※ドスまりさ警報
責任のある者とない者
ドスまりさとその取り巻きのゆっくり達
力のある者とない者
水橋パルスィは楽しそうに暮らすこの連中が腹立たしくて仕方なかった。
ドスまりさが群の平和を守る事に努力を惜しまないように、パルスィもまた群の平和を壊す事に努力を惜しまなかった。
全員に何かする必要なんて無い。とある者の理性の箍を外してやれば良い。理性を失わせるには嫉妬がちょうどいい。
「なんで、ドスまりさのいうこときけないの!!」
珍しくドスまりさは怒っていた。
赤ちゃんゆっくりまりさがまた勝手にご飯を食べてしまったのだ。
「だって、おかなちゅいたんだもん。ゆっきゅりたべていいでしょ?」
「ダメだよ!これからふゆごもりなんだからえさはどれだけあってもたりないんだよ!!」
越冬、ドスまりさの管理する群では効率的に餌を集め、集団で冬眠する事から、その成功率は高い。
しかし、油断はできない。餌不足は争いを生む。それは群の存続を不可能にさせる。
ドスまりさは夏の終わりごろから口酸っぱく、皆に食糧の備蓄を呼びかけてきた。
それなのにこの赤ちゃんゆっくりまりさは無責任にも自分の事しか考えない行動に出たのだ。
ドスまりさにはそれが許せなかった。そんな行動をできる事が許せなかった。
自分がどれだけ苦労して食糧の備蓄をしているか、それなのにこの赤ちゃんまりさは。
自分はドスで群の長で責任があってちゃんとしなければいけなくて、
この無責任で自分勝手な赤ちゃんまりさが羨ましい。
その日を境に群はおかしくなっていった。
ドスまりさは次第にわがままになり、備蓄していた食糧もどんどんと食べてしまった。
心配したゆっくりたちが声をかけるが、それに怒鳴り散らす始末。
「ドスまりさのかってにさせてね!!」
取り巻きのゆっくりたちはかつての責任感があって、皆に優しいドスまりさを懐かしんでいた。
今はと言うとまるで何も知らない赤子のようだ。
このままでは越冬どころか、冬までに群が全滅してしまう。
まず群に起こった変化はまだドスまりさにリボンや帽子を預けていないゆっくり達の逃亡だった。
群の中では新参者でさっさと群を捨ててしまった。
ドスまりさにリボンなどを預けてしまっているものはこうはいかない。
普通なら理由を説明しリボンを返してもらうか、ドスまりさに改善してもらう場所を指摘し改善してもらうかの二択なのだが、
このドスまりさはそのどちらも拒否した。最初、その態度に怒り帽子の返却を強く申し出たゆっくりちぇんがいたが、
あっさりドスまりさに潰されてしまった。
冬を目の前にし、本来ならもう冬の準備をはじめていなければいけない。
それなのにこの群では明日の蓄えすらもう残っていなかった。
何匹かのゆっくりはリボンを預けていたとしても逃亡した。一生、後ろ指を差されることになるが死ぬよりはマシだ。
残ったゆっくり達は結託してドスまりさを排除しようとしたが、力の差は歴然。
クスクスと笑い転げるパルスィ。
ああ、あの責任感溢れた子がここまで堕ちるものなのかと自分の力を褒める。
ドスまりさは一人ぼっちになった。
惨めな一人ぼっち。周りには仲間だったゆっくりたちの死骸が転がっている。
苦楽を共にした仲間はもういない。
そこへゆっくりれいむの家族がやってくる。
みんな、仲が良さそうな家族だ。
パルスィはまた力を行使する。
この仲が良さそうななゆっくりれいむの一家が羨ましい。
こうして、ドスまりさは冬に飢えて死ぬまで何かに嫉妬し続けた。
by118
最終更新:2022年04月14日 23:39