• 人間は少ししか出ていません。
  • 色々と脱線します。




「ゆっゆっゆ~♪」
まりさはとてもゆっくりした気分で家路に着いていた。
友達のれいむ達ととてもゆっくりしてきたからだ。
頑張ってご飯を集めたから一日位はゆっくりできる余裕が出来たのだ。
思う存分ゆっくりして今家に帰宅しているのだ。
「ゆゆッ!!?」
しかしまりさはある異変に気付いた。
自分のお家のカモフラージュされた入口が破壊されているのだ。
「どうしていりぐちがこわれてるのおぉッ!!?」
急いで住み処である洞穴に入っていく。すると、
「む~しゃむ~しゃしあわぜ~!!」
「むっきゅ~ん!」
「ゆ、とってもとかいはね!」
蓄えていたご飯が中にいたゆっくりれいむとぱちゅりーとありすに食い荒らされていた。
「な、ななななにじでる゛のお゛お゛ぉッ!!?」
思わず叫ぶまりさ。
「ゆ?ゆっくりしてってね!!
ここはれいむたちのおうちだよ!かんけいないまりさはでてってね!」
「むっきゅ~ん、ごはんをくれるならいっしょにゆっくりしてもいいわ」
「べ、べつにごはんがほしいわけじゃないんだからね!」
と中にいた三匹は好き勝手言っていた。
「ちがうよ!ここはまりさのおうちだよ!そのごはんもまりさのだよ!!」
まりさは叫んだ。必死に集めたご飯を好き勝手食われて、しかも自分のお家だと
宣言までされたのだ冷静ではいられないのも無理はない。
だが、
「なにいってるの!ここはありすたちがみつけたとかいはなおうちよ!
うそをつかないで!」
「そうだよ!ここにあるごはんもれいむたちがみつけたかられいむたちのだよ!
!」
「むっきゅ~ん!!」
三匹は譲らない。
バリケードされた入口を壊して、虫とかが集められていようとも自分達が見つけ
たから自分達のものなのだ。疑問すら浮かばない。
だから、
「うそつきなゆっくりできないまりさはしんでね!!」
言い掛かりをしてくるまりさを成敗する事にした。
まずれいむがまりさに体当たりする。
「ゆぎゃ!?なにずるのぉ!!?」
「うるさいよ!うそつきなまりさはしんでね!!」
不意打ちで動揺したまりさにれいむは追撃する。
「そうよ、いなかものはしになさい!!」
そこにありすも加わった。
これでまりさに勝てる可能性は万に一つも無くなった。
「ゆぎゅ!?やべ!?ちぇ!?どぼぢで!?」
体当たりをされて死にいくまりさには訳が分からなかった。
自分のお家にいる悪者にゆっくり出来なくされている。
さっきまでとてもゆっくりしていたのに…。
こんなことならもっとれいむ達とゆっくりしてればよかった。
「もっちょ…ゆっきゅりィイッ!!?」
最後の言葉を言い切る事なくまりさはれいむに潰されて餡子の飛沫を撒き散らして死んだ。
「むきゅ、せいぎはかつ、よ!!」
盗っ人猛々しいとはよく言ったものだ。
ま、この場でそれをツッコむ者はいないが…。
「これでゆっくりできるね!」
顔に返り血ならぬ返り餡を付けたれいむは笑顔で言った。
「れいむ、かおがよごれているわ。とかいはなありすがとってあげるぺ~ろぺ~
ろ♪」
「ゆゆ、くすぐったいよ♪」
「むきゅ、ぱちゅりーもなめてあげるわぺ~ろぺ~ろ♪」
れいむの顔の返り餡を舐める二匹。
すると、
「うめ!これめっちゃうまい!」
「むきゅ、ほんとね!」
何時しかれいむの返り餡を舐めている内にまりさの残骸を夢中になって食べてい
た。
こうして、まりさは影も形も無くなってしまったのだった。



あれから二、三ヶ月後。
「むっきゅ~!」
「がんばってぱちゅりー!」
「とかいはならこんなところでへこたれないわ!」
冬が近付いて来た為越冬用のご飯を三匹は集めていた。
順当にご飯を貯めてこのままいけば十二分に冬を越せる、そんな量まで備蓄は完
成していた。
そして今日も沢山のご飯が収穫できた。
「これならふゆさんもゆっくりできるね!!」
れいむは笑顔でぱちゅりーとありすに言う。
これだけのご飯があれば冬籠もりの間もとてもゆっくりできる。
輝かしい未来を想像して、れいむ達はとてもゆっくりしていた。
それもこれもゆっくりできる巣を見つけられたからだ。
今いる巣は最初ゆっくりできない壁さんがあったけど中にはとてもゆっくりでき
るご飯が沢山あってとても素晴らしいゆっくりプレイスだった。
こんなお家を見つけられる自分達は天才に違いない、とそう自分達の偉業を思い
起こしていた。
その巣が他のゆっくりのものであったなど露ほどにも考えていない。
そこの主であったまりさの事など記憶の隅にも残っていなかった。
今彼女等はとてもゆっくりしていてゆん生の絶頂期だった。
故に絶頂の後は降るしかないのだ。
「むきゅ!?ぱちゅりーたちのおうちのいりぐちが!!?」
れいむ達の住み処をカモフラージュしていた入口が壊されていた。
「ゆゆぅ、どうじでぇ!!?」
れいむは顔を蒼白させて住み処の中へと入っていった。すると、
「む~ちゃむ~ちゃちあわちぇ~♪」
「とってもゆっくりしてるねおちびちゃんたち♪」
十匹程の赤ちゃんゆっくりと普通のゆっくりよりも大きい巨大ゆっくりれいむが
そこにいた。
「ゆ、だれ?ここはれいむとまりさとおちびちゃんたちのおうちだよ!!
ようがなければごはんをおいてでてってね!!!」
巨大れいむが中に入ってきたれいむに対して宣言する。
それはあまりにも堂々としていた。
まるで最初から自分のものであったかのように…。
れいむは思わず反射的に、「ちがうよ!ここはれいむたちのおうちだよ!!」と
叫んだ。
「ゆ、なにいってるの?
ここはれいむがみつけたおうちだよ?だかられいむのものだよ。そんなこともわ
からないの?ばかなの?しぬの?」
「うしょはよきゅないんじゃよ!!」
「しょーだしょーだ!!」
かつてのまりさが相対した自分達と同じく全く取り合わない。まるで焼き直しのようだ。
「むきゅ、うそじゃないわ!
ここはぱちゅりーたちがみつけたおうちよ!!
でていくのはそっちよ!!」
ぱちゅりーも続いて叫ぶ。
「そうよ!いなかもののほうがでてってね!!」
ありすもそれに続く。
「うしょちゅきゅなぁ!!
おきゃあしゃんたちがみちゅけたおうちをとりょうとするげしゅはゆっきゅりち
ねぇッ!!」
「ゆぴぃ!?」
両者共自分の家だと譲らない平行線に痺れを切らした赤ゆっくりれいむが体当たりを三匹組のれいむに仕掛けた。
だが所詮赤ゆっくりの攻撃。
三匹組のれいむを驚かせたものの、有効なダメージにはならなかった。
「ゆうぅ!よくもやったね!おかえしだよ!!」
「ゆぴゃあ゛あ゛あ゛!!?」
あっという間に返り討ちになり、潰されてしまった。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛お゛ちびじゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛ッ!!?」
巨大れいむの悲痛な叫びが響く。
「ゲラゲラゲラゲラ!!!
れいむたちのおうちにかってにはいるからこうなるんだよ!!」
「むっきゅっきゅ、いいざまね」
「いなかものにはじごうじとくなまつろね!」
好き放題言う三匹。
だが笑ってられるのはそこまでだった。
「ゆっぐりじぬええッ!!!」
突如背後から声が聞こえ、
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」
突然ありすが身体半分を押し潰された。
「ゆ…ゆぅ…?」
何が起こったかわからない。
そういった顔をしてありすは痙攣し始めている。
完全に死ぬのも時間の問題だろう。
「よくぼばりざのおぢびじゃんをおおおおおッ!!!」
ありすを潰したのは狩りに出掛けていた巨大れいむのつがいの巨大まりさだった

「ゆるさないよッ!!!」
まりさは叫ぶと三匹組のれいむに体当たりをする。
「ゆぐぇッ!!?」
そのまま転がり壁へとぶつかる。
「ゆぅ…いちゃい…」
成体のれいむでもサイズの違う巨大まりさの一撃は強烈だった。
そんな隙だらけの状態を見逃す筈が無かった。
「おちびちゃんをころしたゲスはゆっくりしねッ!!!」
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛ッ!!?」
巨大れいむにのしかかられ、かつて自分が殺したまりさのようになって死んだ。

「むっきゅ…」
一方最後の一匹となったぱちゅりーは顔面蒼白となり、震えていた。
仲間はあっという間に死んでしまった。
二人よりも弱いぱちゅりーが勝てる訳がない。
だから…、
「むきゅ…ご、ごめんなさい。
こ、ここはまりさたちのおうちよ…。
おとなしくでていくから…」
「う゛る゛ざい゛ッ!!」
「むぎゅう゛う゛ッ!!?」
退却という手段を使おうとするが時既に遅し。
ぱちゅりーはれいむと同じように巨大まりさの体当たりを受けて壁に当たる。
「むぎゅう…えれえれ…」
口から中身の生クリームを吐き出す。
だが死ぬ量にまでは至っていない。
むしろそこで死んだ方が幸せだったにもかかわらず…。
「おちびちゃんたち、かたきをとるんだよ!!」
「「「「ゆおおおおー!!!」」」」
巨大れいむが宣言すると九匹の赤ゆっくりがぱちゅりーに噛み付いて食べ始める

「む゛ぎゅう゛う゛ッ!!?
やべでぇ゛え゛え゛え゛ッ!!!?」
「うみぇ!きょれめっちゃうみぇ!!」
「む~ちゃなむ~ちゃちあわちぇ~♪」
死体に群がるハゲタカのようにぱちゅりーは赤ゆっくり達に食われていく。
ゆっくりの身体は全て食べられる。
よって無駄がないのだ。
「もっちょ…ゆっきゅり…」
ぱちゅりーが息絶えた。
それでも食欲旺盛な赤ゆっくり達は止まらない。
結局ぱちゅりーを帽子を含めて食べ切り、死んだまりさとありすの残骸を食べ切るまで赤ゆっくり達は
止まらなかった。
こうして、ぱちゅりーとれいむとありすの三匹は自分達が奪った住み処の持ち主であったまりさと
全く同じように影も残らず巨大ゆっくり一家の体内に収まった
のだった。


それから数日後…。
辺りは一足早い冬の訪れを告げていた。
あの巨大ゆっくり一家も入口を塞いで家族で春をゆっくり待っている…、
「おきゃあじゃんたじゅげでえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!」
……訳がなかった。
閉じられた巣の中、そこには新たに来た訪問者がいた。
「う~あまあまでりしゃすだど~♪」
「う~、ゆっくりしね!!」
捕食種の胴ありゆっくりれみりゃと胴ありゆっくりふらんだった。
捕食種である二匹はこうやって越冬中のゆっくりの巣を乗っ取ってそこにいたゆ
っくりを餌にのんびり春を待つのだ。
この巨大ゆっくりの一家は下手な巣の塞ぎ方をしてしまったがためにれみりゃ達に
見つかってしまったのだ。
この巨大ゆっくり一家はあまり頭が良くないのをあまりある身体の大きさで補っ
てきたから慢心していたのだ。
そりゃ冬籠もりの準備をする頃に赤ゆっくりが十匹もいるような家族だ、利口とは言えない。
その結果捕食種の餌として地獄の冬の生活を過ごさなければならなくなった。
「う~みゃんみゃ~♪」
巨大ゆっくり二匹に赤ゆっくり九匹という捕食種にとっての大物はれみりゃ達に子供を作る余裕まで与えていた。
「たずげでぇ…」
散々ふらんに虐められて傷だらけの巨大まりさが来もしない助けを求め続ける。
いくら巨大ゆっくりでも捕食種が相手ではひとたまりもない。
巨大といっても成体以上ドス未満のサイズなのだから。
九匹いた子供はもう一匹も残っていない。
あるのはかつて子供達であった帽子と皮だけだ。
「う~はやくそれたべる」
ふらんが不機嫌そうに言う。
巨大まりさ達からすればかわいい子供の形見であっても、ふらんからすればあまあまの残り滓。
邪魔でしかない。
「おねがいじまず!!これだけはのござぜで…!!」
「う~うるさい!」
ふらんは巨大まりさの嘆願を一切取り入れず殴打で返した。
「ゆぎゃあ!!?」
「ゆっくりしね♪ゆっくりしね♪」
ボール遊びをする猫のように何度も何度も殴ったり蹴ったりするふらん。
勿論口ではああ言ってるが殺すつもりはない。
痛め付けて遊んでいるだけだ。
冬の間の大事な食料兼玩具をそう簡単に壊すほど愚かではなかった。
もっとも愚かであった方が巨大まりさには幸せであったが。

「たちゅけでおきゃあ゛あ゛あ゛じゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んッ!!?」
「う~おいしいんだど~♪」
一方れみりゃの方は新しく巨大れいむに作らせた赤ゆっくりに子供達と一緒に舌鼓を打っていた。
「おでがいじばずぞのごだぢだげはゆるじでぐだざい~!!?」
食べられていく赤ゆっくりの助命を必死に巨大れいむは嘆願するが、
「う~、うるさいんだど~!」
「ゆぎゃあ゛!!?」
ふらんと同じように暴力で黙らせる。
「う~ふらんもあそぶ~」
「れみりゃもあそぶんだど~♪」
「ゆ、やめで…ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
親れみりゃの殴打を遊びと勘違いしたまだ胴のない子れみりゃと同じように胴のない子ふらん達は
巨大れいむを餡子が出ない程度に甘噛みしていたぶる。
「もう…やだぁ…」
素晴らしいゆっくりプレイスだった住み処はれみりゃ達のせいで地獄になってしまった。
どうしてこんな事になったのか…わかりもしない疑問を何時までも巨大れいむは
考え続けていた。
それに対してれみりゃ達はとてもゆっくりしていた。
美味しいあまあまに可愛い子供達。
狭いお家の中では存分に飛び回ったり出来ないけれどそれも春まで我慢すればい
い。
まさに幸福の絶頂だった。
そうなればもう下っていくしかなかった。

「う~!!?」
突然物音がしたと思ったら塞いだ筈の入口が壊されだしていた。
そして、
「お、いたいた。
やった!ゆっくりれみりゃじゃねえか!!ふらんもいる!!
大当りだぜ!!」
穴の外からこちらを覗き込む人間の男の顔がれみりゃ達に見えた。
そして、
「う゛あ~はなぜ~!?」
瞬く間に赤れみりゃを掴んだ。
「一、二、三…おお八匹もいるじゃねえか!」
巨大ゆっくり二匹を除いた合計を数え、男は笑う。
「うーゆっくりしねええッ!!!」
捕まえられた赤れみりゃを助けようと親ふらんが突撃する。
「うっさい」
「うぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」
空いている片手で親ふらんを殴って黙らせる。
まるでさっきまで親ふらん自身がやっていた事のように。
「ぱあぱあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」
親ふらんの状態に暴れるのを忘れて叫ぶれみりゃ。

「腹減ってるし…一匹位いっか…」
そんなれみりゃを見て人間の男、すなわちお兄さんは呟き、
「いただきまーす♪」
「うぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」
赤れみりゃにかじりついた。
「れびりゃのおちびじゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」
一瞬にして顔の半分をかじり取られた赤れみりゃ。
「う゛…う゛ぁ…」
いくら再生力の高いれみりゃ種でも成長しきっていない赤れみりゃには致命傷だ。
だがまぁ瀕死だろうとそうでなかろうと二口目には全部お兄さんの胃の中だが。
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おちびじゃんをがえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛
ッ!!!」
子供の駄々っ子のようにお兄さんに向けてポカポカパンチをする。
ダメージにもなりはしない。
通常種には驚異的な存在であっても人間に対してはあまりに脆弱だった。
「はいはい、腹ごしらえも終わったし回収回収♪」
「う゛あ゛あ゛はなぜえ゛ッ!!!?」
ポカポカとパンチを繰り返す親れみりゃをお兄さんは難無く掴み、後ろに用意し
ていた麻袋に入れた。
「う゛あ゛~だぜえ゛え゛え゛ッ!!?」
袋の中で暴れるがゆっくりが暴れた程度で破ける程麻袋は脆くはない。
お兄さんは気にせず親ふらんを掴んで麻袋に放り込む。
親を捕まえておけば子は逃げられない。
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぱあぱあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」
「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」
泣き叫ぶ赤れみりゃ。
こちらに敵意を向け、攻撃してくる赤ふらん。
ふらん種は嗜虐性が高い上に変に攻撃的だから圧倒的実力差であろうとも逃げよ
うとせず攻撃して来るから捕まえやすい。
「はいはい御苦労さん」
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
お兄さんは難無く赤ふらんを麻袋に入れる。
残ったのは赤れみりゃのみ。
ここまで来てようやく逃げるという行動を起こし始める。
雪が降る中逃げ出すのは安全と言い難い。
だけどこのままじゃ捕まってしまう。
捕まったらゆっくりできなくなりそうだ。
そう考えた赤れみりゃ達は一か八か逃亡を試みる。
お兄さんが待ち受ける入口を一斉に飛び出せば何匹か助かるかもしれない。そう
本能的に考えたのだ。
「う~ざぐやあ゛あ゛あ゛!!」
「はなじでええ!れみりゃはおぜうざまなんだどおおおおッ!!?」
「はいはい偉いですね。
偉いおぜうさまは袋に入って下さいね」
だがお兄さんはそんなれみりゃの一か八かの賭けを嘲笑うかのように難無く全匹
捕まえて麻袋に突っ込んだ。
そして袋の口を紐でゆっくり縛る。
そうして宣言した。
「君達はこれから加工所でさっきのれみりゃみたいに人間のご飯になります。
ゆっくり理解してね!」
途端、
「やだどお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!?」
「ざぐやあ゛あ゛あ゛あ゛はやぐだずげでえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」
「ゆっぐりぢね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」
麻袋の中から叫び声が一斉に上がり、袋が揺れる。
だが悲しいかな麻袋を素手で破壊なんてゆっくりに出来る訳が無い。
袋の口も強固に結ばれ、今や透明な箱に入っているのと同じようなものだった。
それにしても今や加工所は捕食種にしても恐怖の対象のようだ。
ここで狙われ慣れている通常種は苦しまないように親ゆっくりが子を殺すのだが
今まで自分よりも強い圧倒的脅威に晒されていない捕食種は隙を見て逃げ出すと
か、不意打ちで倒すとか下手に抵抗する手段を思いつき、希望を持ってしまい、
子供を苦しめないで済む最後のチャンスを逃したのだった。

「さて残りはっと…」
お兄さんは奥の方で転がっていた巨大ゆっくり二匹を発見した。
「ゆ、ゆゆ…にんげんさん…」
疲れ切り、ボロボロになった巨大まりさを掴んで穴から出す。
もはや抵抗する気力すらないのだろう。
「こりゃ売れねえな…」
傷だらけで何度もふらんに攻撃された巨大まりさはもはや何の価値も無い。
「…たすけて……」
まりさは消え入りそうな声で呟く。
ゆっくりできないれみりゃ達を捕まえたお兄さんは巨大まりさからすれば救世主
だった。
だが、
「しょうがない、殺しとこう」
「ゆ?…ゆげぇ!!?」
容赦無く地面に落として踏み潰した。
「どぼ…ぢで…」
まりさには訳が分からなかった。
ふらん達を捕まえてくれた救世主と思っていたらその人間に踏み潰されたのだ。
最初から救世主などではなく、巨大まりさが勝手に思い込んだだけなのだが巨大
まりさには裏切れたと勘違いも甚だしい事を思い込んだながら死んでいった。
「ゆ!やめではなじでえ!ゆびゃあッ!!?」
巨大れいむも同じように殺して残骸を洞穴に詰めて雪で入口を塞いでおく。
「これでよし」
お兄さんは笑う。
そして洞穴の上にある木に刻まれた十字の傷痕を見る。
「それにしてもこいつ等…巣が明らかに人の手が入ってるって気付かないもんか
ね…」
お兄さんは小さく呟く。
そう、この洞穴はお兄さんが作ったものだったのだ。
ちょっとやそっとじゃ崩れない頑丈な穴はわざわざお兄さんが木の骨組みで固定
してあるのだ。

ゆっくりにとってお家は大事なものだ。
狩られる側の多いゆっくりは身の安全を保証してくれる頑丈な場所を求める。
よってお家争いは熾烈を極めるのだ。
夜になれば捕食種にも狙われる。
雨が降れば溶けてしまう。
ゆっくりにとってお家は死活問題であり強さの象徴、権威でもある。
それを考慮すればお家に関して躍起になるのも無理はない。
だが所詮ゆっくりの作れる家などたかがしれている。
だから、人間の家を奪おう等という愚作を考えつくゆっくりが後を絶たない。
その結果はここで言うまでもないだろう。
「ならこっちで家(罠)を用意すりゃ楽にゆっくり捕まえられるんじゃないか?
」と考えたのがこのお兄さん。
お兄さんが山の持ち主から任された山の管理の仕事の片手間に、駆除を名目に簡
易的な洞穴にカモフラージュした壕を複数作成した。
ゆっくりが入れる程度ならば一週間かそこらで完成出来た。
人間の家ですら勝手に入って疑問も感じずお家宣言するゆっくりだ。
余程頭のいい個体でもない限り気付く訳が無かった。
そうしてお兄さんはゆっくりが確実に巣に篭り、まだ餌が足りなくなって共食い
を始めるような事のならない冬の最初の時期を狙い、お兄さんの作成したお家で
越冬中の栄養を溜め込んでゆっくりして甘さが凝縮しているゆっくりを捕まえて
加工所に売ったりしているのだ。
この巣はゆっくりからすれば丈夫でとてもゆっくりできるらしい。
だから当然お家争奪の頻度も高くなる。
だから冬の時期にこの巣にいるゆっくりはお家争奪を勝ち残った強者といえるの
だ。
強固で栄養価が高い。
そんなゆっくりが高値で売れない筈がない。
「さて、と…いきますか」
お兄さんは種類別に幾つかある麻袋を担いで歩いていく。
熾烈な争いを生き抜いたゆっくりはこうして人間に食われるというゆっくりでき
ない末路を迎えたのだった。





数ヶ月後。
ゆっくり達には待ちに待った春の季節だ。
これを望んで叶わなかったゆっくりは沢山いる。
「おかあさん、おせわになりました!!」
「ゆっくりがんばるんだよ!!」
「こまったらすぐたよっていいからね!」
こちらにいるのは春を迎えて子ゆっくりまりさが巣立ちを迎えるようだ。
「ゆ、ゆ、まずはゆっくりできるおうちをさがすよ!!」
巣立ったまりさは手頃な巣が無いかゆっくり探していた。
するとあのお兄さんが作った巣が見えた。
春を迎えたので塞がれていた雪が溶けて見つけられるようになっていたのだ。
「なんだかあそこはゆっくりできそうだよ!」
ぴょんぴょんとその巣の中に跳ねていく。すると、
「ゆ、ゆおおおおおッ!!?」
巨大ゆっくり達の越冬用の食糧と巨大ゆっくり自身の残骸が残っていた。
寒い冬の自然が冷凍庫の役目をして餌をそのままの状態にしていた。
それは独り立ちしたまりさにはとんでもないご馳走だった。
「ゆゆう、きめたよ!
ここをまりさのおうちにするよ!!」
入って一分もしないでまりさはここをお家にする事に決めた。
まだ先に住み始めたゆっくりがいなかった為、難無くこの住み処はまりさのお家
に(まりさの頭の中で)決まったのだった。
「それじゃゆっくりはらごしらえするよ!!」
まりさはそう言って巨大ゆっくりの残骸を食べ始めた。
「む~しゃむ~しゃ、しあわしぇ~!!!」
このまりさがいつ頃までこのお家の主としていられるかはわからない。
だがどんなに頑張っても今年の冬を越える事は出来ない事だけは確実だった…。
それを知らずまりさは束の間の幸福を満喫していた…。



「ここはまりさのおうちだよ!!
ゆっくりりかいしてね!!」
そしてまた何処かで熾烈なお家争奪戦が始まったのだった…。




END




おまけという名の蛇足

最初のまりさとゆっくりしてたれいむ達のその後。


「ゆっゆっゆ~♪」
れいむはごきげんだった。
友達のまりさとみょんと存分にゆっくりしていたからだ。
思う限りのゆっくりを満喫して家路に着いていた。
れいむは他のゆっくりが作ることの出来ない素晴らしいお家を見つけ、そこに住んでいた。
それが一体どんなお家なのか言うまでも無いだろう。

「ゆっくりかえったよ!!」
「ゆっくりおかえり!」
お家に帰るとそこには姉妹のゆっくりありすがいた。
勿論れいぱーではない。
れいむは広いお家にありすと一緒に住んでいたのだ。
とても丈夫なお家はまるで人間さんのお家のようだ。
「おねえちゃん、おなかすいたよ!」
「ゆ、そうだねごはんにしようね!」
「きょうはありすがごはんさんをあつめたんだよ!!」
「とってもおいしそうだね!
すごいよありす!!」
「ありすはとかいはだもの!とうぜんよ!」
両親と他の家族がれみりゃに襲われて死んでしまってから二匹で暮らしてきた。
いつもはれいむがまりさと一緒にご飯を集めるのだが今日はありすがご飯を集め
ていつもの感謝としてれいむにゆっくりしてもらったのだ。
「ゆっくりたべるよ!」
「いただきます!!」
とても美味しそうに食べている。
何時死ぬかわからないゆん生。
一瞬一瞬を後悔の無いように楽しむのだ。
そう例え数秒後に死ぬとしても…。
「ゆ…ゆげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」
「う゛げえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」
いきなり餡子とカスタードを吐き出すれいむとありす。
ありすの集めた草花に毒があったのだ。
れいむはいつもまりさと共に狩りをしていたからまりさのおかげで毒のある植物を
とらずに済んだのだがありすはそうではなかった。
れいむもまりさに頼り切りで毒のある植物に対しての知識を溜め込まなかった。
本来ならその知識を教えてくれる親はれみりゃに食われてしまい、教える事が出来なかった。
ありす基準で集めたご飯はきらびやかな毒のある植物のオンパレードだった。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛…」
比較的体積の少ないありすが先に皮のみになり力尽きる。
「まりざぁ…だず…」
れいむはもう巣を占拠していたれいむ達に食われたまりさに助けを求めながら力
尽きたのだった…。





そして翌日、
「まりさたちおそいみょん…」
約束の狩りへいく集合の時間からしばらく経つのに集合場所にはみょん以外誰も
いない。
当たり前だ。二匹共既に死んでいるのだから。

「しかたないみょん、おうちまでむかえにいくみょん」
みょんはそう言って近くのれいむのお家まで行く事にした。
「ゆううう!?れいむううう!?」
れいむがいる暗い洞穴にたどり着いたみょんが見たのは皮のみとなったれいむと
ありすに散らばった餡子やカスタードだった。
「しっかりすりみょん!げんきだすみょん!」
既に完全に死んでいるれいむに駆け寄るみょん。
それがいけなかった。
「ゆ?」
暗い洞穴から何かゆっくり出来ないものが現れた。
れいむの死体に気を取られていたみょんはそれに対して反応が遅れてしまった。
「ゆう゛う゛う゛う゛ッ!!?」
みょんがそれに反応した時には遅かった。
それは蟻。
れいむの遺骸から放たれた甘いニオイに誘われた蟻達だった。
れいむの吐いた餡子を巣に回収しようとしていたその時に現れたみょんは新たな
餌でしかなかった。
「みょ…たすげ…まり…」
瞬く間に黒い塊に変化していくみょん。
もはや逃げることも出来ずゆっくりと蟻に食い殺されるしかなかった。

こうして、仲の良かった三匹は一日で仲良く死んでいったのだった。
巣を守れてもこうやって勝手に自滅していくゆっくりも多い。

「ここはゆっくりできそうだね!ちぇんにはわかるよー!!」
「そうだね!れいむとちぇんのあいのすにぴったりだね!!」
しかしいなくなってもすぐ別のゆっくりが住み着くので何の問題もない。
ただ…、
「ゆ!?ありさんこっちにこないでね!!」
「いだいよおおおおおお!!?
わがらないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!?」
すぐにまたいなくなる事も多かったが…。
先程のれいむ達を餌にする事によって蟻が味を占めたようだ…。
その結果この洞穴からは毎日のようにゆっくりの悲鳴が響く事となったのだった
…。





おまけ2
春に独り立ちしたまりさの両親

「やったねれいむ…」
「そうだねまりさ…」
二匹は寄り添ってほしい跳ねていくまりさを見届ける。
苦労して育てたまりさが今巣立っていった。
自分達がやり遂げた事を感動していたのだ。
思い起こせば生まれた他のまりさの姉妹はれみりゃに食われ、帽子で川を渡る練
習をしている最中にミスして溺れ死んだりし、帽子をなくしたせいでゆっくりで
きなくさせたり、冬籠もりの最中にご飯が足りなくなったので食ったりして今や
一匹しか残らなかったのだ。
まぁつまりこいつ等は親としては無能だったという事だ。
「れいむ、またあかちゃんゆっくりつくろうね!!」
「ゆ、そうだね!
こんどはちゃんとそだてようね!」
しかし反省の色は全く無く、何の準備も無く同じ愚を犯している。
所詮はゆっくりである。
「「すっきり~!!」」
二匹のすっきりの声がしたのはまりさが出て行ってから僅か数時間後の事だった


「じゃあゆっくりいってくるよ!」
「ゆっくりいってきてねまりさ!」
「「「「いってらっしゃいおちょうしゃんッ!!」」」」
数日が経過し、すっきりによって生まれた赤ゆっくりれいむ種とまりさ種半々の
四匹もそれなりに成長していた。
まりさが狩りをして、れいむが子供の世話をする典型的なゆっくりの生活の姿だ
った。
「それじゃおちびちゃん、きょうもゆっくりしようね!」
「ゆっきゅりちゅるよ!!」
親れいむの言葉に笑顔で答える子れいむ。
かつて先に生まれた姉妹が親であるれいむに食われた事も知らず幸せそうに暮ら
していた。
今は春真っ盛り、これから暑い夏に向けてゆっくりご飯を沢山食べて大きくなろ
うとしているのだろう。
だが考えて欲しい。
春になって食べ盛りなのは何もゆっくりだけではないのだ。
「ゆぴぃいッ!!?」
親れいむが巣に戻ろうと子供達に背を向けた瞬間、子ゆっくりの悲鳴が聞こえた

「ゆう!?どうしたのおちびちゃん!!?」
するとそこには、
「たじゅげべぇッ!!?」
振り向くとそこには可愛い我が子であるれいむが目の前にいる動物、野犬に食わ
れていく姿があった。
もはや子供は二匹食われてしまった。
その動物の正体を親れいむが知る由も無かったが危険だというのだけはわかった

だがそれでも遅かった。
というかここまで接近を許してしまった時点でもうどうしようもない。
「おちびちゃんたち、おうちのなかにかくれてね!
ぷくうぅ~!!」
それに気付かずれいむは勝てる訳も無いのに口を膨らませて威嚇する。
だが、
「ゆ!?ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
迷い無く野犬は親れいむに噛み付く。
喉元を狙うのが定石だが喉なんてゆっくりには無いので身体を挟み込むように噛
み付く。
流石に成体サイズだと一口では噛みちぎれず何度も噛み直すことになる。
「ゆぎぃ!?ぺぴぃ!?
ごび!?」
噛む力を弱めて噛まれ、弱めて噛まれを繰り返す。
それは中身が固形物に近い餡子であるれいむには痛みだけ続くなかなか死ねない
拷問だった。
だがそれも終わりは来る。
「も…と…ぴぃいいッ!!!」
最後に大きく一声鳴くとブチブチ、とれいむの身体がちぎれて地面に散乱した。
野犬はれいむの残骸もしっかりと食いきり、向くのは生き残った子ゆっくりがい
る穴。
犬の鼻がそこにまだ獲物がいると告げているのだ。
成体ゆっくり一匹と赤ゆっくり二匹は結構な量だが犬は元来食い物を拒否すると
いう事をしない。
満腹感はあるが人間よりも鈍く、食いだめの性質がある。
食える時に食っておく。
そんな野犬が目の前の獲物をわざわざ逃がす訳が無かった。
「おきゃあしゃんのぶんみゃでゆっくちしようね…」
「ゆうぅ…」
穴の外から話す声でそこにいるのは犬じゃなくてもわかるが当のゆっくりにはわ
かりはしなかった…。
穴は犬の頭くらいなら簡単に入るサイズだったので簡単に侵入出来た。
「ゆうぅ!?どうしておうちにはいってくるのおおおおおおッ!!?」
「きょないでね!!まりしゃおいちきゅにゃいよ!!
たべるりゃられいみゅおねちゃんにしぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」
赤ゆっくりの悲鳴が断末魔に変わるまでそう大した時間はかからなかった…。



一方狩りに行ったまりさは…、
「これできょうはゆっくりできるよ!」
ぴょんぴょんと跳ねながらお家へと跳ねていく。
頭の上にある帽子は餌でいっぱいだ。
お家に帰って家族でゆっくりするのを楽しみにしながら跳ねているのだろう。
家族は野犬に身を捧げて野犬をゆっくりさせて野犬のお腹の中で一つになった事
も知らずに…。

「ゆっくりただいま!!」
暗くなっていた為かつてれいむだった残り滓に気付きもしないでお家である洞穴
に戻ってきた。
だがいつもなら「ゆっくりおかえりまりさ!」というれいむの声が聞こえるはず
なのに何も返って来ない。
「みんな?ゆっくりす~やす~やしちゃったの?」
まりさはもう誰もいない、一人きりの洞穴の中で薄ら寒い予感を否定するように
明るく喋っていた。
「ゆゆ!わかったよ!かくれんぼさんだね!
おと~さんがおにさんだね!!
みんないじわるなんだから…ふふふ」
一人気付いて一人納得して一人いもしない家族を探し始める親まりさ。
すると敷き詰められた葉っぱの奥に赤いリボンを見つけたのだ。
れいむ種の持つリボンだ。
「ゆっゆ~そんなところにいたんだね。
でももうみつけちゃったよ!!」
そう言ってまりさはリボンを加えて引っ張りあげる。
たしかにそれはれいむのリボンだった。
ただ一つまりさの予想と違ったのはリボンから下の頭の部分と、左目の辺りの一部のみの
残骸であったという事だ。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」
それは可愛い我が子の成れの果て…完全な死体だった。
思わず赤れいむの成れの果てを投げ捨ててしまうまりさ。
捨てられたれいむの残った左目とまりさは目が合う。
赤れいむのおめめは無機質にまりさへ向けられていた。まるで助けなかったまりさを責め、
呪っているようでもあった。
これは完全なまりさの被害妄想だがまりさは突然の事に訳も分からずパニックに
なり、混乱していた。
その結果目の前の残骸がまるで自分を今も殺そうとしている被害妄想まで生み出
してしまった。
「こっちみないでね!
まりさをみないでね!!」
恐怖でガタガタと震えるまりさ。
かつて我が子を食べた時は先に潰してぐちゃぐちゃにしたから食べたからあまあ
まとしか考えてなかった。
しかし、今の赤れいむは中途半端に形を残してしまっていた。
だからまりさも我が子だと理解してしまったのだ。
「みるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?

赤れいむの残骸に恐怖し、我を忘れ、赤れいむの残骸に背を向けて巣から飛び出
すまりさ。
辺りはすっかり暗くなっていた。
今外に出るのは危険であるがそんなのまりさにわかりはしなかった。
「みんな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ででぎでよ゛ぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛
ッ!!!?」
夜の森の中をぴょんぴょん跳ねていくまりさ。
「まりざにいじわるじないででてぎでよおおおッ!!!
おとうざんおごるよ゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!!」
もはや何処へ向かっているのかまりさ自身わからない。
しかしぎゃーぎゃー騒いで跳びはねていくまりさは捕食種の恰好の餌食だった。
「ぎゃお~、たべちゃうぞ~♪」
「ゆ?ゆわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛どうじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!
!?」
それにまりさが気付いた時にはもう手遅れだった。
野生の胴有りれみりゃに身体を掴まれてしまった。
「いただきますだど~♪」
「ずわないでぇえ゛!!
ばりざのあんごをずわ゛ないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!?」
泣き叫ぶまりさを無視してれみりゃはまりさの中身の餡子を吸い尽くす。
「ゆ…べぇ…」
結局まりさは家族に何が起こったかわからないまま、訳も分からずれみりゃに食
べられたのだった。
「う~、おなかいっぱいだど~♪」
成体サイズのゆっくりは流石に結構な量だったらしくれみりゃは満足したようだ

れみりゃいわく“かりしゅま☆だんす”を踊り始める。
そして、
「う~?だれなんだど~?」
目の前に現れた動物に気付いた。
「う~、いまれみりゃはかりすま☆だんすをおどってるんだど~!
あっちいくんだど~!!」
れみりゃはそう言って両手を上げて威嚇する。こんな暗い夜の森じゃ意味がない
のにも気付かない。
目の前に現れた動物は皮肉にもれみりゃが食ったまりさの家族を食べた野犬だっ
た。
住み処で眠っていた所をれみりゃのだんすで出た肉汁のニオイに気付きやって来
たのだ。
グルル、と唸り野犬は飛び掛かるタイミングを計る。
そうとも知らずれみりゃは野犬が自分の“かり☆しゅま”に恐れを抱いたと勘違
いし、調子に乗る。
「う~れみりゃのかり☆しゅまにおそれをなしたんだど~♪
けどいまさらおそいんだど~☆
さくやにやっつけてもらうからかくごするんだど~♪」
そう言いながら不用意に近付いていく。
れみりゃの頭の中だけに存在する従者“さくや”の存在が守ってくれると信じ切
っていた。
そんな隙だらけのれみりゃに野犬は、
「う~ば~かば~ぎゃぐべぇッ!!?」
首とおもわしき部分に噛み付いた。
と言っても首だけでなく胴体も噛み付いていたが。
「げひゅ!?…ど…ひへぇ…」
いきなりの痛みに訳がわからないれみりゃ。
身体がビクンビクン痙攣している。
「う?…うぁぁ…」
逃げようと痙攣する身体を動かそうとするが野犬の牙は深く食い込みれみりゃを
逃さない。
「たひゅ…げ…」
涙を濁流のように流してれみりゃは助けを求めるが誰も助けはしない。
野犬は辺りを確認するとれみりゃをくわえたまま寝床へと戻り始めた。
危険な森のど真ん中ではなく安全な寝床でゆっくりと食事を楽しむつもりだろう

再生力の高いれみりゃはなかなか死ぬ事も出来ず、生きたまま野犬に貪り食われ
るだろう…。


結局、おうちがあろうとなかろうと、通常種か捕食種どちらであろうと、ゆっく
りがゆっくり出来る可能性等殆ど無いという事だけは確かだった…。



本当にEND。


あとがき
おまけというか蛇足が変な方向に行ってしまった…。


過去に書いたもの



ありすを躾けよう 



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最終更新:2023年11月25日 23:25