「
ゆっくりしてるとサンタさんがプレゼントをくれるんだよ!」
まりさがそんなことを言っていたのは、冬ごもりを始める前のことだった。
「それならいっぱいゆっくりしないとね」
れいむもノリノリで、そのあとすぐに靴下を人里から盗んできた。
プレゼントをもらうには靴下が必要、とまりさが言っていたからだ。
同じように、群れのゆっくり達も靴下を獲得しようと村に侵入し、2000匹近くが殺された。
このれいむとまりさのつがいが靴下をゲットできたのは数多の犠牲があってこそだ。
そして今、季節は冬。
暗い穴のなかで、れいむとまりさは冬ごもりをしていた。
靴下はマフラーのようにつかっている。
「サンタさんが、ゆっくりできるものをプレゼントしてくれたらいいね!」
「まりさもれいむもゆっくりしてるからね!きっとすごくゆっくりしたモノをくれるよ!」
そろそろサンタさんが来てもいいんじゃないか、れいむとまりさはそればかり考えていた。
そしてその翌日、ついにサンタさんが現れた!
「ゆ!れいむれいむ!ゆっくりおきてね!」
「・・・ゆぅ?なんなのまりさ・・・?」
まりさの隣に、何やら大きな袋のようなものがある。
中からは、ゆーゆーと変な声が。
「サンタさんがプレゼントをくれたんだよ!きっと!」
「ゆゆっ!ゆっくりできるプレゼントだね!」
一気に眠気が吹き飛んだれいむは、袋に近寄った。
「あけてみるよ!」
まりさが袋を開ける。
すると・・・
「ゆっきゅりー!」
「ゆっくち!」
「ゆっくいしゅるね!」
「ゆっくちぃー!」
「ゆっゆっ♪」
「ゆっきゅい!」
「ゆー!」
「ゆっくてぃ!」
「ゆくーち!」
「ゆっくちちちぇ!」
なんと、袋の中には10匹もの赤ゆっくりが入っていた。
「ゆー!すごくゆっくりしたあかちゃんだよ!!」
「すごくゆっくりしてるね!!」
ワラワラと出てくる赤ゆ。
「みんなでいっしょにゆっくりしようね!」
3日後。
巣の中は荒れていた。
「ゆっくち!」
「ごはんちょーらいね!」
「うるさいよ!おまえたちにあげるごはんなんかないんだよ!」
「だまってね!!これはまりさとれいむのごはんだよ!!」
「どぼちちぇ!?」
「しょんにゃこちょいうのぉお!?」
越冬に必要な食料に、余裕などなかった。
当然、ごく潰しの赤ゆなど迷惑以外の何物でもない。
「うるちゃいよ!れーみゅはむーしゃむしゃしゅるよ!!むーちゃむちゃ♪しゃーわせ!」
1匹の赤れいむが、食糧庫の食料に手を出してしまう。
すると
「ゆ!れいむのごはんをたべるわるいこはしね!」
「まりさのごはんをかえしてね!!」
ガスガスと体当たりをくわえ、あっという間に赤れいむは物言わぬ饅頭へと変わった。
「どぼちちぇしょんにゃこちょしゅるのー!?」
「れーみゅがちんじゃったー!!」
「おかーしゃんのばきゃ!!」
「うるさいよ!!おまえらなんかうんだおぼえはないよ!!」
「ちょうどいいからみんなごはんになってね!!」
そもそも自分の子ではないのだ。
はっきりいって生かしておいたって何の意味もない。
れいむとまりさは赤ゆっくりを次々と食べて行った。
最終更新:2008年12月26日 07:44