魔理沙。早苗から早々に出された羊羹は、既に食べ終わっている。

「はい……。実は、ゆっくりの事なんですが……」

 やっぱりか、と心の中で呟く。

「どうした? 長い間飼ってたら鬱陶しくなってきたか?
 鬱陶しいなら食べるに限るぜ!」

「そ、そんな事ないです! あの子達は可愛らしいですよ! それを食べるなんて……」

 魔理沙のセリフに早苗の返事は怒りの込められたものだった。

 普通ならあり得ない反応に魔理沙は心底驚く。

 幻想郷でゆっくりといえばその言葉とは裏腹に、煩い、鬱陶しい、ストレス解消玩具で知られるまんじゅう型のナマモノの筈だ。少なくとも魔理沙の周りにあれを可愛いと思っている奴なんて1人もいない。良い感情を持つとしてもせいぜい美味しいぐらいだ。

 てっきり早苗も食用として飼っていると思っていたのだが、まさか愛玩動物として飼っているとは思わなかった。

 魔理沙は素直に思った。物好きな奴だ、と。

「それじゃ、何が問題なんだよ?」
「実は……ゆっくりが大きくなってしまって……」
「ああ、あいつらはすぐ大きくなるからな」

 魔理沙の脳裏に、紅白色のふてぶてしい顔をしたまんじゅうが何体か浮かぶ。どのまんじゅうも、霊夢に叩きつぶされたものだ。

 切り出しづらいのか言い淀むが、たどたどしく早苗は話を続けた。

「はい……すぐ大きくなるんですけど……ちょっと違ってて」
「違うって、大きくなるに違いなんてあったのか? 初めて知ったぜ」
「ええ、その……大きくなりすぎてしまって……」
「なんだ、可愛がりすぎだぜ。どのぐらいになったんだ?」
「えっと……これぐらいです」

 早苗は指を一本立てた。

「1メートルか。よくもそんなに育てたな」

 呆れた様子の魔理沙に、慌てて早苗が答えた。

「あ、いえ違うんです。これは数字とかじゃなくて……」

 早苗は指を立て、そのまま上に動かした。

「この部屋の天井に当たるぐらい……」
「なんだって?」

 魔理沙はまず、早苗の正気を疑った。




 なんてふてぶてしい姿なんだ……。
 部屋に入り、まず魔理沙が思った事はそれだった。

 取りあえず現物を見ないと何とも言えない魔理沙は、早苗の案内でそのデカゆっくりれいむのいる部屋へ足を踏み入れる。

 部屋は10畳ほどある広々とした和室。壁際に押し入れがあるものの、普通なら静かにお茶を飲みながらのどかに過ごすための部屋なのだろう。

 その部屋の半分を今、まんじゅうが征服していた。

「……でかいな」
「やっぱりそうですか……」

 せっかく落ち着いて過ごせる筈の場所が、座っていればまんじゅうが気になり、気が散るようになっていた。

 デカゆっくりれいむは、あまりにデカすぎてもはやまんじゅうの原型を留めておらず、もうまんじゅうというよりは部屋に出来た小さな山のようだ。現に顔もどこにあるのかよく分からず、その特徴的なリボンとまんじゅうの皮でどうにか判別出来るぐらいだ。

 そのデカゆっくり山の側では、デカゆっくりの姉妹なのか、普通のゆっくりれいむ達が飛び跳ねながら「早く動いてね!」「早く遊ぼうね!」としきりに騒いでいた。

「この子達もこんな事は初めてらしく、こうやって心配していて……」

 早苗の言葉に、魔理沙はれいむ達が心配して騒いでいるんだと初めて理解した。てっきりいつものように鬱陶しく自己中に動き回っているかと思ったのだ。

 れいむ達を見ている内に魔理沙は「サッカーしようぜ!」と1匹ぐらい蹴り飛ばしてレヴァリエで突き刺したい衝動に駆られるが、その瞬間、魔理沙の知らない早苗を知ってしまいそうなので我慢した。怖い巫女は1人だけで充分だ。

「こいつ、喋らないのか? ゆっくりとも言わないぜ?」

 デカゆっくりはこれまで一言も喋っていない。ゆっくりが出会って開口一番に言う「ゆっくりしていってね!」もなければ、姉妹達の言葉にも口一つ動かしていない。顔の位置はわからないが、どうも眠っているようにしか見えなかった。

「ちょっと大きくなった頃は普通に喋っていたんですが、大きくなるにつれて喋らなくなって……今だと食事時にご飯を持ってきたら口を開いてくれるぐらいなんです」
「贅沢な身分だぜ。変な物でも食べさせたんじゃないか?」
「普通に私たちと同じものを用意していたんですが……それが原因だったのかな」

 魔理沙はだんだん頭が痛くなってきた。

 普通ゆっくりに食べさせるのは、良くて残飯、普通で生ゴミ、悪くて食事時だけ外に放り出すという流れだ。普通なら食べられない金属類を無理矢理食べさせたなんて話も聞いたことはあるが、自分と同じご飯を用意した奴は聞いたことがない。

「どうすればこの子を元に戻せるんでしょうか……?」
「ああ……」

 深刻そうな早苗の様子に、魔理沙は迷い始めた。
 こんなにでかくなったゆっくりは初めてみたが、でっかくなった理由も、そして元に戻す方法には心当たりがある。しかしその方法は……。

「……早苗、このタイミングで相談したのは正解だったぜ」
「ど、どういうことですか……?」

 魔理沙はデカゆっくりのまんじゅう肌に触りながら、

「これはな、妊娠しているんだ」

 早苗の思考回路は停止した。

「え?」
「ここまで大きい奴は私も初めてみたが、ゆっくりがこんなに大きくなる理由なんてそれしかないぜ」

 真面目な口調の魔理沙に冗談で言っていないと理解した早苗は、なんと返したらいいか悩んだ。ゆっくりが妊娠するなんて考えもしなかった事だ。いやそういえば、以前はずっと仲良くしていた別のゆっくりがいたけど、最近姿を見ないような……。

 あれこれ考え、取りあえず浮かんだ事を口に出した。

「……お、おめでたいですね!」
「そうだな、普通ならおめでたいかもしれないが……」

 早苗の言葉に笑いもせず、魔理沙は話を続けていく。

「ゆっくりが生む赤ちゃんの数は、そのゆっくりの大きさに比例するんだ。詳しくは私も知らないが、どうも中身のあんこに徐々に皮が付き始めて小さな子ゆっくりになるらしいぜ」
「そ、そうなんですか! 初めて知りましたそんなこと!」

「知ってたらむしろ驚くぜ。これだけ大きかったら、平然とはしてられない筈だからな」
「……え?」

「生む子供の数は大きさに比例するって言っただろ? ゆっくりは体の中で出来た子供を口から吐き出して出産するんだが、それは体の中身を吐き出すようなものだぜ? 激痛だろ。私が見た大きさでも、全部生んだ頃には瀕死になっていたからな」
「それって……それじゃ」

「このまま出産させたら死ぬな、このゆっくり」

 自分の聞き間違えかと訪ねるが、魔理沙からは同じ言葉しか返ってこない。
 早苗は自分の顔から血の気が引いていくのを感じた。

「たくさんの子供が欲しいなら、このまま放っておけば──」
「い、嫌です!」

 魔理沙の言葉を振り払うように早苗は叫んだ。魔理沙に助けを求め、縋りつく。

「あるんですよね魔理沙さん! この子を助ける方法、あるんですよね!」
「……」
「魔理沙さん!」
「……ある」

 早苗の顔が一瞬にして豹変した。目が見開き、後光でも差したかのように魔理沙を見つめている。
 その表情の変化に魔理沙は焦った。
 どれだけゆっくりが大切なんだこいつ……。

「ほ、本当ですか?」
「ああ、本当だぜ。ただこれだけでかいとかなり辛くなるが、それでもやるか?」
「元に戻るなら何でもします」
「それじゃ……まずは家に帰って道具を取ってこないとな」

 さっさと行ってしまおうとする魔理沙。しかし早苗に腕を掴まれ、動けない。

「それで、ど、どんな方法なんですか!」

 押し迫る早苗。一筋の冷や汗が魔理沙の顔から流れ落ちる。

「……ああ、それはな」

 魔理沙はもう隠そうとはせず、はっきりと内容を伝えた。




 デカゆっくりはゆっくりしていた。この上なくゆっくりしていた。
 今の自分は昔のように飛び跳ねる事は出来ない。喋る事も出来ない。

 それは子供が出来たから。

 動けない事や喋れない事は苦にならない。今こうして子供が生まれようとしているのは嬉しいし。自分のお母さんもきっと喜んでくれるからだ。

 デカゆっくりが思い浮かべているお母さん。それは早苗の事だった。

 外敵に襲われ、姉妹そろって瀕死になっているところを助けてくれたお母さん。1匹の時は一緒に遊び、4匹が一緒に楽しそうにしている時は遠くから見守ってくれる。毎日美味しいご飯を用意してくれて、1匹でも居なくなっていたら深夜でも見つかるまで一生懸命探してくれるお母さん。一緒にゆっくりしてくれるお母さん。

 そんなお母さん的な存在の早苗に喜んでもらいたい。デカゆっくりはそう思いながらゆっくりしていた。

「大丈夫か? 震えてるぜ?」
「は、はい! 大丈夫です!」
「他のゆっくり達はこの近くにはいないんだよな?」
「はい。魔理沙さんが準備しに帰った後、言われた通り遠ざけておきました……」
「上出来だぜ」

 ふと、話し声が聞こえてきた。徐々にはっきりと聞こえてくるので、こっちに向かって来ているんだなとデカゆっくりは思った。

 ご飯の時間にはまだ早い。また心配してやってきたんだろうか? ゆっくりしていれば良いのに。自分が大丈夫なのは自分が一番よく知っている。
 お母さんを悲しませているのは辛いけど、デカゆっくりは気にしないで、変わらずゆっくりすることにした。

 部屋の襖が開かれ、2人が入ってくる。

「あらためて見てもやっぱりでかいぜ。早苗、準備はいいか?」
「は、はい! 頑張ります!」

 叫ぶとともに、決死の表情でデカゆっくりに近づいていく早苗。
 目の前までいくと、その場で何度か深呼吸をする。決心はした。しかし躊躇せずにはいられない。
 臆病になりそうな自分の心を必死に支えながら、早苗は構える。

 その手には、光沢の目立つ金属バットが握られていた。

「ええぃ!」
「ぐぼぁっ!」

 それまでゆっくりしていたデカれいむの顔が凍り付く。
 突然伝わってきた衝撃に、デカゆっくりは大量のあんこを吐き出した。

「ひ、ひぃっ!」

 ぼとぼとと口から落ちてくるあんこ。思わず早苗は手を止めてしまう。

「手を止めるなよ、続けないと元に戻らないぞ」
「は、ハイ!」

 慌ててバットを握り直し、大きく振りかぶってデカゆっくりの体を殴打す
る。

「げぼぇあっ!」

 ゆっくりしすぎて喋れなくなっているデカゆっくりは悲鳴が出せない。ただあんこが吐き出される時に、口から音が聞こえるだけだ。

 ゆっくりは何をされているのかわからなかった。あれほど優しく自分達とゆっくりしてくれたお母さんが、どうしてこんな苦しいことをするのか。叫んで止めたかった。「ゆっくりさせて!」と叫びたかった。

「まだまだ大量にあるが、あんこは全部吐き出させるなよ。子供用のあんこは全部吐き出してもいいが、生命維持するためのあんこまで出したら死ぬぜ」
「ハイ! えい、えいえいえいえい!」
「ぎゅごげぎゃごごじゅばう゛ぉええぇっ!」

 早苗がバットを振るたびに吐き出されていくあんこ。飛び散ったあんこが早苗の顔を、服を汚していく。

 このあんこの一つ一つが、ゆっくりの子供みたいなものだ。

 気づけば、早苗の顔には涙が浮かんでいた。

「えぃ! うぅ……えぃ! え゛ぃっ!」
「早苗、振りが弱くなってるぞ。助けたくないのか?」
「たずげまず!」

 強く振り抜いたバットはゆっくりの体を大きく凹ませ、大きなバットの跡をつけていた。

「頑張らないと、このゆっくり死んでしまうぜ。それともこいつは見捨てて新しく生まれてきた子を育てるか?」
「いや゛です! この子の代わ゛りな゛んでいま゛せん!」

 何度も何度も殴打する。「ぐぎょぎゃ!」「ぎょぎゅえっ!」と押し出されていくあんこは、ゆっくりの替わりに畳の上へ山を作ろうとしていた。

「早苗にとって家族のような存在なんだろ?」
「そうでず! 神奈子様や諏訪子様とばまがっう、わたしのかぞぐでず!!」

 早苗の顔はあんこと涙でぐしゃぐしゃになっている。それでも早苗は手を休めず、ひたすら目の前のデカゆっくりに金属バットを振り続けた。

「ぐぉげぁ……ゆ゛、ゆ゛ぐ゛り゛っ」
「……えっ?」
 思わず、早苗の手が止まった。

「ゆ゛っぐり゛ざぜでよ゛ぉっ!!」

「……ま゛、ま゛りざざん! 喋ってぐれま゛じた!」
「ああ、喋れるぐらいには吐き出したみたいだぜ!」

 喜びはしゃいでる早苗がゆっくりはわからない。ゆっくりさせてと言っているのに、どうしてお母さんは邪魔をするの?

「だ、だずげでぇ……っ!」
「ご、ごめ゛んね……っ、でもごれも貴方のだめなのっ!」

 また一つ、ゆっくりの体にバットの跡がつけられる。

「いだいよぉおぉっ、くるじいよぉおぉおっ!」
「ごめんゆっくり、がま゛んじてっ! がんばっでずぐすまぜであげるがら……っ!」
「れ゛いぶのあ゛かぢゃんじんじゃう゛よぉっ!」
「えっ!」

 早苗はデカゆっくりが、自分が妊娠したことを理解していないと思っていた。あれだけ心配しても何も言わず、焦ることなくゆっくりしていたので、てっきり大きくなった理由なんて気にしないでゆっくりしているのかと思っていた。

 でも実際には、赤ちゃんが出来て喜んでいた。産もうと思っていたゆっく
りがいた。

 その赤ちゃんを、今自分が殺している。

 止めどなく涙があふれて来る。罪悪感と後悔が自分を襲う。

「うっ! うぅ……っ」
「だずげでよぉっ! やめ゛でよっ、おがあ゛ざんぅぅぅっ!」
「うっ……!」
「よ゛ろごんでよぉぉお゛ぉっ、おがあ゛じゃんぅぅっっ!!」
「うあ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁぁあ゛っ!!」

 早苗はデカゆっくりの言葉を振り切るように、必死にバットを振り続けた。




「……うっ……う、うぅっ……!」
「……」
「うあっあああ、ひぃっ!」
「……ほら、泣くなよ早苗」

 床に座り込み泣き続ける早苗。その目の前には山となった大量のあんこ、そして吐き出すものを吐き出し、皮が余りまくったデカゆっくりが横たわっている。顔の位置は相変わらずわかりづらいが、どこからか「ゆっ……、ゆっ……」と聞こえてくる。瀕死だが生きてはいるらしい。

 魔理沙は泣きやまない早苗の肩に手を置いた。

「赤ちゃんはまた作れるぜ、だけど死んでしまったらそれまでだろ?」
「はい……はいっ……!」
「今は泣くより、このゆっくりをちゃんと治してやる方が先決だぜ?」
「はい……はいっ!」

 返事はするものの泣きやまない早苗。しかし泣きながら立ち上がると、目
\の前にあるゆっくりの皮を破れないように畳み始めた。

 魔理沙は適当にまとめて持って行くのかと思っていたので、こんな時でも
几帳面な早苗に少し笑ってしまう。

「これだけ大きいといつになるか分からないが、皮は徐々に小さくなっていくからな」
「はいっ、……ぐずっ」

 泣きながら、出口の襖へ向かう早苗。

「このあんこはどうするんだ?」
「……こ、この子のこどもだから、あとで埋葬してあげまず……」
「そうか」

 その言葉を最後に魔理沙に背を向け、早苗は静かに去っていった。

「……ゆっくりのどこがそんなにいいんだか」

 ぽつりと呟くと、魔理沙はあらためて部屋を見渡していく。あんこが一面に広がって甘ったるい空間。早くこんな所からは出て行きたいところだが、魔理沙にはまだ確認しないといけない事があった。

 魔理沙はあんこを避けながら、壁際にある押し入れの襖へ手をかける。
 そのまま襖を開けると、中には口を塞がれ、身動きがとれないように箱詰めにされたれいむ姉妹の姿があった。

 準備があると家へ戻った振りをしていた魔理沙は、姉妹達が早苗から離れた瞬間に全員捕まえ、この押し入れの中へ隠しておいたのだ。

「聞こえたか? さっきの」

 魔理沙の言葉に、しかし姉妹達はあまり反応を示さない。全員が全員震えながら涙を流している。

「その様子だと聞いていたみたいだな」

 そのまま姉妹達を箱から出し、1匹1匹きちんと口を開けてやる。

「いいか? 子供なんて作ろうと思うなよ。あのでかいのみたいに潰されるぞ」
「やぁだぁ!!」
「れいむたちゆっくりしたいのっ!!」
「たすけてよおねいさんっ!」
「ゆっくりしたいなら子供を作らない事だな。お前達が子供を作ると迷惑な
奴らもいるんだぜ。神様とかな」
「わかった!」
「子供は作らないよおねえちゃん!!」
「ずっとゆっくりしていくね!」

 そこまで聞ければ充分だ。どこまで守れるかはわからないが、ゆっくりを教育するにはやはり恐怖心を訴えるのがいい。
 魔理沙は姉妹達を押し入れから出してやる。

「ようやくゆっくり出来るよ!」
「ゆっくりしようね!」

 その時、魔理沙の頭に妙案が舞い降りてきた。

「……そうだお前達、腹が減ってるだろう」
「お腹空いたよ、でもそろそろお母さんがご飯くれるよ」

 ご飯が出来るのが当たり前のようにいうゆっくりに魔理沙は腹が立った。むしろ食用のまんじゅうが、どこまで甘やかされてるんだこいつらは……。

「そのお母さんから言われているんだ。そこにあるあんこ、食っていいぞ」
「ほんとに?」
「ああ、私は嘘なんかつかないぜ」

 魔理沙が早苗と仲良く話していたのを覚えているのだろう。対して疑いもせず、ゆっくり達は喜んであんこを食べ始める。もっと知能があれば、早苗が去り際になんと言ったか覚えていただろうが、ゆっくりには無理な相談だ。

 「うめぇ」「メチャうめぇ!」と声が響く中、魔理沙はあんこくさい部屋から逃げるように外へ出る。

「やれやれ、神奈子の苦労がよくわかるぜ」

 以前、話していた時に、「早苗のゆっくり溺愛はどうにかならないか」と愚痴っていたのを思い出す。もしあのデカゆっくりがそのまま子供を産んでいたら、神奈子はもう我慢出来なかっただろう。

 あんこ食ってるゆっくりを見て、早苗もゆっくりがどういう奴らか考え直したらいいが。
 魔理沙はそのまま箒に跨ると、自分の家に向かって飛び去っていった。




 後日、魔理沙が早苗に会いに行くと、周りにいたゆっくり達が早苗を怖がるように震えている。
 早苗とゆっくりの間に何があったのか、魔理沙は触れようとしなかった。




 End







 最後まで読んでくれてありがとうございます。
 何かいい虐待ネタはないかと考えていたら、レスに茎が生えていく以外の繁殖方もそろそろ読みたいとあったので、それじゃお母さんれいむのでかさをシンプルに妊娠として腹バットを書いてみた。
 なんだかゆっくり虐待というより早苗いじめに(ry
 不満はありますが、腹バットと愛しているから叩くという微妙にアンビバな心理状態が書けたのは個人的に満足しています。


 しかしなんで俺は気づいたら姉妹だか家族だかのれいむを虐待してしまうんだろう、わからない。
 本当に虐待したいのはれみりゃなんだけどな……。






 by 762


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最終更新:2025年07月04日 22:58